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人と組織のポテンシャルを探求する読書記録📚

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ソース原理(Source Principle)、ティール組織(Reinventing Organizations)、ファシリテーションといった人や組織のポテンシャルを発揮する哲学… もっと読む
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記事一覧

【書籍紹介】「人の器」を測るとはどういうことか―成人発達理論における実践的測定手法

今回、ご紹介したい書籍はオットー・ラスキー『「人の器」を測るとはどういうことか―成人発達理論における実践的測定手法』(日本能率協会マネジメントセンター)です。 本書の出版には、私にとってご縁のある専門家・実践家の皆さんが何名も参加されています。 本書の監訳をされたのは、これまで数々のオットー・シャーマー『U理論』関連書籍の翻訳及び執筆を務めてこられた中土井僚さん(オーセンティックワークス)。 本書の翻訳を担当されたのは、『成人発達理論から考える成長疲労社会への処方箋』著

【書籍紹介】コミュニティ経営のすすめ―あいだのある組織の作りかた

2023年10月。有限会社人事・労務の矢萩大輔さんから『コミュニティ経営のすすめ―あいだのある組織の作りかた』をご恵贈いただきました。ありがとうございます! 有限会社人事・労務の皆さんとはNatural Organizations Lab株式会社の吉原史郎さんが発起人であるJunkanグローバル探究コミュニティで畑や土づくりの体験をご一緒したことがきっかけで繋がることができ、毎年、私の地元・伊賀のお米を事務所へお送りしている関係を築いてくることができました。 出版の際、『

【書評掲載】鈴木規夫『インテグラル・シンキング―統合的思考のためのフレームワーク』:人と組織の力を高める人材開発情報誌『企業と人材』第1135号

今年度4月より、産労総合研究所が発行している専門誌『企業と人材』の書評コーナーの連載を担当することとなりました。 『人と組織の力を高める人材開発情報誌』である本誌ですが、『人を活かす組織づくりのヒント』と題して毎月、関連する書籍を紹介していく予定です。 『人を活かす組織づくりのヒント』を提供する書籍として今回、取り上げたのは一般社団法人Integral Vision & Practice代表理事・鈴木規夫さんの『インテグラル・シンキング―統合的思考のためのフレームワーク』

【書籍紹介】『私発協働のまちづくり―私からはじまる子どもを育む地域活動』

京都は花園大学の深川光耀さんから『私発協働のまちづくり―私からはじまる子どもを育む地域活動』をご恵贈いただきました。ありがとうございます! 2000〜2010年代の京都市では、市民の主体的なまちづくりを推進する事業(京都市未来まちづくり100人委員会等)が実施されていましたが、その頃からのご縁や関連する取り組みが書籍としてまとめられ、手元に届いたことがとても嬉しいです。 今回は、本書に関して関連しそうなテーマも合わせてご紹介できればと思います。 『私発協働』とは?本書に

【書籍紹介】学び3.0―地域で未来共創人材を育てる「さとのば大学」の挑戦

「地域を旅する大学」さとのば大学発起人・信岡良亮さんの新刊『学び3.0 ―地域で未来共創人材を育てる「さとのば大学」の挑戦』をご恵贈いただきました。ありがとうございます! 今回は、ご恵贈いただいた本書『学び3.0 ―地域で未来共創人材を育てる「さとのば大学」の挑戦』について、前提となる背景を含めご紹介できればと思います。 さとのば大学とは?株式会社アスノオト代表の信岡良亮さんが発起人である「さとのば大学」は、2019年に社会人向け市民カレッジとして生まれ、2021年以降は

【書評掲載】エイミー・C・エドモンドソン『恐れのない組織』:人と組織の力を高める人材開発情報誌『企業と人材』第1134号

4月からの新たな取り組みとして、産労総合研究所が発行している専門誌『企業と人材』の書評コーナーの連載を担当することとなりました。 『人と組織の力を高める人材開発情報誌』である本誌ですが、『人を活かす組織づくりのヒント』と題して毎月、関連する書籍を紹介予定です。 第1回に取り上げたのは、エイミー・C・エドモンドソン著『恐れのない組織―「心理的安全性」が学習・イノベーション・成長をもたらす』(英治出版)です。 心理的安全性(Psychological Safety)がビジネ

