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【フォトグラファー向け】映像を始める前の誤解3選 + 無くてもいいと思ってたけど必要だったもの3選

今回は映像についての内容ですが、フォトグラファーかつ映像を始めたいと考えている人向けです。

写真が好きな方の中には映像に興味がある方は多いのではないでしょうか?
しかし、なんとなくハードルを感じて始められない方も多い印象です。

僕も半年以上、映像用のカメラを探したり必要なものを調べたりして中々始められませんでした。
そしていざ撮ってみると、全然良い映像にできませんでした。

最近は少しだけ自分の好きな映像が撮れるようになってきました。
以下、最近撮った映像です。決して上手いとは言えませんが、少なくとも自分には響く映像のコツがわかってきました。

慣れてきて思ったのは、普段ネットで得られる映像についての情報は完全にビデオグラファー向けになっている、ということです。

フォトグラファーにはフォトグラファーの映像の撮り方があると考えているので、僕がネットの情報と乖離している部分を中心にお話しできればと思います。

映像に対する誤解3選

誤解1:ジンバルを使う

映像に関するYouTubeを見ると必ずといって良いほど出てくる機材「ジンバル」。

手ブレを抑えた滑らかな映像にすることで、映像の品質を上げる、という印象をお持ちではないでしょうか?
間違ってはいませんが、ジンバルはジンバルワークに使うもので、
ジンバルワークは意外となくても映像として成立します(ポートレートだったとしても)

また、ジンバル以外にもカメラワークを使うことを推奨されることが多いですが、
フォトグラファーは初めはカメラワークを使わずFIX(画面固定)のみで撮るのが良いと思います。

僕はさらに背面液晶は使わずファインダーで見ながら撮っています。
つまり写真と全く同じ撮り方です。

構図だけ気をつければ良いですし、僕の好きな映像作品もほぼFIXのみなのでカメラワーク=映像っぽさ、ではありません。
※以下参考

誤解2:log+カラーグレーディングの知識がいる

log撮影をしてカラーグレーディングをする。これも常識のようになっています。

しかし、今のカメラはシネマっぽいモードを用意してくれてます
例えばSONYならS-Cinetone、LUMIXならシネライクV2、2100ライクなどです。
上記のようなモードがなければコントラストが低いモード(フラットなど)を選んで、彩度も低めにしてください。

露出の低さ、コントラストの低さ、彩度の低さを適切にすることでカラーグレーディング無しでもシネマっぽい映像が撮れます
最初の方の僕の映像はカラーグレーディング無しで、LUMIXの2100ライクというモードで撮ってます。

log撮影はシャドウノイズに気をつける必要があり、写真撮影の感覚とは違うものになるので、
初めはlogで撮らずにカラーグレーディングなどもしなくても大丈夫です(もちろんlogで撮っても大丈夫です)

誤解3:動くものを撮るべき

「映像は動くものを撮ってなんぼ、動かないものを撮るなら写真で良い」というのもわかります。
わかりますが、動くものを意識しないほうが僕は撮りやすかったです。

物が動いていなくても、自分が動けば動きがつきます。
「カメラワーク使わないって言ったじゃん!」と思われるかもしれませんが、
FIXでゆっくりゆらゆら動く程度です。そこからさらにスローモションかけるといい感じになります
(これも最初の方にある僕が撮った映像を見ていただければと思います)

ピントの位置を変えるだけでも動きがつきます。
植物は風で微妙に動くので、あまり動きを意識しなくても意外と動きます。

このように、撮り方に関してはフォトグラファーっぽい映像の撮り方をすれば十分綺麗な映像が撮れると感じています。

初めは無くてもいいと思ってたけど実際は必要だったもの3選

逆に最初は必要ないと思ったのに、実際あると撮影体験が完全に別物になるものもあります。

4K48p(60p)

