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男性ももっと自由になっていい    ~人生100年時代の子育て~

 「不適切にもほどがある」のドラマが話題になっています。昭和と令和の間をタイムスリップするという設定、突然、歌い出すなど、ぶっとんだドラマではありますが、なんだか考えさせられるものがあります。

 ここ30年ほどの間に、日本の社会は大きく変化しました。1980年代から1990年代にかけては、新卒一括採用や終身雇用、年功序列といった日本独自の経営スタイルが主流の時代には、学校を卒業したら就職して、その会社に定年まで勤めあげることが当たり前。一度選んだ道から逸れることは難しく、やり直しが利かないとされる風潮がありました。こうした状況下で、猛烈な働き盛りのサラリーマンが生まれ、男性が家計を支え、女性が家庭を守るという典型的な家庭像が生まれたのです。

 しかし、バブル経済の崩壊や大手企業の倒産などを経て、日本の労働市場は大きく変化。パソコンやインターネット、AIなどのテクノロジーの進化により、世界が繋がり、グローバル化が急速に進む…。この流れに伴い、終身雇用や年功序列が崩れ、企業社会における男性中心の構造も変わり始め、派遣やフリーランスなど多様な働き方が次々誕生。また、コロナ禍によってリモートワークも当たり前になっていきました。こうした多様な働き方の拡大により、誰もが年齢と共に同じように人生を進んでいくという一斉型の生き方から、一人ひとりが自分がどのように生きるのかを考える時代がやってきたのです。

 こうした社会変化に伴い、男性が外で仕事をし、女性が家庭を守るという生き方がすべてではなくなりました。法整備も進んだことで、女性が結婚や出産をしても、仕事を続けられる環境もだいぶ整ってきました。しかし、男性中心の社会構造がいまだに根強く残っているのも事実。女性が昇進や昇格でハンデを背負うことが多く、子育てや介護の間は仕事から離れざる得なくなったり、働き方を変える必要があったりすることから、非正規雇用の比率も高く、生涯の収入も男性よりも低くなるという実態もあります。

 そのため、女性は、「何が自分にとって重要か」「将来どのように生きたいか」という問いに常に向き合いながら、人生の選択を迫られることになります。状況に応じて妥協や手放しをしながら、変化を受け入れる、そんな生き方をしてきたわけです。しかし、結果として、ひとつの会社や枠に縛られず、柔軟で自由な発想で自らの生き方を模索する力を身につけてきた、と言えるのではないでしょうか。

 人生100年時代。働く時間は長くなりました。時代はどんどん変化し、常に学び続ける必要があります。1つの会社にいることだけでなく、自分はどのように生きていくのかを考える必要が出てきたわけです。これからは、男性も自らの選択肢を広げ、変化に適応する能力を身につけなければなりません。変化を起こすにはエネルギーがいります。恐らく内発的な動機よりも、不本意な異動、転勤、家族の都合など外発的な動機の方が変化を促進しやすい場合もあります。しかし、大切なのは自分か感じる違和感に向き合い、自分がどのような未来を描くかを考えること。誰かのせい、何かのせいでできない、ではなく、自分が進んでいる道が何か違うと感じたら、自分の心に素直に従い、どう生きるのかを考え、一歩を踏み出す勇気を持つことです。自由な発想で、人生を楽しんでいきましょう。

☆ごきげんビジネス出版より発売された
『キャリアと子育てを両立する!自分と家族の価値軸で築く幸せな生き方』
の一部を要約した記事です。


☆「自分の大切なことは何だろう?」「自分の変わる力は何だろう?」自分を知り、ワクワクする未来を描くワークショップ『LIFE SHIFT JOURNEY』
へ毎月、登壇しています。


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