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「上手くなりたい!」『セロ弾きのゴーシュ』(1982)と『響け!ユーフォニアム』(2015)

 以下の文章は、2016年に発行された同人誌『ビンダー4号』「特集:高畑勲」に寄稿したものの編集前の元原稿である。  高畑勲特集号の中で、個別の作品解説を書く項があり、私は『セロ弾きのゴーシュ』を担当した。その際に、当時放映されていた『響け!ユーフォニアム』の第一期とのシンクロについて書いてみた。30年の時を経て、「音楽についてのアニメ」のいわば「継承」について書いてみた、ともいえるかもしれない。昨今の、楽器演奏や音楽が主題として取り入れられたアニメの隆盛を思うとなんだか感

    • 岩倉博『吉野源三郎の生涯 平和の意志 編集の力』 (2022、花伝社)を読む

      吉野源三郎と言えば児童小説『君たちはどう生きるか』の作者であり、その作品が宮﨑駿監督作の映画の発想の元になったことでその名も改めて周知されることになった。改めて、とあえて記述したのには意味がある。本書を読むと第二次世界大戦後の日本社会において、吉野がいわゆる進歩的知識人・言論人・編集者・作家として歩んだ生涯の足跡の大きさ、もっと言えば偉大さを感じる。しかし、私自身は宮﨑監督作を観るまでは、これまで特に吉野自身に注目したことはなかった。不勉強ではあるが、1981年にその生涯を閉

      • 畠山直哉×大竹昭子『出来事と写真』 赤々舎(2016)

        対談集である。2015年6月26日に行われた第六章では、故郷陸前高田の震災後を写した写真集『陸前高田2011−2014』を畠山氏が出版した直後に行われた対談が掲載されている。この対談の中で、被災地の写真に対して「美しい」や「きれい」という感想を持つことについてどう捉えるかが議論されている。この議論を読んでいて、新海誠『すずめの戸締まり』のひとつのシーンを思い出した。芹澤という登場人物が震災後のとある場所を訪れた際に「こんなにきれいな場所だったんだな」と述べ、それに対し主人公の

        • 日記2024/2/10

          朝6時起床、7時前に家を出て小田急線に乗り登戸で南武線に乗り換えて二駅目の稲田堤で降り、徒歩で京王線の駅まで行き府中へ。徒歩での乗り換えがショートカットになり早めに着いてしまったので、府中駅周辺を散歩する。土曜日の早朝だからか人の出も少ない。8時半頃にシアタス調布に移動して8時50分からの回の『紅の豚』を鑑賞。https://chofucinemafestival.com/films/98 毎年開催されている「映画のまち調布 シネマフェスティバル」ではスタジオジブリの映画を

        「上手くなりたい!」『セロ弾きのゴーシュ』(1982)と『響け!ユーフォニアム』(2015)