ひめくり☆トラベル:1/3

 裕美はカレンダーを眺めていた。
 ウサギ男は、裕美を「カレンダーの主」と呼んだ。もしや、カレンダーと夢に、なにか関係がある?
「まさかね」
 今度は「3」と書かれた窓を開ける。そこには「WonderLand!」と書かれていた。
「不思議の国へようこそ?出来過ぎじゃない?」
 裕美は苦笑した。

 

 その夜。
 果たして、ウサギ男はみたび夢の中に現れた。裕美は皮肉っぽく言う。
「不思議の国への案内役がウサギだなんて、安直すぎでしょ」
「ご存じない?150年ほど前から、不思議の国へ案内するのは、ウサギの役目と決まっているのですよ」
「でもアンタ、ウサギというよりウサギ男じゃない」
「単なるサービスです」
「はあ?訳わかんない」
 呆れる裕美に、ウサギ男はピッ、と指を突きつける。
「ともかく、毎日1つ窓を開けること。これだけは忘れないように!」
「でも、それって一体どんな意味があるのよ。私がそうするメリットは?」
「それは、あなた次第です」

Welcome to WonderLand!

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