ひめくり☆トラベル:1/9
「9」の窓の奥に書かれていたのは、「your」という言葉だった。一連の言葉がなにを示しているのかは、まだ見えてこない。
裕美はふと気付いた。
無邪気な「夢」を見るのをやめてから、「何をしたいか」や「何になりたいか」ではなく、「何ができるか」ですべてを判断してきた。
今の成績や資格で入れる高校、短大、会社。やりたいと思うことが特になかったから、できることを基準に考えてきた。そのほうが、楽で確実だったから。
ただ、そのことに気が付いてみると、また別のことにも気が付いた。
確かにこれまで、それなりに楽しく生きてきた。でもそれは、いつしか無難に毎日毎日をこなし、やってくる「今日」をやり過ごしていただけのようにも思える。
それが悪いとは思わない。ただ、それだけではなんとなく物足りないことに、心のどこかで、気付いていた_____
(続)
Do you know what is your
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