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kintone AWARD 2019 メモ「情熱とオフィスレス、そして仕事そのものが楽しい事が一番大切」

 Cybozu Days 2019 in 東京 の kintone AWARD ファイナリストによる事例講演 に参加しました。普通なら活用方法にフォーカスをあてるところですが、今回はあえて kintone の活用に至るプロセスや、その先目指すものなどについて、印象に残ったキーワードを中心にこちらにメモを残しておくことにしました。

 kintone AWARD で kintone の活用面などの一通りのまとめは、ASCII.jp X kintone にレポートされていますので、是非そちらを参照ください。

もっともインパクトのある業務改善は?「kintone AWARD 2019」開催
https://ascii.jp/elem/000/001/973/1973774/

また、惜しくも本線に残らなかった内容も ASCII.jp X kintone にレポートされていますので、是非そちらも参照ください。

業務を変えるkintoneユーザー事例
https://ascii.jp/elem/000/001/435/1435280/

あなたがモンスター

京都リハビリテーション病院 瀧村孝一さん

kintoneAWARD2019 登壇資料解説(写真を撮り忘れ)
https://kinbozu.com/blog/kintoneaward2019/

 電話とEXCEL管理で効率の悪かった転院の受け入れ手続きを kintone で効率化した筈が、利用者から反発の声があがり、瀧村さんが自己満足に浸っていたことを反省した際の言葉です。
 これ非常に共感します。良かれと改良したつもりが、かえって不評を買ってしまい、利用者から見たら「あなたがモンスター」状態になる経験は私もあります。(汗)
 上記の登壇資料で、その後の対応で成果を挙げるまでの経緯や、人生の転換などを瀧村さん自らが語っています。

心が変わると行動が変わる

イエムラ 代表取締役 家村秀也さん

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 テンション高い社長の孤軍奮闘で「めんどくせぇな」と言っていた社員が、一緒にkintone活用を考えることで売上高も経常利益率も向上し、家村さんが気づかれた言葉です。
 私もテンション高めで挑戦大好き、だけど周りがついて来てなかった経験は良くあります。一緒にkintone活用を考えることで、粗利が悪い案件を赤く表示するだけのシンプルな取り組みで社員さんにスイッチが入ったそうです。
 シンプルな見える化(気づき)であればこそ「心が変わると行動が変わる」んですね。

kintoneの活用でオフィスレス、その先にある世界

お掃除でつくるやさしい未来 代表取締役 前田雅史さん

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 kintone hive 福岡で kintone を活用したオフィスレスを宣言し、その後実践し、前田さんが さらにその次を目指した言葉です。
 オフィスは福岡だけで、全国の拠点の社員をつなぐために kintone を利用していたそうですが、その後実際にオフィスをなくしたそうです。その際に、オフィスレスにはペーパレスとキャッシュレスは必須と感じ、現在はその実現に向けて挑戦中のようです。
 今話題になっている Society5.0 は「オフィスレスその先にある世界」というのは、少子高齢化、人口減少社会に突入した日本では違和感ないように感じました。

簡単で柔軟な開発基盤、安定運用とセキュリティ、そして情熱

ジヤトコ株式会社 情報システム部 岩男智明 さん

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 大企業のジヤトコ株式会社がサプライヤーとの現場で利用するシステム開発に必要なものとして挙げた言葉です。
 サプライヤーとの調達の確認は、よくあるパターンのメールでEXCELファイルを添付して行っていたようです。よくある話ですが、EXCELのマクロの管理問題などを解決するため、kintone 管理に移行し、セキュリティと運用を意識したルールを決めて、利用の拡大と定着に向けて情熱を注がれたようです。
 とかく課題解決などは情熱のみで先走りしそうですが、先ず基盤と運用体制づくりを行うことは、特に大企業にとっては重要と感じた内容でした。

三種の神器「頼みの鎧」「決断の盾」「疑いの槍」

アソビュー プロ雑用 小林信也さん

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 アソビュー の小林さんが モンスター化したkintoneのアプリを立て直すため用いたアイテム、責任者の信任=「頼みの鎧」 、全てを作り直す決意=「決断の盾」、想定どおり使えるか=「疑いの槍」でした。
 「疑う」という言葉を探求のためのポジティブな行動とらえるなど、会社の名前に負けないほどユニークな発想をされる方でしたが、アプリの設計が緻密で、目的からそれないなど、遊び心がありながらしっかりしたブレない芯を持った取り組みをされているように感じました。

仕事そのものが楽しい事が一番大切

ゆうぼく 代表取締役 岡崎晋也 さん

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 「次は何くれますか?」という社員さんの依存的な言葉や態度で迎えたピンチに、チームワークって何だろうと考えて出した答えが「仕事そのものが楽しい事が一番大切」でした。

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 合理的に進め過ぎて迎えた会社のピンチを、福利厚生を手厚くして乗り越えようとしたときに「次は何くれますか?」という他力的意識が芽生えてしまった結果、一斉退職や、内部不正などで経営ピンチに見舞われたそうです。
 そこで、先の ”仕事そのものが楽しい事が一番大切、自分が自分らしく、一緒に楽しんで仲間と仕事する" という考えに至ったそうで、それを実現するためのツールが kintone でした。
 kintone 活用後、トラブルなどを経てある時点から全ての情報を共有できるにようオープンにしたところ、部をまたいだ情報の往来、リアルタイムな情報から問題点の把握と改善が実現したようです。

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 ゆうぼくさんの歩みは、なんとなくですがサイボウズさんの歩みに似ているように感じました。ちょっとブラック的な会社から、働く人を大切にする向きに方向転換、さらにチームで仕事を一緒に楽しめる職場に進化しているようですね。
 さらにこれから実現することが明確でブレを感じさせない素晴らしもので、学ぶことが多い内容でした。

kintone AWARD 2019グランプリはゆうぼくさん

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 ゆうぼくさんは kintone hack 松山でご一緒した事もあり注目していましたが、今回グランプリを受賞しました。同じ四国の者として嬉しい限りです。

最後に

 kintone 活用のノウハウは文面でも伝わりますが、活用に至るまでのプロセスや、苦悩、その後の思いなどは会場で本人から聞かないと伝わりにくいものです。今回は2年ぶりに参加して、目前の壁を kintone で突破した皆さんの活用面もさることながら、熱い思いなどのメンタル面でも大いに学ばせていただきました。
 今年の kintone AWARD を見逃した方、次回の Cybozu Days で体感されることをお勧めします。

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