え

【え】演出家と演出助手と演技講師

これ美術勉強してた時は全然わからなかったんだけど、稽古場に行くようになってあー違うんだなって思った。

え】
📌演出家(えんしゅつか)・・・脚本を読み解いてその人の解釈と役者が持ってきた演技プランを照らし合わせて方向性を指し示す人、と私は認識している。脚本家とイコールのことも多いので「物語を3次元に具現化するためのひと」という感じなのかしら。
📌演出助手(えんしゅつじょしゅ)・・・カメアシとか人権無いけど、決して演出家のためのアシスタントでもパシリでも無い。舞台の進行管理担当。どこまで稽古したとか、演出家がダメ出しするののメモ控えたりとか。演出助手がいると制作も仕事がやりやすい。
📌演技講師(えんぎこうし)・・・演技を教える人。

●演出家と脚本家がイコールとかノットイコールとかはどうでもよくて

私は既存作品の上演の方が好きなので(だってもう台本決まり切ってるし)誰が書こうが何だろうが稽古初日に台本があればそれでいいと思っているからこれに関してはどうでもいいんですよ。
演出家、というのは基本的に方向性を決める人だから、一番台本を読み込んで、一番理解していないといけないとは思ってるんだけど、演出家に対抗すべきは「技術を持った役者」であり、役者が技術を持っていない場合、または足りていない場合は「何を生かして何を捨てるか」を判断するのが演出家であるわけです。だって、公演日という納期は決まっていて、稽古日数だって限られてるわけだから、稽古でやることは「本番にお客様に見せるための舞台をつくる」のが仕事である。

●演出助手がいるといないとで大違いだけれど

で、演出助手はそのための進行管理な訳で、スケジュールを調整したり演出のノートをFBしたりする仕事ですよ。でもまあいない時はいないから、スケジュールの管理は制作がやったり(だからと言ってNGは連絡したらだしていいってもんじゃねえぞ)演出家がやったりするわけで・・・。手が空いてる役者にやらせるものではないとは言いたい(もちろん、きちんとお願いした上で双方同意が取れれば問題はない。)でもいないんだったら演出家が責任持ってやってください。あと演出助手はパシリじゃないんで、演出助手こっちがつけたからってあなた個人のパシリとしては扱わないでほしいです。

●しかし実際問題なのは

東京の小劇場って、旗揚げするにも公演打つにも「出演者&劇団員募集!」という、公演を打つためにまず人を集めて、そこから金巻き上げるシステム、すなわち誰かのよんでくれる客の落とすお金で持ち出しコストを下げて何とか公演を打ってやろうという恐ろしいフリーライドなわけで。そうなると、公演に対して人が足りないわけですよ。だから「経験は問いません」でいわば「誰でもお金を出したらなんか公演に出れちゃう」みたいな感じでレベルの差が激しい公演が出来上がるわけで。そしてその「経験は問いません」は未経験をある程度レベルアップさせてくれるのか、もしくは未経験者は未経験者のレベルのまま板の上に乗るのかどちらなのか・・・・ってところですよね。それはさておいて、そういうレベル差が激しいとどうしても演技指導という技術面で底上げしなくてはいけなくなるシーンが出てきてしまう。それを稽古でやろうとすると演出家が演技指導になってしまって演出をつけられなくなり公演の稽古としての意味がなくなることがままある。

演出家がカルチャースクールや事務所のレッスンなどで演技指導をしていることはよくあるけれど、それとこれとは別問題。

公演稽古にはふさわしくない内容ってことですよ。

ここを混同させると、稽古現場が瓦解します。お気をつけくださいませ!

私に課金していただいたぶんは私が別のエンターテイメントに課金してそれをまたネタにしますので華麗なるマネーロンダリングとなります。