ひめくり☆トラベル:1/7

 裕美は出かける支度をしながら、壁に立てかけてあるカレンダーを見る。使い始めて1週間になるが、これがなんなのかはまだわからない。正直、カレンダーかどうかも怪しいままだ。
 そう思いながらも、裕美は「7」の窓を開く。「what」とだけ書かれていることを確認すると、裕美は部屋を出ていった。


 気が付くと、暗闇の中で座り込んでいた。また前回の続きから始まっているらしい。
 昨日の夢で思い出したのは、子供の頃の憧れだ。小中学生の頃の夢は、単純な憧れだった。自分が好きなことをそのまま口にしていたし、大人たちはそんな「夢」をにこにこしながら聞いてくれた。
 しかし、高校進学が迫ると、夢には次第に「成績」と「将来性」という制限が付くようになった。両親も、進路指導の先生も、同級生すら、「○○?そんな仕事で成功するのは才能のあるごく一部の人間だけだ」、「もっと現実的に考えないと」、「今の成績では難しい」としか言わなくなった。
 自分自身も、そんな言葉に取り囲まれて、いつしか「将来」の「現実」しか見なくなっていった…


Do you know what

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