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英語教育のあれこれ

先日、自分軸手帳部というコミュニティで英語教育についてお話をさせてもらったら、予想以上に必要としている方がいらっしゃると分かり、こちらに話した内容をまとめておくことにしました!
英語って一つの方法で話せるようになるわけじゃないから大変ですよね。(もしそんな方法があったら、あんなにたくさん英語学習の本はない!)
英語教育って色んな話があるからこそ、親としては混乱したり不安になったりするものなのだろうと思います。
それが少しでも穏やかになりますように。

かなり長いので、是非気になるところだけお読みください!

現在の英語教育が目指しているところ

地域や自治体(なんなら担当になった先生)によって全く違うけど、ここ数年で(ここ10年間で少しずつ)英語教育に求められているものが変わっていると思います。
私たち(30代)の頃って、すごく細かいことを聞くことが多かったですよね。
pen-cilのどっちが強く発音するかとか日常会話で使わないような超難しい単語の問題とかがあったり、
長文でも「この一文が読み取れていないと解けない!」とか「この単語わからないと厳しい!」とかも多かったです。
でも今は概要を掴むとか、必要な情報を手に入れるという視点に変わってきていると思います。
チラシが何を伝えているか、とかこの人は次に何を話しそうか、とか情報をしっかり把握して推測する問題が増えてきました。
長文も要約した文やタイトルを選ぶような問題も昔はなかった気がします。(あったかな?覚えてない…)

教科書も実際に使うことを目指したコーナーが増えていて、「自分のことをこの文法で表現しよう!」というメッセージが伝わってきます。

小学校に英語が導入された影響は、中学の教科書にも出ていて、小学校で耳にしたことあるよねという前提の上で話が進んでいるところも多いです。
小学校でつまずくと(そんなことが起きちゃう現状が悲しい…)そのまま英語嫌いみたいになって中学で苦しんでいる子も多い気がします…
実際に教え子(高校生)にアンケートをとった時、「小学生の時から英語は苦手ですが…」と書いている子いました。

そして全体の変化として目指す方向は素晴らしいと思うけど、日本のどのくらいの英語教員がそれに対応できているのかは疑問です。
いまだに「I like apples. 私はー好きです。何をかって言うとーりんごを。私はりんごが好きです。」みたいな訳読式の先生まだまだいます。
教員不足もあり、産休代替や病休の代わりの先生で退職された方が来たりするケースもあって、どんな授業になるか先生次第なところは大きな課題だなと思います。

英語を学習したいというきっかけ

英語は自分で学びたい!と思うきっかけがない限りできるようにならないと思っているのですが、実際に出会った生徒たちでどんなきっかけがあったかお話しました。

①短期留学
メイクや美容が好きで「将来美容師になるー」と言っていた子が一週間の短期留学で英語や海外の文化に興味が出て、大学も英米文学科に決まった子がいました。
よくあるパターンですね。
やっぱり生の力は強い!生のコミュニケーションも生の文化も大きな影響力あります。

②ゲーム
普段は物静かだけど、自分の好きなことになるとマシンガントークになる男の子。
今は色んなオンラインゲームで世界と繋がることができる時代ですね。
彼はオンラインで英語でチャットする中で英語力伸びていきました。

③音楽
今K-pop好きで韓国語とっても上達している子って多い気がするんですが、やっぱり音楽も強いですね。
私もディズニーの歌、あんなふうにきれいな発音で歌いたい!と思って、一時期同じCD聴きまくって歌いまくっていました。

こういった自分の「好き」と英語の掛け算で英語勉強するのが好きになった子いっぱいいます。
でも逆に「受験」という一見「好き」とは関係ないきっかけの子もいました。
その子は今まで勉強法がよくわからなくて点数もやる気も低かったですが、どうやって勉強したらいいかが分かり、テストで点数が取れるようになってから自分に自信がついて英語が好きになっていきました。

何がきっかけになるかは分からないけど、英語はとにかく繰り返しなので、繰り返しができるようになる目標や好きなものとの掛け算が重要だなって思います。

幼児教育って必要?

色んな幼児英語教育の教室や教材がありますね。
私は元英語教員、夫は現役英語教員で4歳と0歳の子を育てていますが、
子供に英語で話しかける、英語教室に通わせる、高い英語教材に取り組んでいる…一切していません!
ただ英語という言語があること、今住んでいるところとはちがうところがあること、その人たちは違う言葉を話していること…くらいは分かってほしいなと思い、日常に英語を紛れ込ませています。
息子は今パウパトロールが大好きなので、パウパトロールの映画の曲を流したり、
先日ディズニーランドに行ったので、ディズニーのパレードの曲(最近はほぼ英語!)流したりしています。


あとは私と夫の恩師(オーストラリア人)が来日した時ホームステイしたりもしました。
(とってもいい経験でした。この話もしたい…!)

