安斎勇樹
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新刊『チームレジリエンス:困難と不確実性に強いチームのつくり方』発売決定!先行して「はじめに」を全文公開します。
チームづくりに関する最新刊『チームレジリエンス:困難と不確実性に強いチームのつくり方』(池田 めぐみ・安斎 勇樹 共著)を今月末に発売します。Amazonで予約が開始されていますので、ぜひ発売前にご予約ください!
本記事では、一足先に書籍の「はじめに:チームの行く手を阻むもの」を公開いたします。※校正前の原稿ですので、発売時のものとは若干異なります
チームに降りかかる「困難」を乗り越えるには早
組織に“できたてホヤホヤの暗黙知”をシェアする仕組みをどうつくるか?子どもの「逆上がり」習得過程を見て気づいたこと
今日は「子どもの日」ということで、個人的な話になりますが、先日、5歳の娘が「逆上がり」を習得しました。
一人の親として感動を覚える瞬間だったことはもちろん、習得のプロセスがまさにヴィゴツキーの言う「ZPD(Zone of Proximal Development、最近接発達領域)」そのもので、親としても、研究者としても非常に感激してしまいました。
そこで本記事では、「娘の『逆上がり』習得」とい
"心理的安全性の誤解"の誤解/キャリア目標を捨てよう。探究テーマの重要性/暗黙知を引き出すインタビューのコツなど【Voicy4月総集編BEST5】
2023年度を振り返ると、春に「軍事的世界観から冒険的世界観へ」という新たなスローガンを掲げて、冒険型の組織づくりのモデル「CCM」を開発して、今秋出版予定の集大成的な単著の執筆に取り掛かった1年で、まさに「大きなアウトプット」にすべてのリソースを費やした1年間でした。
単著はまだ現在進行形でブラッシュアップ中ではあるのですが、大型のアウトプットを通してやや燃え尽きかけていたというか、研究者とし
毎年新刊を出すために実践している、知的生産の4つのルーティーン
近頃は2冊の新刊を仕上げていて、終わりが見えてきました。
1冊目はチームづくりに関するもので、MIMIGURIのリサーチャーの池田めぐみさんとの共著。2022年頃から進めてきた共同研究の成果として2024年初夏に出版予定で、連休明けくらいに情報を解禁できそうです。
2冊目は、組織づくりに関する単著で、2024年秋頃の出版を予定しています。冒険的世界観の組織づくりを体系化した実践書になる予定で、
マネジメントの「もぐら叩き」からいかに抜け出すか。ミドルマネージャーが心得ておくべき「問いのデザイン」の新原則とは?
経営層の方針をチームに伝え、実行に移すミドルマネジメントの現場において、「問い」のデザインがますます重要になってきていると感じます。
本記事では、2023年10月に開催し、大変好評だったウェビナー「チームを覚醒させる「問い」のデザイン:新時代のミドルマネジメントの真髄」の内容より、「問い」を活用したミドルマネジメントの新原則について、ケーススタディとともにご紹介します。
『問いのデザイン』の大
企業に染み付いた組織文化を変えるには?「カルチャー」変革のための3つのレバレッジ・ポイント
前回の記事では、先行研究をもとにカルチャーの定義を紐解き、カルチャーが組織において果たす役割とその重要性について確認しました。
その後編となる本記事では、どのようにしてカルチャーがつくられるのか、どうすればカルチャーを変革できるのか、というテーマについて解説していきたいと思います。
とはいえ、あらかじめ断っておくと、組織に染み付いたカルチャーを変えるのは、簡単なことではありません。
そこで本
採用面談は「候補者へのキャリアカウンセリングの場」と捉えるべき?旧友・伊達洋駆さんとの対談で得られた気づき
昨年のことになりますが、Indeed Japan主催の「キャリア社員が継続活躍できる組織の作り方」というテーマのセミナーで、ビジネスリサーチラボ代表取締役の伊達洋駆さんと対談させていただく機会がありました。
伊達さんとは、実は大学院生時代からの十年来の友人でもあるのですが、こうして外部のイベントでご一緒させていただくのは、この機会が初めて。なんだか感慨深いものがありました。
拙著『問いのデザイ
21世紀の組織づくりのスタンダードを打ち立てる──MIMIGURIの知を結集した「新時代の整合性モデル」とは?
MVVの開発・浸透、人事や評価制度の構築、事業目標の管理、採用や人材育成、カルチャー醸成……「組織づくり」と称して、企業ではさまざまな施策が行われていることと思います。
しかしこれらは、組織をつくる断片的な施策にすぎず、組織づくりの本質は、さまざまな組織の構成要素を「整合」させることにあります。
これまでは、組織の整合性を確認するためのツールとして、「ナドラー&タッシュマンの整合性モデル」が使
2023年のMIMIGURIを象徴する6つのキーワード
今年もMIMIGURIではAdvent Calendarに挑戦します!
MIMIGURIは合併後3期目を迎え、メンバーは約70名となり、"人と組織に対する深い洞察と専門知を有する経営コンサルティングファーム"をアイデンティティに掲げながら、毎日楽しくやっております。
ずっと仮設だったコーポレートサイトも、ようやくリニューアルしました。
さて、MIMIGURI Advent Calendar
MVV開発、制度構築、カルチャー醸成……いずれも「組織づくり」の本質ではない。前時代の「整合性モデル」と、その限界
このnoteを読んでくださっている皆さんの中には、「組織づくり」に携わっている方も多いと思います。
しかし、この「組織づくり」という言葉の定義は、人によって案外まちまちです。
「経営理念を作って浸透させることが重要だ」という話もあれば、最近では「心理的安全性を高めることこそが重要だ」という議論もありますね。あるいは、組織カルチャーが話題になることもあるでしょう。
たしかにこれらは、いずれも組
安斎への講演依頼、2023年の人気テーマ
この3年間で『問いのデザイン』『問いかけの作法』『リサーチ・ドリブン・イノベーション』『パラドックス思考』などを出版し、最近では「新時代の組織づくり」「冒険的世界観」などのキーワードを積極的に発信していることから、大変ありがたいことに幅広いテーマで講演依頼をいただくことが増えてきました。
リソースに限りがあるためすべてのお声がけにお応えすることはできないのですが、自分にとって「探究の成果を話すこ
"軍事的"ではない経営はいかにして可能か?「冒険的世界観」を実現するマネジメントを探究する
前回の記事では、20世紀のビジネスを支えてきた「軍事的世界観」に焦点を当て、いまはその限界が表出しているタイミングにあることを説明しました。そしてこれからの時代においては、「冒険的世界観」という新たなパラダイムにシフトする必要があるのではないか、ということについても触れました。
しかしながら、軍事的世界観から冒険的世界観へのシフトとは、「もっとゆるくラクに働こうよ」という意味ではありません。