4KはYouTubeのアップ時に必要です。
フルHD画質でアップしてしまうとYouTube側で大幅に画質を下げられるので、フルHDで撮っても4Kにアップスケールしてアップする人が多いです。
そして4KへのアップスケールはDavinci Resolveの有償機能なので、それなら最初から4Kが良いと思いました。

またスローモーションは簡単に現実感を消して映像のクオリティを上げられるので映像に慣れてないうちはガンガン使ったほうが良いです。
写真を始めた時に起こる「なんでもボカして撮るのが楽しい」状態になれます。

60pでも良いのですが48pで撮れるとさらに映像のハードルが下がります
理由は

  • 最終的に24pにするときに60pだと24の倍数じゃないので微妙に不自然なことがある。48pじゃなくても120pならOK、もしくはDavinciでモーションブラーをかける(ただし有償機能)

  • 60p&シャッタースピードが1/120だと関東ではフリッカーが起こるが48p&シャッタースピード1/100だとフリッカーが起こらない

  • 60pよりもデータファイルが小さい

  • 60pほどスローにできないが、感覚としては大差ない(ソフトの機能で25%スローまでいける

ので僕は60pをやめて常時48pです

手ぶれ補正

BMPCC系と迷った時に「ソフトで補正できるし手ブレ補正いらんやろ」と思ってたのですが、
実際に手ぶれ補正があるとDavinci Resolveの補正で三脚を使ったかのように止めれます。三脚を持ち出さなくても良いというのは撮影体験において大きなメリットです
(100点を目指すなら三脚は必要です。趣味撮影の場合の話です)

手ぶれ補正がないカメラで撮ってDacinciで補正もできますが、ソフトでの補正が強くなればなるほどクロップが大きくなり、狙った構図ではなくなってしまいます

また撮影時にも手ブレ補正がついてると綺麗な映像が撮れているように見え、テンションが上がります。

ただし手ぶれ補正の強さ(何段とか)は気にしなくて良いと思います。強い方がソフトで補正するときのクロップが少なくなるだけで、
「ある/ない」の差よりははるかに小さいです。
ボディ側に手ぶれ補正があればレンズ側の手ぶれ補正はなくて大丈夫です。

あと自分が動きながら撮りたい(Vlogを歩きながら撮るとか)タイプの方は手ぶれ補正かジンバルがあった方が良いですね

NDフィルター

一番の盲点でした。写真ではF値は絞るタイプなのでいらないと思っていたのですが、
映像に慣れないうちはボケさせた方がやはりそれっぽいのができます。
あと開放の方が甘い描写になりやすく、映像にはキレキレの描写よりそっちの方が向いてます

今使っているのはNOKTON 40mm f1.2のレンズですが、f1.2のボケボケ甘々な描写がとてもシネマチックな雰囲気を作ってくれます。

安いK&F ConceptのNDフィルターで大丈夫です。
正確には大丈夫じゃない(暗めの場所でオレンジ方面に色が変わる)のですが、正しい色を出さなくてもそのオレンジっぽさが映像の雰囲気を作ってくれるので、カラーグレーディングをがっつりしない人はこれで大丈夫です。

カラーグレーディングする人は色の調整が大変になるのでちょっと良いやつ買った方が良いかも。

まだ結論が出ていないもの

最後にまだ迷っているものも一応書いておきます。

ズームレンズ or 単焦点

僕は写真では単焦点派なのでそのまま単焦点を使っているのですが、
開放でボケる、明るい、といった一般的な特性に加え、
「映像の一貫性が出る」ということに気がつきました。

一方で、裏を返すとワンパターンな映像になってしまうというジレンマもあります。
僕は単焦点をシーンによって使い分けることはしないタイプなので、
ズームレンズで映像のバリエーションを作った方がより良くなる可能性はあります。

ただズームレンズの場合もf値優先でf2.8が限界かなと思っています。
一番使う標準域の画角で、少し距離が離れた時にf4だとボケないのが厳しいです。
(ちなみに写真ではf5.6以上を中心に使うのでボケ表現が大好きなわけではないです)

その他note


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