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真・不可思議刊行筆風録 2

割引あり

前書

 4年前に有料設定した記事(今は無料)を、新たに書き直して再編し、また何本かの記事にまとめることにする。書籍の刊行までとその後、自費出版の体験記として、これから本を出そうという人の参考になればありがたく思う。

前回


3.日程変更ハードモード

 応募の案内を受け取ったのが年明けすぐの三日ごろ、そいつによれば締め切りは二月五日ということだった。期間は概ね一か月、いくらか修正も行いつつ、といっても一度はきちんと完成させた短編をひとつのファイルにまとめていくだけなら、休日だけの作業でも余裕を残して――せいぜい二週間もあれば終わるだろう、と踏んでいたのは前述の通りだ。しかし考えてみるに、既存の作品を纏めただけでは少しばかり物足りない。せっかく本を作るというのにだ。
 もちろんこの時点での出版は未定だが、公募でもなんでも、最初から選ばれない・入賞しないつもりで臨む人間も少なかろう。原稿を送るからには本にしたいと願うし、それが叶った後になって出来を悔いたくもない。有りものを寄せ集めただけでは、何より読者に悪いではないか。それでいて締め切りまで余裕があるならやるべきはひとつしかない。
 この『本』のために、新たにショートショートを書き上げることにした。書くのは速い方ではないものの、一本くらいならおそらく間に合わせられる。ジャンルの都合上、日々の報道やワイドショーで流れる事件・事故・災害などの映像にしっかり注意を向けていれば、着想も得られるはず……というのは、残念な現実でもあるが。

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