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2語文で通じてしまう環境で育つ子は文章がうまく作れない

2語文という言葉を知っていますか?育児書等にはよく登場する言葉です。

おもちゃ とって
ジュース ちょうだい
ママ だっこ
わんわん いる
ごはん 食べる

こんな感じ。目的語+動詞とか、主語+述語とか、文の構成要素が2語の言葉。2語文は、およそ1歳6カ月~2歳6カ月頃に出てきます。

その後、文は複雑になっていきます。形容詞が加わったり、副詞が加わったり、条件が加わったり、複文や重文になったり。

ところが、少しオーバーにいうと、家族内ではこれで「一生」通じてしまうんですね。なので、親が2語文のままでそれを文章にしない家では、その後、子どもの文章力が上がりません。語彙だけが増えていくイメージでしょうか。

それ とって
お小遣い ちょうだい
ママ うるさい
明日 早い
ごはん いらない

友達同士の会話もこれで済みます。「マジ」などの副詞、「ヤバい」などの形容詞が混ざりますが、2語文で済みます。

マジ 無理
今日 ヤバい
ほんと うざい
マジ たるい
うそ 信じらんない

家庭でもLINEでも2語文で通じたら、わざわざ文章にしようなんて思わないですよね。

そして、国語のテストでは漢字と記号で答える問題を何とかクリアしても、長文では点が取れないんです。そして、文章を作れないまま、成人してしまいます。

今日は、ゲームしてもいい。勉強したしね。
の最後の「しね」に対して激高して親に暴力をふるったというような話もあります。
国語力がないと、コミュニケーションが取れないので、大変なことになるんです。でも、国語力というと、どうしても、語彙とか漢字とかの知識の話になるんですが、それよりも国語力を付けるには、読書量が大事です。文章を読んで、そしてそれを使ってみる。その繰り返し。

家庭でも友人間でも2語文で済むので、残すは読書です。でも、2語文で済ませている家庭に限って、家族の読書量がそもそも少ない。そんなところでも教育格差が生まれているのかもしれません。

まずは、こちらの本がおすすめ。

『ごんぎつね』の読めない小学生、反省文の書けない高校生……
子供たちの言葉を奪う社会の病理と
国語力再生の最前線を描く渾身のルポ!
〈バカの壁〉はここから始まっていたか。
子供たちの国語力をめぐる実情から、日本社会の根底に横たわる問題まで掘り起こした必読の書。
――養老孟司
注意報ではなく警報レベルだ。子供たちの現状に絶句した。
本書の処方箋を、必要なところに届けること。それがこの国の急務であり、希望の道筋となるだろう。
――俵万智
・オノマトペでしか自分の罪を説明できない少年たち
・交際相手に恐喝されても被害を認識できない女子生徒
・不登校児たちの〈言葉を取り戻す〉フリースクールの挑戦
・文庫まるごと一冊の精読で画期的な成果をあげる全人的な教育
・〈答えのない問い〉が他者への想像力を鍛える「哲学対話」……etc.
「文春オンライン」200万PV突破の衝撃ルポ「熊本県インスタいじめ自殺事件」を含む、現代のリアルと再生への道筋に迫った瞠目のノンフィクション!
今、子供たちを救えるか? 未来への試金石となる全日本人必読の書

本書紹介文より

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