幼児期に英語をやっていたことで英語を習得できる場合もあるし、できない場合もあるので一概に「やるべき!」「やらない方がいい!」とは言えないなと思っています。

例えばkemioくんは今や世界で活躍して英語も話せますが、アメリカに行った時は全然話せなかったそう。
でも幼少期英語は習っていたらしい。
途中で挫折したから渡米の時には全然話せなかったそうで、つまりは幼少期の英語学習は意味がなかったということと、大人になってからでも自分で学ぶモチベーションと環境があれば、話せるようになるという両方のいい例だと思います。
もちろん幼少期から英語をやっていて喋れる人もいます。

だからこそ親は悩みますよね。
我が子のために1番いいのはなんだろう?って考えるとどれも必要な気がしてしまいそうです。
ただやってみて挫折した…となっても、「合わない方法が知れた!」と思って、色々なタイミングと色々な方法で種まきしてあげればいいんだと思います。
本人も親も予期しないタイミングでガッチリ合って花が咲いていくこともあると思うので。

更に付け加えると、今後「英語が話せる」ということが、どれだけ価値のあるものになるかも分かりません。
私たちが大人になる間にも技術は進歩して、ドラえもんの世界にあるようなテレビ電話が当たり前になったりしています。
そう考えると今より翻訳機能の上がった製品が生み出されるだろうし、英語が話せることより何を話すか、何を伝えたいかを考えられる力が必要かと思います。
英語が話せたら世界は広がるし、楽しいことも嬉しいこともある。
でもみんながみんな英語が話せなきゃいけないわけではない。
肩肘張らずに世界の広さを子どもたちに伝えていけたらいいなと思っています。

実際の子供の状況

一緒にお話した方から子供の現状として、耳で聞けていても書けない/英検を持っていても分かっていないような子もいるという話題が出ました。

まず英語の技能としてリスニングとリーディング(インプット)とスピーキングとライティング(アウトプット)の力には二年ほどの差が出ると言われています。
例えば中3レベルのリスニングとリーディング問題が解ける子は、スピーキングとライティングでは中1レベルの力しか発揮できないということです。

英検の話をすると、正直テクニックで受かってしまうところもあり、
英検◯級が果たして本当にそのレベルの学習が定着しているかは疑問なところもあります。
たださっきの受験がきっかけの生徒のように英検に向けて勉強を頑張って自信がついたり、英語の学習習慣がついたりする場合もあると思います。
また今は大学受験などでも英検持っていることで英語の試験免除とかもあるので、
一発勝負じゃない英検で負担を減らすという方法もあります。
英検の資格だけを取って、実力が伴っていない…は悲しいので、きちんと学習を定着させてほしいと思うものの、
私は生徒が受ける時はテクニックガンガン教えちゃっていました…
何を良しとするかって悩ましいですね…

生の英語に触れる機会

浅草に来ている外国人観光客にお話をしたりするような生の英語に触れる機会っていいよなーという話から、私が大学時代からボランティアをしている音楽教育団体についてお話しました。
その名もHeart Global。

色んな国から来た30名ほどのキャストが3日間歌やダンスを教えて、最終日にショーをするというミュージックアウトリーチをしています。
このプログラムの目的は歌やダンスを上達させるためでも、英語を話せるようになるためでもありません。
音楽を通じて、自分で何かを表現すること、誰かと何かを作り上げること、一人ひとりを尊重すること、自分に自信を持つこと…などを目的としています。
それでもこういう機会を経て、「あのお兄さんお姉さんと話せるようになりたい!」というのが大きなモチベーションとなり、英語が話せるようになってきた子どもたちをたくさん見てきました。
やっぱり英語(に限らず言語)は、人とコミュニケーションを取るツールだなと思います。
だからこそ、生の英語に触れる機会があると大きなパワーになるのではないかと思います。

大人でも英語話せるようになる?

大人が子育てをしながら勉強して、英語を話せるようになるのかという質問があったのですが、
そもそも英語を話せるようになるということに明確なゴールが持ちづらいような気がしています。
海外旅行で困らないくらい…というけれど、それがどのくらいなのかイマイチわかりづらいし、ある程度話せる人でも何かしら困ることは起きるような気がします。
だからこそ目標や目的をしっかり定めることが必要だと思います。
忙しい中だと繰り返し、継続して勉強することが難しく、途中で断念してしまいます。
「かっこいいから話せるようになりたい!」レベルのモチベーションだと絶対続きません。
本当に英語が話せるようになりたいのか?
なりたいのであれば、なぜなのか?
どんな時に英語を使いたいのか?
などをしっかり明確にして、勉強を始める必要があると思います。

そして、みんな「話せるようになる」のイメージが高すぎるのではないかと思うのです。
よく “I can’t speak English very well.”って言って「いや!話せてるやん!」って思われることあります。

スモールステップで、「自分がこれだけできるようになった!」ということが気づけるような仕掛け作りをして、地道に自分が心地よく勉強を続けられる環境においていくことが大切だと思います。

終わりに

また何か機会があったらこうやって、私の経験や考えを話せたらいいなーと思える経験でした!
もし質問があれば、是非是非聞いていただきたいです。
こんなに多くの人が英語教育に関心を持っていて、分からないことたくさんあるんだなということに気づけました。
私で力になれることがあれば、力になりたいです。
今まで教えてきた大好きな生徒たちのことを思い出しながら、楽しくお話&書くことができました!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!!!!!!!!!

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