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3 外遊びを死ぬほどしておく

机の前で学習することと、野外で遊ぶことは、脳にとっても身体にとっても心にとっても同じくらい大事。でも幼稚園や保育園で元気に外をかけまわっていた時間帯は、学校ではずっと椅子に座るようになります。学校に上がるまでは、外で思い切り遊ばせましょう。

どーもー。ゆか先生です。
インターネットで文章を指導しています。
今週はシリーズで、Kindle出版した著書『ほんとうのにゅうがくじゅんび』の簡易版をお届けしています。小学校の入学準備にドリル等を買うより前に、保護者の方に是非知っていてほしい話をピックアップしてお届けします。今日は第3章「外遊びを死ぬほどしておく」です。

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私は小さいころから、外遊びをしない子でした。家の中で、人形遊びをしたり、絵本を読んだり、絵を描いたりすることが好きでした。大人になった今も、インターネット上で仕事をしていますので、外に出る必要が全くと言っていいほどなく、広義の意味での引きこもりの状態です。特にこれと言って困ることもありませんし、何しろ毎日が楽しいです。
まあ、自分がそういう状態で特に困っていないし、自分の生徒には、取り立てて「外遊びを」なんて言わなくてもいいと思っていたんです。ずっと。
ところが、最近、東京学芸大学のEXPLAYGROUND事業の一つで「冒険」「野外生活」をメインにしている団体「アフタースクール放課後まほらbo」としばらく一緒に事業をしたことから分かった世界というものがありまして、それがとにかく素晴らしいということで、引きこもり教師の指導に、にわかに「野外」「冒険」という言葉が登場したというわけです。

アフタースクール放課後まほらbo

さて、私のような完全インドア派の人と、アウトドア派の人、決定的に何が違うか分かりますか? そう、体を大きく使うかどうかです。インドアの子どもの遊びの場合は、たいてい姿勢は変わらず、体を大きく動かすことはしません。そうすると何のリスクがないか分かりますか? そうです。危険が少ないのです。動かないので危険が少ないんです。

子どもの頃からインドア派の私は「危ないからやめなさい!」と叱られるチャンスはほとんどありませんでした。外遊びをしている友達のように、飛んだり跳ねたり、走ったり、登ったり、掘ったり、ぶら下がったりしませんから。

なぜ子どもは「危ないからやめなさい!」と言われるようなことをわざわざするのでしょう。一つは、好奇心があるからです。この好奇心というのがとても大切です。もし、人類の歴史に好奇心というものがなかったら、文明は発達しなかったでしょうし、生き延びてこられたか分かりません。未知のことに挑戦する、失敗して工夫して再挑戦する、その繰り返しで「できること」が見え、可能なことが増えてくるのです。そして、その危険な過程で得られた知識は、そのこと以外にも応用が利きます。のびのびと好奇心の赴くままに挑戦をし続けている子で、将来大物になる人が多いのもうなずけます。集団で遊ぶ場合は、チームワークも育ちます。ゲームで協力して敵を倒すのとは違う、体を使うチームワークです。

外遊びは最高の学びの場

もちろん外遊びには、本当に危険なこともあります。人がいるところに木から飛び降りる、とがった枝を振り回す、人に向かって石を投げる。想像しただけでゾッとしますよね。でも、ほとんどの子は突然そんなことはしません。どちらかというと、普段遊び慣れていない子が危険というものを体験していないせいか、急にそういうことをする場合が多い気がします。体が大きくなってからだと、力も付いていて、非常に危険です。そう、小さいうちに危険というものを体験させておかないと、のちのちもっと危険な目に遭うのです。

とがったもの一つとっても、自然界にはたくさんあります。しかし、それらがとがっていることで生活に役に立つ場合もあります。危険と生活は常に隣り合わせです。だからこそ、学ぶ意義が大きいのです。

この本もおススメですよ!

異年齢の子と一緒に遊ぶことにも大きな意味があります。とかく、小さい子のママは、大きい子がとても大きくて危ない存在に見えませんか? 私も初めて子どもをボールプールに連れて行った時、大きな子がとても危なく見えました。でもよく見てみると、上手によけながら、そしてぶつかった時には頭をなでたり、お詫びに抱っこしたり、子どもなりのコミュニケーションを取っています。息子もそれほどいやな顔はしていません。むしろ羨望の眼差しで大きい子を見ていました。そして、自分の子どもが大きくなった時、つまり、反対の立場に立った時に分かったのですが、息子は息子なりに小さい子にぶつからないよう工夫していましたし、小さい子の面倒をみていました。この点に関しては、親の気苦労なのだと思います。むしろ、異年齢の集団に子どもをポーンと投げ入れて、もみくちゃにさせた方がいいのでしょう。そして、ぐちゃぐちゃになって帰ってきたら、どんなに楽しかったか聞いてあげるといいでしょう。

私は、身近な異年齢の子どもの活動の場として、子ども会をお勧めします。町会とセットになっているところが多いですが、町会とは関係なく、近くの大学生がサークル活動として運営している子ども会もあります。まずは探してみましょう。

体力を付けて、免疫力もアップ!

外遊びでは、もちろん、体を大いに使いますので、体が丈夫になります。走り回れば、心肺機能も高まります。ちょっと面白いデータがあります。毎朝坂を上ってA小学校に行く子と、平地を歩いてB小学校に行く子がいる地域があり、データを見ると、A小学校に行く子の方が心肺機能の方が高かったそうです。毎日坂を上るだけでこれだけ差が付くのです。ですから、毎日外遊びをすると、どれだけ健康体を手に入れられるのか想像できると思います。就学前からたくさん外遊びをさせて、体を鍛えておきましょう!

いかがだったでしょうか。この章では「3 外遊びを死ぬほどしておく」について語りました。第3章、あと2つ項目がありますが、ここから先は有料記事。次の2つの内容です。

「3センチの我慢」
「汚れることは仕方がないと諦める」

上記と同じように簡易版です。全文をしっかり読みたい人は、是非、本を読んでくださいね。この章を含め、全7章あります。

取り上げたkindle本はこちら

私の小学生コースでは、実は年長さんから教えています。オンライン保護者会もあります。どんなことをしているか、覗いてみてくださいね。

ではでは!

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