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オートミールクッキーの話

レーズンやチョコチップを混ぜ込んだオートミールクッキーは、にんじんケーキと同じく、我が家の定番のおやつの1つです。
材料がシンプルで、つくりかたも材料を順番にまぜていくだけ。つくりやすさもそうですが、ザクザクした食感と香辛料の香りがとてもよく、家族みんなの好物なので、飽きもせずに何十年もつくっています。
このクッキーのいいところも、材料の分量が多少違っても、まあ、いつもおいしくできるところです。「まあおいしい」。この、家庭料理ならではのおおらかさが私はとても好きです。

<オートミールクッキーの基本の分量>

①粉類 150g 
②無塩バター 120g
③卵 1個
④砂糖 80g
⑤シナモンパウダー 小さじ1/2
⑥オートミール 80g
⑦レーズン 50g
⑧塩 1つまみ

です。
①粉類は、薄力粉と全粒粉を合わせて使うことが多いです。私は香ばしくて素朴な味わいが好きなので、薄力粉:全粒粉=1:1で作ることが多いです。全粒粉ではなくライ麦粉をまぜても、穀物っぽい素朴さが出ます。

②のバターは、無塩を使っています。加塩バターでももちろんできますが、それだと何枚か食べ進めると、ちょっと味が重たいというか、しょっぱい感じがするので、無塩バターを使ってほんの少し塩を足す、というのに落ち着きました。作る際は、室温においてやわらかくしておいてください。
分量は、110〜120gの間で調整できます。

③卵は、L玉を使用していますが、M玉でもおいしくできます。混ぜる前に常温に置いておいた方がまざりやすいです。

④砂糖は、いつもきび砂糖を使っています。上白糖よりも風味が好きだし、全粒粉との香りの相性もいいです。黒砂糖を少し混ぜると、さらに風味が増します。上白糖やグラニュー糖、三温糖でももちろんつくれます。70〜80gで量を調整できます。チョコチップを混ぜ込むときは、私はいつも65gまで減らしています。

⑤シナモンパウダーのほかに、ナツメッグを混ぜるのもおすすめです。オールスパイスなら、それ1種類で豊かな香りになります。香りが苦手、という方は省略してください。

⑥オートミールは、燕麦をぺたんこに潰したり砕いたりした乾燥穀物です。シリアルコーナーなどにありますが、味付けされていないものを使います。
似たようなものにグラノーラがありますが、これはオートミールなどのシリアルに甘みをつけて植物油をからめて加熱処理しているものです。オートミールの代わりにグラノーラを混ぜてつくりたい場合は、砂糖の分量を減らしてください。
もう1つ似たようなものにミューズリーがあります。シリアル(穀物)にナッツやドライフルーツを混ぜたもので、加熱はしていません。砂糖などの味をつけていないものが多いです。レーズンがないときは、これをオートミール+レーズンの代わりに混ぜる、という手もあります。

⑦レーズンですが、増やしすぎると成型しづらくなりますが、お好みで70gぐらいまでは増やせます。我が家は、娘がレーズン派、息子はチョコチップ派です。レーズンではなくチョコチップを混ぜる場合は、砂糖の分量を減らしてください。

⑧塩は、入れなくても焼き上がりに違いはないのですが、食べた時に味に深みが出ます。ちょっとだけなのに、不思議ですね。

では、つくりかたです。
クッキーをさっくり食感にするには「混ぜすぎない」「生地を冷やす」の2つがポイントになります。

<つくりかた>

❶ボウルに、常温で戻したバターときび砂糖を入れて木べらでよく練る。卵を溶いて3回ぐらいに分けてその都度よく混ぜる。

❷全粒粉と薄力粉、シナモンを別の小さいボウルに入れてマドラーでガシャガシャ混ぜる(粉をふるう代わり)。❶に加えて、木べらでざっと混ぜる。粉っぽさが残る程度でOK。

❸オートミールとチョコチップを❷に加えて、木べらでまたざっと混ぜる。粉っぽさがなくなればよし。30分程度、冷蔵庫で冷やす。
※時間に余裕があるなら、1〜2時間程度、生地を冷蔵庫で寝かせます。そうするとレーズンと生地とがよくなじみ、バターもよく冷えてサクサク食感が増します。

❹オーブンを180度に温めておく。天板にクッキングシートを敷く。
冷蔵庫で寝かせた生地を取り出し、大きめスプーン1個分ぐらいすくって丸くしたら、クッキングシートに並べ、ギュッと手のひらで押さえて平らにする。
※少しだけ水または植物油で手を湿らせると、手に生地がくっつきにくくなる。
※焼いたら生地が広がるので、少し生地と生地の間は、離しておくと安心。
※ここで再度、天板ごと冷凍庫に入れ30分ぐらい冷やすとサクサク食感がアップ。

❺180度に予熱しておいたオーブンで15分焼く。焼き上がったすぐはフニャフニャなので、クッキングシートごと金網に移動させて、冷ます。
冷めると、オートミールの歯応えが味わえる、ざっくり食感クッキーになる。

<できあがり>

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話の中のオートミールクッキー

アメリカのドラマを見ていると、新しくできた友人に自分のことを知ってもらうために(『フレンズ』S1 #12のフィービー)、すごく傷ついた仕事仲間を慰めるために(『NCIS ネイビー犯罪捜査班』S10 #12のアビー)、いろんな場面で人はオートミールクッキーを焼きます。
私は、アーノルド・ノーベルという作家が好きです。がまくんとかえるくんの作者、というと分かりやすいかもしれません。絵も好きだし、お話を書く時もちょっとふざけているところが好きです。
そのアーノルド・ノーベルが挿絵を描いた『こぶたくん』という絵本があります。翻訳は、かえるくんとがまくんシリーズ同様、三木卓。

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この絵本のいちばん最初に「おかしを焼く日」というお話があって、雨の日にこぶたくんはお母さんや妹と一緒にオートミールクッキー を焼きます。
作り方の手順は私と同じ、材料にこぶたくんのおうちではふくらし粉を入れていますが、私は省略。スパイスはナツメッグ ・クローブ・シナモンは少し多め、レーズンはどっさり入れるそうで、私もそれはどちらも大賛成。
オートミールクッキーが数あるクッキーの種類の中でもいちばん好きな私は、映画でもドラマでもお話の世界でも、いろんなところに出てくるオートミールクッキーがどれも美味しそうで心惹かれるのですが、こぶたくんのおうちのクッキーは、とりわけおいしそうなのです。


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