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「良い席」「高い席」って何?

個人的に「注釈付きS席」って何??高い金取って見えないとかっておかしくない??しかも明示した上で高い金額で買わせるって法律違反してない??と疑問に思っていた。

見えづらいのに高額料金とか納得いかん。ずっと謎なのよね商業のスタンス。

🎫何に対して高いチケット代を払うのか

まず何より、チケットの種類が複数あり、値段で分けられている以上、「作品としての舞台の見やすさに対して課金する」ものでは?というのが前提としてある。

小劇場でも高額座席販売がかなり主流になってきてけど、一般席との差額の位置付けはグッズとかのブロマイド代分だけじゃなくて「先に座席を自分の意思で選べる」とかの「席の分高くしたい」という意志もある。
だから、値段の差異って根本的に「座席からの見やすさ」に起因すると私は考えてる。

◉「芝居が見やすい席」と「高く売れる席」と「その人が欲しい席」が合致しない

正直ここが噛み合ってないのが根本的な問題では??

まず芝居が見やすい席について。
200〜300規模だと一般的には前から5〜8列目のセンターブロック。根拠?リハの時演出卓置いてるのその辺だからです。小劇場も階段の真ん中あたり。
演出卓置いてるところが1番全体が見やすい。

で、最前列って一見良さそうだし見慣れてないと前に行きたい!ってなる。私も昔親と映画行った時に「1番前が空いてるから行きたい!」と言ったら「一番前は見にくいよ」言われたけど見たら見にくかった。「天保12年のシェイクスピア」も「最前列どうぞー」とゲネプロ見てたけど「舞台セットの上見づらいー!通路演出が後ろだー」となったりした。

ただこれはセンターブロックなのでおおよそ見えるけど、前に最前上下端っこは2000円とかの学生限定席で設定したことあるし、私が票券担当の時は安い席は前方だけど見づらい席設定してたりする。(昔Twitterだったころ、先行抽選がA列1番から割り振られてた!みたいなのを見かけた覚えもあるけど…)

だからおそらく、一旦個々人の好み等等はさておいてもカフェ公演やフラットな小劇場ではなく、一定規模以上の劇場(200席以上ぐらいから)担当したことある制作者だと「別に最前列・前方席見やすくないけど???」とわかってるはずなんですよ!
ぶっちゃけコロナの時期最前外ししてたけど、2列目ぐらいからが普通に1番見やすかったと思うよ??

こないだチケット買った谷桃子バレエ団とか、新国立の中で前方列はSSではなくS扱いになっていたので、トータルの見やすさ重視では多少下がる判断なのよね。

◉「高く売れる席」「座席を売りたい価格」「『私が』欲しい席」が噛み合わない

ただしかしこれがキャストのメンバーひいては客席の温度感だと「最前列取るのが優先!!」なかぶりつき希望の人もいるとそういう人にとっては「最前列であること」が優先になるのでそういう顧客に対しては「見えにくいけれど高く売れる席」扱いになってしまう。おそらくこの傾向があるから「芝居の見え方最優先チケット割り振り販売」よりも「1列分でも推しに近い席がいいんでしょ?見えにくくても買うんでしょ?」という注釈付きS席のような販売方法でも売れるとみなされてまかり通る様になってしまったのか…?と感じる。
これは決してオタク側を否定してるわけではなく、どちらかというとオタクの足元を見てる運営の方に問題がある。

チケットの販売可能枚数に上限がある以上、単価を上げて販売したいこと自体は理解はする。が、来場してからの顧客満足度に直結する客席からの見え方を捨ててまで席に見合わないチケット価格に「注釈付きって言ったからいいもんね!」という態度は「それはお前の都合じゃーい!!」と反対意見を述べたい!
安かろうと高かろうと売れない?知ってる!売れない時は売れない!であれば確かに1円でも高く売りたいのは理解はする!理解はするが!値段以上の信用と「SNSで感想拡散してください!」と顧客の口コミを当てこんでいるのであれば尚更ネガティブプロモーションになりかねない要素は減らした方が良いのでは?と私は考える。

ただしオタクが最前狙いで高額転売に手を出すのとかは人から聞くと「おいおい…」となるけどさ…それに関しては売る側も買う側も同罪派。

「どこでも良いから見たい」という気持ちももちろん時と場合によってはある。パリオペの「大地の歌」初演とか、コメディフランセーズで「モリエールが」上演される時とか。

けどさあ!そうじゃないのよ!
こういうところが文化として定着しないように自分たちがしてるんだろうな…反省…

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