【読書記録】エフェクチュエーション-優れた起業家が実践する「5つの原則」

今回は、2023年8月に出版された吉田満梨、中村龍太著『エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」』(ダイヤモンド社)の読書記録です。 本書は、アントレプレナーシップ及び「起業家個人の意思決定」の研究に従事しているサラス・サラスバシー教授(Saras D. Sarasvathy)によって提唱された『エフェクチュエーション(実行理論:Effectuation)』という思考様式の入門書です。 本書『エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」

【読書記録】トランジション―人生の転機を活かすために

今回の読書記録は、2014年に出版されたウィリアム・ブリッジス著『トランジション―人生の転機を活かすために』です。 本書は、アメリカの著名な著述家であり教師、コンサルタントであるウィリアム・ブリッジス氏(William Bridges)が1980年に出版し、全米でベストセラーとなった『Transitions: Making Sense of Life's Changes』改訂版(2004年出版)の邦訳書です。 ウィリアム・ブリッジス氏の唱える『トランジション(Transi

【読書記録】コレクティブ・インパクトの新潮流と社会実装―スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー 日本版 04

今回の読書記録は、SSIR Japan編『スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー 日本版 04―コレクティブ・インパクトの新潮流と社会実装』です。 今回の読書記録では、『コレクティブ・インパクト』という概念を提唱し、広く世に伝えたにジョン・カニア氏(John Kania)とマーク・クラマー氏(Mark Kramer)が共著者として加わっている論文を中心に読み解き、コレクティブ・インパクトとは何か?についてまとめていこうと思います。 本書の構成本書『スタンフォー

【読書記録】これからの「社会の変え方」を、探しにいこう。スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー ベストセレクション10

今回の読書記録は、SSIR Japan編『これからの「社会の変え方」を、探しにいこう。―スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー ベストセレクション10』です。 今回の読書記録では、本書に収録されている論文『ソーシャルイノベーションの再発見: 誰が未来をつくるのか(Rediscovering Social Innovation)』を中心に読み解き、そもそもSSIRの言う『ソーシャルイノベーション(Social Innovation)』とはどういったものか?について

【読書記録】結婚生活を成功させる七つの原則

今回の読書記録は、ジョン・M・ゴットマン著『結婚生活を成功させる七つの原則(原題:The seven principles for making marriage work)』です。 本書は、ワシントン大学の心理学教授であり、シアトル結婚・家族研究所の所長でもあるジョン・M・ゴットマン博士による一冊です。 ゴットマン博士はワシントン大学の構内にラブ研究所(Love Lab.)と名づけた施設を設立し、16年間で1000組以上の夫婦を面接、そのうち650組の夫婦を14年間追跡

【読書記録】不確実な世界を確実に生きる―カネヴィンフレームワークへの招待

今回の読書記録はコグニティブ・エッジ、 田村 洋一著『不確実な世界を確実に生きる―カネヴィンフレームワークへの招待』 です。 カネヴィンフレームワークとは?カネヴィンフレームワーク(Cynefin Framework)は、ウェールズの経営コンサルタント、複雑性科学の研究者であるデイヴ・スノーデン氏(Dave Snowden)らによって開発された、世界の物事の捉え方に関するフレームワークです。 カネヴィン(Cynefin)とは、ウェールズ語で「生息場所」「自分の居場所である

【読書記録】対話型ファシリテーションの手ほどき

今回の読書記録は、認定NPO法人ムラのミライ代表理事・中田豊一著『対話型ファシリテーションの手ほどき』です。 対話型ファシリテーションとは?本書は、認定NPO法人ムラのミライ(旧団体名:ソムニード)が開発したメタファシリテーション®を学んだ際に紹介いただいた一冊です。 対話型ファシリテーションとはメタファシリテーション®︎の別名であり、ムラのミライでは以下のように紹介されています。 このメタファシリテーション®︎を紹介している書籍として、『途上国の人々との話し方―国際協

【読書記録】前編:A little red book about source:Liberating management and living life with source principles

今回の読書記録は、2020年9月に出版された、Stefan Merckelbach(ステファン・メルケルバッハ)の『A little red book about source: Liberating management and living life with source principles(ソースに関する赤い冊子:経営を解き放ち、ソース・プリンシプルを携えて生きる)』です。 本書を読む上での前提共有本書で取り上げられる『ソース原理(Source Principle