YK_yukasagi

レザーグッズデザイナー    トレンドに左右されない、貴方の人生に寄り添う製品を提供。…

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レザーグッズデザイナー    トレンドに左右されない、貴方の人生に寄り添う製品を提供。また、ライフスタイルとしてのファッションを、長く愛用する製品のデザイナーの立場から独自に提案しています。       キーワード:美しい色や音、暖かみのある素材、自然、異なる文化・知見への好奇心

最近の記事

ベランダガーデニング: バラ

おはようございます。 今日は薄く曇がかかり、穏やかな朝。 昨日は30℃を超えるような地域もあったようで東京でも暑かったので、朝水やりした植物たちはさらに元気よく育っている。 そんな中で記録しておきたいのがバラだ。 樹高2mと1mを超えるものがひとつずつと、小さな鉢がいくつかあるんだけど全てがたくさんの花と蕾をつけている。 我が家で一番背の高い2mのバラの木が今年初めての一輪目の花を咲かせたとGWに書いたが、その木に現在4つの花が咲いている。一つの枝先から3つ纏まって咲いて

    • 漆20:漆器の産地とその特色

      おはようございます。 今日もまた朝から晴れ渡り、気温も高く初夏を感じさせる爽やかな朝。ベランダの木々も陽を浴びて若々しい青葉がより力強く見える。 今まで「植物の漆とは何か」からその特性、作品として仕上げられる工程やその強み、それらが培われてきた歴史まで、京都旅行を挟んで、約1ヶ月に渡って漆に関してまとめてきた。今日は、日本が誇る伝統文化の一つ、この漆器の名産地を確認して、漆器シリーズの締め括りとしたい。 漆器の名産地 日本の漆器の生産地を具体的に見ていくと、北は青森の津

      • 漆19:漆の比較:日本と中国

        おはようございます。 今日はまた朝から晴れ渡り、気温も高く初夏を感じさせる爽やかな朝。ベランダの木々も陽を浴びて若々しい青葉がより力強く見える。 昨日日本と同様に長い歴史を持つ中国の漆を見てきたところで、今日は日本の漆との比較をしてみたい。 各地の漆 漆の木は、日本、中国、韓国に加えて、カンボジア、タイ、インドなどの東アジアの国々に分布しているが、東南アジアで採取される漆の原木は国によって大きく違って主成分も違っている。 まず日本、中国、韓国ではウルシ科ウルシ属ウルシ種

        • 漆18:漆器の歴史(中国編)

          おはようございます。 今日は朝から遠くまで雲が立ち込める曇り空ながら、明るくて穏やかな朝。 昨日は日本の漆の延長線としてヨーロッパに広がっていく歴史を見てきたけれど、今日は日本と同様に漆文化が根づき発展してきた、お隣中国の歴史を見ていこう。 漆の木は、日本の他、中国、カンボジア、タイ、インドなどの東アジアの国々に分布しているが(各地の気候風土が異なり漆の性質も異なる)、その北限は日本。 再三お伝えした来た通り、漆にはとても長い歴史があり、日本では(世界で)一番古い漆器が約

        ベランダガーデニング: バラ

          漆17:漆器の歴史(ヨーロッパ編)

          おはようございます。 今日は昨日から一点理想的な快晴、ベランダで植物たちに水やりするだけでも気持ちの良い朝。 昨日まで2日に分けて漆の日本での歴史を見てきたけれど、今日はその日本の漆がヨーロッパに向けて与えたインパクトを見ていきたい。 漆の木は、日本の他、中国、カンボジア、タイ、インドなどの東アジアの国々に分布しているが(各地の気候風土が異なり漆の性質も異なる)、その北限は日本。そのため、ヨーロッパには漆の木がなかったことから、日本で漆器を見た西洋人の目には漆の深い色は神

          漆17:漆器の歴史(ヨーロッパ編)

          漆16:漆器の歴史(日本・後編)

          おはようございます。 今日は昨日から雨が上がり、曇り空でちょっと肌寒い朝。気温的にはこの位の気温の日がこれからしばらくは続きそうだ。 さて、漆に関して、昨日から日本での歴史を振り返り始めてたところで、今日はその後半、江戸時代からをみていこう。 江戸時代 江戸時代は日本のあらゆる文化が花開く安定期であり、もれなく漆も本阿弥光悦の琳派をはじめとした芸術家が出現し、独自の漆作品を世に残している。特に船橋蒔絵硯箱に見られるように、その斬新な造形と意匠はまさに工芸品の域を超えた芸

          漆16:漆器の歴史(日本・後編)

          漆15:漆器の歴史(日本・前編)

          おはようございます。 今日は朝から雨がしとしと降り、どんよりとした雰囲気の朝。気持ちの良い一週間の幕明けとはいかないが、気温的には過ごしやすい。 さて、2週間以上かけて学んできた漆に関して、今日からその歴史を振り返ってみていこう。 漆にはとても長い歴史があり、約1万年以上前の縄文時代の装飾品にも漆が使用されていたことがわかっている。 縄文時代・弥生時代 福井県鳥浜貝塚遺跡から出土した木片は当初「ヤマウルシ」と思われていたが、新しい基準に基づいて再度検査した結果、12,

          漆15:漆器の歴史(日本・前編)

          煎茶【グルメ】

          おはようございます。 今日は雲はかかっているけれど、強く朝日を感じられる気持ち良い朝。 昨日は煎茶の飲み比べなる、とても興味深いワークショップに参加してきました。 これのワークショップは、イタリアン家具ブランド、Arflexが代々木上原のTefuで主催するイベントの1セッションで、彼らのソファを中心とした家具で仮想リビングを作って普段リビングルームで行われるやりとりを、それぞれテーマ毎に道のスペシャリストたちと深掘りしていくもの。 ワークショップ会場:Tefu@代々木上原

