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Yukako Masui 東京工業大学建築学系塚本研究室

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マガジン

  • 建築備忘録〜日本建築編〜

最近の記事

雨宿りのチャイ

10月某日 昼下り 午後から村を案内してもらうことになっていた私たちは、ブッダガヤのチャイ屋でその案内人であるNさんを待っていた。インドに来てすっかりチャイが好きになっていた私。この日3杯目のチャイである。さすがに飲み過ぎかと思いつつも、やはりチャイは美味い。騒がしいインドの街中に、ほっとする時間をもたらしてくれる。 チャイを飲む素焼きのカップがまたよくて、お店の人によると、粘土の成分が染み出して旨味を加えるらしい。確かに、ホテルのツルツルしたカップで飲む時と、店のザラザ

    • 救いの豆花

      8月28日 昼 1人で台湾の街を歩き回り、ちょうど昼頃に屋台街に着いた。ルーローハンをはじめとする肉料理が多く、暑さで胃腸まで疲れた私には重かった。その中で一つ、救いの店を見つけた。豆花だ。 昨日案内してくれた子とも一緒に食べた豆花。豆腐みたいなものは舌触りが滑らかで、トッピングされた豆類や餅の食感も楽しめ、かき氷で体を中から冷やす。歩き回るからちゃんとしたものを食べないと、と思い昼をデザートで済ますことに躊躇もしたが、そんな引け目は一口で溶けて無くなった。年中温暖な台湾で

      • 紙ふきんがよく飛んだ日

        8月27日 昼 日中、研究室の先生が紹介してくれた台湾に住む日本人の建築家に現地を案内してもらった。お昼はその方に連れていってもらった店で麺を食べた。名前を忘れてしまったが、あっさりした味で暑さの中、食欲が落ちていた私でも口にすることができて、ほっとした。サイドメニューでピータンと湯葉を巻いたようなものを食べた。 店前の半屋外スペースにあったテーブル席に座り、体感として風を受けた感覚は残っていないが、出来事として紙ふきんがよく飛んでいったことを覚えている。

        • 台湾おばちゃんのお汁粉

          8月26日 朝 台北のホテルの慣れないベット上で、若干寝違えた首、強張った背中にうんざりしていると、外から声が聞こえてきた。カーテンの隙間から向こうを覗くと、通り挟んだ所の公園で、木立の下で何やら物陰が動いている。 私は身支度を済ませ公園へと繰り出した。 そこでは老人たちが10人ほど集まり、朝の体操をしていた。中国の老人たちが太極拳などを広場で行っている写真を見たことがあったが、台湾でも同じような慣習があるようだ。 ベンチに腰掛け、昨日買っていたおにぎりを食べながら、そ

        雨宿りのチャイ

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        • 建築備忘録〜日本建築編〜
          4本

        記事

          慈照寺銀閣

          哲学の道周辺は私のお気に入りスポットた。そのエリアにある慈照寺は山の近くで静かに佇んでいるような雰囲気であった。 庭園のランドスケープデザイン慈照寺の中は建物群と山に囲まれるようにして庭園があり、苑路をたどると山を少しだけ登って展望台から寺と京都の市街地を見渡すことができる。中を巡ってみてこれはランドスケープ デザインだ!と思った。庭園を歩く中で、建物や植栽の関係(前景ー中景ー遠景)が変化していくのだが、どの地点に立っていてもそこの場所がよく見える。全体に配慮を行き渡らせる

          慈照寺銀閣

          電車のメタファ

          散歩していたら突如目の前に電車が現れた! ここは閑静な住宅地なのにどうして??これはもう動かないのだろうとわかってはいるものの、どこか宇宙にでもつれて行ってくれるんじゃないかと、そんな想像力を脇立てるような出会いだった。 古く使われなくなった車両を施設で展示したり公園に置いて遊具のように使われる例は時々目にする。本来は線路の上しか走れないのに何も分脈のない地点に置かれていること、行き先が表示されていたりすること、既に役目を終えているがたくさんの人に使われた時間を感じること

          電車のメタファ

          洗濯を干す日にかぎって雨が降る

          洗濯を干す日にかぎって雨が降る

          知恩院

          祇園は八坂神社の面する東大路通を北に登るとすぐに見えてくる知恩院という石碑と門。普段なんとなく前を通り過ぎるだけであったが、もっと早く来ればよかったと悔やむほど立派な寺院であった。 三門の構え 三門を階段の下から見上げた時、大きなスケール感でどっしりとした構えと詰組・瓦屋根による装飾にまず圧倒された。積み上げられた土台の上に、柱によって向こう側が伺える抜け間を作りつつ、またその上にびっしりと重みのある屋根が乗せられている。こうしてみると、下から見上げた時のー階段ー柱ー屋根

          今宮神社

          あぶり餅目当てで来た神社だったが、正門をくぐり境内を見渡すと不思議と「神社」の雰囲気をあまり感じなかった。 軸線の交差 正門をくぐってまず正面に目に入るのは植物だ。そして地面は種類の異なる石畳の経路や砂利、砂によってパッチワークのようになっている。本殿へと軸線がはっきりしている寺社とは違って、空間上の注意が散らされているようで公園のように感じた。 境内に一部残る小川にかかる橋から東門・外のお店を見る。ジグザグと方向性が散らされた道が外まで続いているのがわかる。 アプロ

          今宮神社

          鹿苑寺金閣

          中学の修学旅行でも訪れた記憶のある京都の中でも観光地として有名な金閣。院試で日本建築史を勉強した上で再び見ると、発見がたくさんあった。 環境の中の建築 鏡湖池の畔に建つ金閣を見たとき、一目でこれは建物と周辺環境が調和した美しい光景であるとわかった。この地に金閣が建つことにより庭園の景観、遠景としての北山、それらを覆うような空など、ここにある全てのもののよさが引き出されており、かつ金閣自体もこの周辺環境があってこそ輝きを増しているのだろう。ここに来て、日本建築史で学んだ和様

          鹿苑寺金閣

          水彩の練習を始めた

          ふと祖父母のことを想った。最近はコロナで気軽に帰省もしづらくなり全然会ってない。「離れている祖父母のために何かできることはないかなあ」と考え私は水彩画を始めた。 プラスチックのカップに水を汲んだ。そこで水彩をやるにはまず机の片付けから始めなければならないと気づく。万が一濡れたら困るものなどを整理して、2年前くらいに大学の課題のために買って全然使ってなかった絵具や筆を引っ張り出し、LOFTで買ったおいたマルマンのスケッチブックをぺらっと開く。表面が少しボコボコした水彩紙に筆を

          水彩の練習を始めた