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写真の質感について研究してきた内容と、レタッチ時のパラメーターや効果

僕はレタッチではあまり色をいじらず、
質感を調整するのにLightroomやCapture Oneを使います。

一般論には色味を自分のオリジナルにすることがレタッチの醍醐味だと思いますが、
写真の雰囲気を作るのは色以外にも質感が大事です。

ちなみに僕の作っているプリセット「Ton(トーン)」はiPhoneで撮った写真の質感を整えることでiPhoneをサブカメラとして使える体験を提供する、といったコンセプトです。
色味だけ変えてもiPhoneっぽさは残ってしまうので、色調整は整えるためにしかしてません。

質感を変えるとはどういうことか?
僕はもののテクスチャーや陰影、コントラストを記憶や印象に近い雰囲気に近づけることだと思ってます。

元写真
Ton(トーン)で質感を調整した写真

色は同じですが、印象は違うのではないでしょうか?

光は柔らかく、影は人間の目では元の写真より見えてます。
また靴や床のテクスチャーも僕が見た実際の印象に近くなってます。

ではいよいよ質感にこだわって研究してきた結果を話していきます。

露出

撮る時点で一番大事なのは露出です。
僕個人ではデジタルカメラでも露出は-2/3にしてますし、
iPhoneでは-2くらいは下げてます。

簡単に後から調整できそうな項目ですが、
明るめに撮って後から露出を下げると、
かすみの除去をかけたときの陰影が悪いです。

露出自体はRAWで撮れば自由に動かせますが、他のパラメータをいじった時の影響が出やすいので、
質感やトーンにこだわるようになってから露出や光に敏感になりました。

ちなみにどういう質感を作るかは自由なのでどうした方が良いとかはありません。
※この後の項目も全部そうです。今回は影響があるパラメータの紹介で、どうした方が良いというアドバイスではないのであしからず。

明るく撮ってあえてハイライトでディテールを潰してフィルムっぽくする、という方法もあります。

トーンカーブ

RGBの色のトーンカーブではなく輝度のトーンカーブです。

左下を持ち上げるとマットになったり、真ん中を持ち上げると写真の中間の明るさだけコントラストがあがります

僕個人の好みではここで中間輝度だけあげて、スライダーの方のコントラストは-100近くまでします。

こうすることでシャドウとハイライトはコントラストを下げながらも見せたい部分はしっかり見えるので、
全体のコントラストは低いのに眠くない写真になりやすいです。

コントラスト系

コントラスト、ハイライト、シャドウ、白レベル、黒レベルの部分です。

前述した通りコントラストは下げるのが好みです。トーンカーブとの兼ね合いで決めるのが良いと思います。

ハイライトとシャドウは見せたいか、見せたくないかで決めます。

もっと大事なのは白レベルと黒レベルです。

白レベルは光が当たって写ってる部分のクッキリ感が上がります。つまりシャドウが少ない写真なら写真全体のクッキリ感が変わってきます。
僕はコントラストは下げつつも、眠くない写真が好きなので特に気を使います。
※これが正しい説明なのかはわかりませんが、目で見る印象ベースの話です。

黒レベルは影の中でコントラストや明瞭度をつけるという、白レベルの逆の効果に加え、
黒潰れさせるかどうかにも関わってきます

黒レベルであえて黒潰れさせて余分な情報を減らすのも、よくやる手法です。

テクスチャー/明瞭度/かすみの除去

前提として、この3項目はバランスが大事です。
どれかを下げたらどれかを上げてバランスを取ると自然な写真になりやすいです。
またやりすぎると違和感が出るので少しだけいじるのが重要です。
逆に全部下げたり、全部上げてはっきりと方向性を決めるのもありです。

基本はどの項目も下げると柔らかくなり、上げると硬くなります。
iPhoneの写真は硬すぎるので全部下げてます。

テクスチャーは細かい影の強さです。上げると人のしわが強調され、下げるとツルツルの肌になるイメージです。

明瞭度は輪郭のコントラストみたいなイメージです。
上げると顎の影が強く出て、下げると影が薄くなります。

かすみの除去は下げるとフレアが出たようなコントラストの下がり方をして、上げるとハイライトは上がらないままシャドウのコントラストが上がるイメージです。
写真の雰囲気に大きな影響を及ぼします。

シャープネス

実はLightroomではデフォルトで少しシャープネスはかかってます。
線の太さが変わるので、繊細な写真にしたいときは0にしてあげると良いです
上げすぎるとジャキジャキしたいかにもデジタルっぽい感じになります。

ノイズ

少しだけ乗せると微細なムラができて、それがかえって陰影を感じやすくさせます

もちろん乗せすぎるとやり過ぎ感が出るので、わからないくらい少しだけ乗せるのはおすすめです。

フィルムライクにするためのノイズはまた別の話です。

ノイズの軽減

これもデフォルトでかかってます。
車やバイクなどつるつるした感じの写真では強めるとツルツル感が増します。

あと実はかなり強めにかけるとディテールが失われるので、あえて強めにかけて解像感を落として柔らかい写真にする、という方法もあります。

終わりに

質感について追求する中で気づいたことを書きました。

他にも関連記事を載せておきますので、ぜひ読んでみてください!

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