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地衣類の造形の美しさに惹かれ生態を調べてみる

地衣類は美しい形をしていて、触発されて作品を作るアーティストは多いようです。私も自然をテーマにしたコレクションの中でブローチやイヤリングなどを作りました。これは今年の春くらいに作ったものです。形が複雑なので、切り出すのに時間がかかります。自然の中の形は本当に美しいです。

Lichen & moss brooch and earrings @yukajourdainjewellery


造形的に美しいものに出会って、それを楽しめるのはよいけれど、それが何なのか特定でできると、そのものの生態の面白さを知ることができて興味が湧きますよね。先日撮った地衣類について少し調べてみたいと思います。

サーチしてみると、まずは手軽なところで、Woodland Trustが地衣類ってどんなものかを説明してくれています。

地衣類(lichen)は次の二つ以上の異なる生命から成り立っている。
‐菌類(fungus)
‐藻類(alga)と/または 藍藻(cyanobacteria)

The fungus element requires carbohydrate as a food source. The algae or cyanobacteria on the other hand require shelter. As the algae/cyanobacteria are photosynthetic they provide the food for the fungus in return for that shelter. It's a partnership that works. (text retrieved from Woodland Trust on 12/11/2023 from https://www.woodlandtrust.org.uk/blog/2019/04/what-is-lichen-seven-types-of-lichen-found-on-trees/ )

Chat GPTでささっと訳してもらうと、菌類は食物として炭水化物を必要とし、藻類やシアノバクテリアのほうは避難所を必要とします。藻類/シアノバクテリアは光合成を行うため、その避難所と引き換えに菌類に食物を提供してお互いに協力し合って生きている、ということです。

こういう協力関係を結んでいる生命体はほかにもあるそうで、共生(symbiosis)というそうです。

私は藍藻(cyanobacteria)という言葉が引っかかります。どういうものか経験はありませんが、cyanoprintという青いプリントをするアートもこれに関係するものなのでしょうか。藍染めの「藍」の字も入っているし。とりあえずこれは保留に。

Imperial College Londonがまとまった概要を写真付きで説明してくれていました。早速プリントアウトしてみます。紙になっていると安心できます。

Lichen Identification Guide created by Imperial College London 

こちらのリンクからダウンロードできます。
Lichen Identification Guide retrieved from https://www.imperial.ac.uk/media/imperial-college/research-centres-and-groups/opal/AIR-4pp-chart.pdf on 23/11/2023

分かりやすいものがあって助かりました!

これは一昨日自分で撮影した地衣類です。これの名前はなにか、分かるとよいのですが。分類は大きく分けてCrusty lichens, Leafy lichens, Bushy lichens の3つあるそうで、これはどうやらLeafy lichenのようです。その中でも、葉の淵が粉っぽくなっているわけでも、ひげのようなものがあるわけでもなく、白いラインがあるということが決め手となって、Shield Lichen (Parmelia sulcata)なのではないか、とあたりを付けました。先ほどのLichen Identification Guideが役に立ちました。似ているようでもどこに注目するかを端的に説明してくれています。

日本の国立科学博物館の地衣類に関する説明も見られます。日本語だとサクサク見られて便利。

様々な気候に耐えられる生物なのに、大気汚染などには弱く、大気汚染の指標にもなっているそうです。

造形の美しさから興味をもった地衣類ですが、その生態もとても不思議で、次回見るときはもっと細部まで気にしてみることができそうで嬉しくなります。


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