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作品としての写真とは

先日Maria Sewczというドイツの写真作家の写真集を見つけて購入しました。

何に惹かれたかというと、見栄えは大してよくないのに決してつまらなくはない、そして読み進めているうちにこの人の言いたいことが伝わってきたのがすごいと思ったからです。

写真家なのにうまくない?

次はMaria Sewczの「Jetzt, Berlin」の写真です。

出典:Jetzt, Berlin
出典:Jetzt, Berlin

建物の写真も桜の写真も普通というか、もっと綺麗な写真はいくらでもあるのではないでしょうか。

しかし現代の写真作家はあえてこういう写真を撮ります。

つまりコンセプトやメッセージを伝えるためにあえてビジュアルインパクトを抑え、思考を促しているのではないかと思います。
ティルマンスもどこかのインタビューで5D mark2を使っている理由として同じものを挙げていました。

例えばSNSで綺麗な桜の写真を見て「綺麗な桜だなぁ」と思ったことはありませんか?
それは撮った人が桜が綺麗だったことを伝えたいので、そう感じるのが自然です。

ただ、先ほどの桜は「綺麗に撮ってるように伝わってこない」ということ自体が情報になり、
綺麗ということを伝えたいのでなければ他に伝えたいことがあるのでは?」と僕は見た時に思いました。

当然写真家になるぐらいですから見栄えの良い写真を撮る方法などは知っているはずです(実際他の写真集ではかっこいい写真もあります)
下手なのになんか売れた、という偶然ではなく、意図的に見栄えの良くない写真にしているわけです。

伝えたいことの抽象度を上げる

もうひとつ写真を作品としてアートマーケットで認められる要素として、
コンセプトの抽象度があります。

先ほどの写真集では建物や花を撮っているではなく、
近代化していく都市のダークサイド、憂い、といったものを撮っています

Sewczさんは長いことベルリンで活動されているようで、ベルリンの壁の頃から撮り続ける中で感じてきたものがあるのでしょう。

そういった作家自身の人生を背景として、世の中の見え方と世界的なテーマ(近代化・高度化に対する懸念)が繋がって評価されたというのもあるかと思います。

偉そうに語ってますが、僕がこの写真集を買って感じたこと、気がついたことは以上になります。
写真の楽しみ方として写真集を買うのはとてもおすすめです。

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