ひめくり☆トラベル:1/2
「昨日はなんか変な夢見たなあ。しかも中途半端だし」
裕美はつぶやいた。年明けに妙な夢を見て、しかもやけにはっきり覚えていたものだから、気になったのだ。
「まあ、夢なんてそんなもんか」
そう言いながら、カレンダーの「2」と書かれた窓を開ける。今度は「to」とだけ書かれていた。
「こっちも訳わからないわ……まあいいけど」
裕美はカレンダーを置いて立ち上がると、部屋を出ていった。
その夜。
「というわけで、説明です」
日差しあふれる英国式庭園を背景にして、ウサギ男が言う。
きっちり前回の続きから始まった夢の中で、裕美は半笑いの顔になった。
「なにこのご都合主義な展開・・・」
そんな裕美を無視して、ウサギ男は話を続ける。
「裕美さん、あなたはカレンダーの主に選ばれました。これから毎日、1つずつ窓を開けるのが、あなたの役目です」
(続)
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