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漆13:漆器の強み

おはようございます。
今日は久しぶりの快晴、空気も少し冷え込んでいるけどパキッとした空気感が気持ちがいい。

さて、今日は「素地作り」「塗り」「加飾」という3つの工程を経て丹精に作られる漆器にはどんな強みがあるのか、見ていきたい。

熱伝導性が低い

保温性が高く、断熱性に優れている。お椀に熱い汁を入れて手に持っても肌に熱が伝わりにくく、熱さを感じさせない。また、温かいお料理も冷めにくいというメリットも。熱いものは熱く、冷たいものは冷たいまま保つことができる。

軽い

漆器は軽いため、子供から高齢者まで無理なく持ち上げられる。軽くて木独特のぬくもりがあるので、お盆やお椀など直接手にとる器の場合は特にその良さが実感できる。

丈夫

器としての機能性が高いだけでなく、漆の塗膜は堅く割れにくい。さらに酸、アルカリ、塩分、アルコールにも強く、耐水性、防腐性にも優れている。また、天然素材のため修理や塗りなおしが比較的容易にできるのも強みだと言える。

抗菌性がある

そして、あまり知られていない漆器の強みが、この抗菌性だ。
日本では古くからお椀や料理を詰め合わせる重箱などに使われてきた。近年の各産地での検査結果でも、大腸菌やMRSA、サルモネラ、腸炎ビブリオ、O-157等の菌類も1日後に完全に菌が死滅することが確認されている。「漆器は極めて安全な天然抗菌作用のある器」であることが証明されているのだ。
軽さだけでなく、この点では抵抗力の弱い小さな子供や体が弱いお年寄りの介護用の食器などにも適した食器と言えるだろう。

古来人々は、漆には特別な力があるとされ魔除けとして重宝してきた。漆器にいれた食べ物や水が腐りにくかったり、木の樹液に触ると酷くかぶれるというといった漆の性質に対して、「邪悪なものを寄せ付けない力がある」と考えたからだろう。
漆を主成分にした「干漆(かんしつ)」と呼ばれる漢方薬も存在し、これは寄生虫による腹痛などに使用され毒消しの作用があるほか、筋骨を強め、髄脳を良くし、五臓を安定させる効能があるというから、驚くとともに納得の効果だと言える。

環境に優しい

漆は、人だけでなく、植物にも優しい。
漆塗りの花器を使用すると水が腐りにくくなり、生けた花が長生きする。また、そもそも植物素材なので環境にも無害。また、先に挙げた様に表面に傷がついても塗り直して長く使うことができる、現代に求められる要素を全て兼ね備えたエコな器と言える。


*上記の情報は以下のリンクからまとめています。

漆器は、知れば知るほど理に適った素材でそれが天然素材で長らく日本人の生活に寄り添ってきてくれたことに(もちろんその力を見出して活用してきた昔の人々にも)有り難さを感じる。それと同時に、より一層「使わなきゃもったいないよね」という気持ちと、「みんなももっと使った方がいいよ!」と声を大にして知らせたい気持ち、そして結果として日本の重要な文化として繋いでいきたいなと思う。


僕は幸せになると決めた。
今日もきっといい日になる。
一歩一歩、着実に歩もう。


皆様も、良い一日を。

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