          煎茶【グルメ】

          漆14:漆器の取り扱い方

          おはようございます。 今日も快晴、週末にはこうあってもらいたい、と思うほどの気持ち良い朝。 さて、今日は丹精込めて作られて、抗菌効果はじめメリット目白押しの漆器を、どうすればより長くより美しく使えるのか、日頃使っていく上で気をつけたい点をまとめてみよう。 漆器に対するイメージが「漆器は弱くて繊細なもの」、言い方を変えれば「面倒なもの」と思われている方も多いかもしれない。かくいう僕も調べるまで、なんとなくそういう類のものと思っていたから、素材としては面白そうだけど、好きな色

          漆14:漆器の取り扱い方

          漆13:漆器の強み

          おはようございます。 今日は久しぶりの快晴、空気も少し冷え込んでいるけどパキッとした空気感が気持ちがいい。 さて、今日は「素地作り」「塗り」「加飾」という3つの工程を経て丹精に作られる漆器にはどんな強みがあるのか、見ていきたい。 熱伝導性が低い 保温性が高く、断熱性に優れている。お椀に熱い汁を入れて手に持っても肌に熱が伝わりにくく、熱さを感じさせない。また、温かいお料理も冷めにくいというメリットも。熱いものは熱く、冷たいものは冷たいまま保つことができる。 軽い 漆器

          漆13:漆器の強み

          漆12:漆器の作り方(加飾編)

          おはようございます。 今日もどんよりとした曇り空、さらには10℃と朝から結構冷え込んでいる。でもニットが切れるので、寒すぎないこれ位の気温が実は好き笑 さて、今日は漆器を作る「素地作り」「塗り」「加飾」の3つの工程の最後の仕上げ、「加飾」を見ていこう。 漆絵塗面に色漆で絵を描く技法で、加飾のなかでも古くから用いられている、最も基本的な技法。 蒔絵金粉等を蒔いて文様を表すことが「蒔絵」といわれる由縁で、日本で独自に発達した代表的な技法。蒔絵には文様を表す蒔絵と、梨地といっ

          漆12:漆器の作り方(加飾編)

          漆11:漆器の作り方(塗り編)

          おはようございます。 今日はどんよりとした曇り空、夜からまた雨になるようだ。とは言え、気候はもはや20℃前後と過ごしやすい気温なのでありがたい。 さて、今日は漆器を作る「素地作り」「塗り」「加飾」の3つの工程の中から「塗り」を学んでいこう。 漆をへらや刷毛で塗ることは髹漆(きゅうしつ)とも呼ばれる。見慣れない髹という字は「漆を塗る」という意味の漢字で、 髹漆にはベースを補強するためのに布を貼る布着せなどの下地、中塗り、そして上塗りまでが含まれる。 拭き漆 黒や朱など独特

          漆11:漆器の作り方(塗り編)

          漆10:漆器の作り方(木地編)

          おはようございます。 今日は朝から雨、一日こんな天気になりそうだ。 GW明け、オフィスで働くにはちょうど良いのかもしれない。 さて、今日からはまた漆に話を戻して、漆器を作る「素地作り」「塗り」「加飾」の3つの工程をそれぞれ学んでいきたい。漆9で何を作るかによって適した素材を見てきたところで、一番ベーシックな、轆轤を使用して内側、外側を円形に削って作る挽物ができるまでの工程を見ていきたい。 前切(まえぎり) 挽物の工程には、最初の段階で「縦木取り」と「横木取り」がある。

          漆10:漆器の作り方(木地編)

          京都でお薦めの名店

          おはようございます。 今日の東京は曇り、ゴールデンウィーク最終日にスローダウンする感じでちょうど良いかも。 今日は今回の京都旅で出会った素敵な名店を備忘録として、以下の3つの項目でまとめたい。 名品      素材や工芸品、作品を販売されているお店達 レストラン   食事からカフェ、パン屋さんまでカジュアルな美味しいお店達 スペース    上で括れない、心と体を癒してくれる魅力的なスペース笑 それでは順に見ていこう。 名品嵯峨野工房@嵐山(和紙) 手作り和紙とそ

          京都でお薦めの名店

          京都旅の振り返り

          おはようございます。 今日も東京は素晴らしく晴れて、晴れすぎて空が白んでしまうくらい。気温も朝から24℃あり、今日も暑くなりそうだ。 今日は4/30〜5/3の4日間の京都(一瞬奈良)旅で感じたことを今のうちにまとめておきたい。 京都の歴史観 京都の史跡を訪れて一番感じるのは、やはりその歴史の長さ。 お隣奈良をメインとする飛鳥時代(593〜710年)からの文化の連なりを含めば1400年ほど前から、既に(首都としての)人々の暮らしが根付き、花開き、今なお日本人の心の原風景と

          京都旅の振り返り

          GWの京都4日目: 伏見稲荷、河原町エリア

          おはようございます。 今日は5日振りに東京に帰ってきて迎える朝。東京も恐ろしく清々しく爽やかな晴れの一日になりそう。 伏見稲荷 京都旅最終日は、せっかく朝一から京都で動き回れる絶好のチャンスと、休日に入ったGolden Weekの人出を見越して、まだ行ったことがなかった伏見稲荷へ。7時過ぎにホテルをチェックアウト、烏丸線で京都まで行ってスーツケースをロッカーに預けて(こんなに乗ることになるとは思わなかった)奈良線で東福寺・鳥羽街道を通り越して伏見へ。同様に考える旅行者も多

          GWの京都4日目: 伏見稲荷、河原町エリア