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ファンが生まれる「想像を超えるおもてなし」


自分には縁遠い世界だと思っていたことが、ちょっとしたきっかけでぐっと近づいてくる。
なんなら近づくだけでなく、すっかりファンになってしまう。

そんな経験はありませんか?


今回は、そんなお話です。



1  「関係ない」から「ちょっと気になる」へ



ザ・リッツ・カールトンという、耳慣れない、でもちょっと高級そうなイメージの名前を持つホテルが開業する。
日本初上陸だけど、東京ではなく、私の地元大阪で。
そんなニュースを耳にしたのは、1997年のことでした。


当時は下の子どもがまだ1歳で、私は子育て真っ最中。
ラグジュアリーなホテルの話は、私のアンテナに引っかかることなく、素通りしていきました。


それが十数年経った頃、「私には関係ないホテル」から、「ちょっと気になるホテル」に昇格?するできごとがありました。


私が学んでいたとある教育団体の有名講師だった先生が、大阪にいらっしゃった時に常宿にしているのがリッツ・カールトンだと知ったのです。


有名講師とはいえ、地方の一公立小学校の先生が、大阪ではリッツに泊まるだなんて。
こう言っちゃナンだけど、あの先生は確かに人気でひっぱりだこだけど、めっちゃお金持ちって感じでもないんだけど。
そもそも学校の先生って、そんないいホテルに泊まるもんなん?
あのホテルのいったいどこにそんな魅力があるんだろう。


私の中でミーハーな疑問が次々生まれ、リッツへのアンテナが立ったのでした。


2  宿泊して初めて知る「おもてなしパワー」



そして2018年。
私はついに、「リッツ・カールトンに泊まってみる」という挑戦をしました。

「気になるホテル」は、その頃には「憧れのホテル」になっていたのです。


初めて宿泊したのは1月。
とても心地よい滞在だったのと、その時は長女がいなかったのとで、6月に家族揃って再び宿泊することにしたのでした。


ちょうど次女の誕生日が近かったので、私は何かサプライズをしたいなあと考えました。
とはいえ「したいなあ」だけでは前に進むはずもなく、結局何もないまま当日を迎えてしまいました。


せっかく思いついたのに何もしなかったのでは残念すぎる。
せめて今からでもできることを!
ということで、当日の朝ホテルに電話して、お誕生日のフラワーアレンジメントをお部屋に置いてもらうようお願いしました。

ホテルに到着して、クラブラウンジでアフタヌーンティーをいただきながらチェックイン。
お部屋のカードキーもいただきます。


アフタヌーンティーが終わってお部屋に入るのですが、通常自分たちで行くところを、女性のスタッフさんが、わざわざ案内してくださいました。


お部屋に入ると、なんと!


私のお願いしていたお花だけではなく、ホテルからのプレゼント、そして私の知人からのサプライズも置かれていて、もう、とんでもなくすてきな空間になっていたのです!


家族で驚いて、ひとしきり騒いだのは言うまでもありません(笑)


その様子を、阿部さんとおっしゃる女性スタッフさんが、笑顔で、温かく見てくださっていました。


こんなことで大騒ぎするなんて、単純な家族だなあ、なんて思われたかな?
阿部さんの最初の印象は「お部屋まで案内してくれた、感じのいいスタッフ」というところでした。


それが大きく変化したのは、夕食の時でした。


家族4人の食事も終盤という頃に、ろうそくの立った、かわいいスイーツのプレートが運ばれてきたのです!
そう、ホテルからのサプライズプレートでした。


お部屋に次女の誕生日サプライズをお願いしたことで、誕生日の記念宿泊と知ったホテルの計らいです。
当時の私たちにはほぼ経験のないことだったので、感激でした。

そして、阿部さんからは、こんなかわいいプレゼントとメッセージカードをいただきました。

なんということでしょう……!


私たちの様子を見て、こんなすてきなサプライズを用意してくださるだなんて。


「お菓子の詰め合わせ」は、クラブラウンジに置いてあったお菓子が袋に入ったものでしたが、それがまた「今できることで、喜んでもらえるものを」と瞬時に対応してくださった感が伝わってきて、私はもう大感激でした。


私はそれまでラグジュアリーホテルというところは、「一部のお金持ちを相手にするホテル」「常連さんには手厚いおもてなし」「一般庶民の一見さんにはまあそれなりに」というところだと勝手に思い込んでいました。
今回の一件で、それがぐらぐらと揺らいだのでした。


そもそも「一部のお金持ち」とか「一般庶民」とかって、誰がどうやって区別するんでしょうね?


自分で自分の世界を狭めていたなー、と今になって思います。


リッツ・カールトンのイメージが、大きく変わった宿泊体験でした。


3  5年後の再会


こんな阿部さんのすてきなおもてなしに感激して、私のリッツ・カールトンの印象は爆上がり。
「憧れのホテル」から「大好きなホテル」になっていきました。


機会があり、その後沖縄、東京、京都のリッツ・カールトンに泊まることがありました。
どこもすばらしいホテルですが、中でも沖縄のホテルスタッフのおもてなし力に感激して、すっかり、リッツ・カールトンのファンになってしまいました。
(その話も拙著『こうなる!と決めるから夢が叶う』に詳しく書きましたので、よろしければお読みください)


そして昨年、2023年11月。
5年半ぶりに、リッツカールトン大阪に、家族で宿泊することになりました。
長女の希望で、5年前と同じ、クラブラウンジでの宿泊です。


宿泊前に、ホテル側にお願いや確認することがあってメールでやり取りをしたのですが、その時のスタッフのお名前は「阿部」と書かれていました。


あの時の阿部さんかな?
でももう5年も経ってるしな。
同じ名前の違う人かな……。


私の中で、もし同じ阿部さんなら、5年前の感謝を今一度お伝えしたい気持ちがむくむく湧いてきたのですが、残念ながら初日はお休みだとのこと。


2日目、しかもチェックアウトの後に、再会することができました!!!


そしてそして、なんと、5年前の私たちのことも、覚えていてくださったのです!


すごくないですか?
ホテルって、毎日毎日いろんなお客さまが訪れるというのに。


念願通り、阿部さんに5年前のお礼と、あれからすっかりリッツ・カールトンのファンになりましたよ、というご報告?をしたのでした。


右端が阿部さん、左の着物の方は、クラブラウンジのコンシュルジュ、角井(つのい)さんです


もう一つ、私が驚いているのは、この再会が、『こうなる!と決めるから夢が叶う』のペーパーバック版を出すための作業中という時期だったこと。


電子書籍で
「こうして、「憧れだったホテル」は、憧れだけでなく、「大好きなホテル」になりました。」
と書いているそのホテルで、5年後に、そのお話を書籍化する作業をして、エピソードの主、阿部さんとも再会できるなんて。
(ちなみに滞在中も原稿作業をしていて、打ち合わせzoomのために、ビジネスルームを使わせてもらったりしていました)


ご縁とタイミングって、すごいですね。


遠い世界のできごとのように思っていても、何かのきっかけでそれが近づいて、憧れが身近なものになる。


そんな体験のお話でした。


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