藤本祐嗣

週2,3くらいのペースで写真や映像、作品作りについて書きます。 写真集や展示情報につい…

藤本祐嗣

週2,3くらいのペースで写真や映像、作品作りについて書きます。 写真集や展示情報についても発信します。 京都芸術大学の通信制に通ってます。 写真はフィルムやモノクロが多め(デジテルも好きです)、映像は写真っぽい撮り方で撮るのが好きです

マガジン

最近の記事

  • 固定された記事

iPhoneを最高のサブ機として使い、撮影体験と機材構成を変えるプリセット「Ton(トーン)」を作りました

【解決する問題】・メイン機はあるけど買うバッグから取り出さないシーンも多く撮影枚数が減っている ・家族や友達といるときにカメラばかり触るのが億劫 ・サブカメラを買ったけど結局そんなに使ってない ・iPhoneっぽい写真が嫌でiPhoneでは写真を撮らない ・フィルムとデジタル、写真機と動画機など2台持ちだと持て余すけど1台では物足りない ・プリセットを買ってみたけどカメラが違うから想像した色にならない 【目指す世界観】このプリセット「Ton(トーン)」はドイツ語でトーンとい

有料
500
    • 【KYOTOGRAPHIE振り返り】ドキュメンタリーらしからぬ写真表現【クラウディア・アンドゥハル編】

      KYOTOGRAPHIEの振り返り6回目、クラウディア・アンドゥハル編です。 KYOTOGRAPHIEに行った人にも、行けなかった人にも楽しんでもらえたらと思います。 見た展示はシリーズ化して全部書くつもりなので、もしよければフォローしてください! 人物などの概要1931年生まれとかなり歳をめされていらっしゃり、スイスでユダヤ教徒の父とカトリック教徒の母の間の子でホロコースト(ユダヤ人の迫害)の経験から社会的弱者のコミュニティに興味を持つようになったようです。 そして

      • 【KYOTOGRAPHIE振り返り】自分だけの分野を極めること【ティエリー・アルドゥアン編】

        KYOTOGRAPHIEの振り返り5回目、ティエリー・アルドゥアン編です。 KYOTOGRAPHIEに行った人にも、行けなかった人にも楽しんでもらえたらと思います。 見た展示はシリーズ化して全部書くつもりなので、もしよければフォローしてください! そして是非コメントやXでのDMでも良いので語りましょう。 人物などの概要ティエリー・アルドゥアンについては英語で調べても情報が少なかったです。 もしかしたら自然学者と写真家のハイブリッドなのかとも思いましたが、 基本は写真家

        • 【KYOTOGRAPHIE振り返り】同じものを撮り続けること【潮田登久子編】

          KYOTOGRAPHIEの振り返り、4回目は潮田登久子さんです。 KYOTOGRAPHIEに行った人にも、行けなかった人にも楽しんでもらえたらと思います。 見た展示はシリーズ化して全部書くつもりなので、もしよければフォローしてください! そして是非コメントやXでのDMでも良いので語りましょう。 人物などの概要写真家に教えを受け、写真家の夫と結婚した写真と共にある人生を歩んでこられたようです。 冷蔵庫や本、帽子など、一定のものを6×6のフォーマットかつ白黒で撮ることが特

        • 固定された記事

        iPhoneを最高のサブ機として使い、撮影体験と機材構成を変…

        • 【KYOTOGRAPHIE振り返り】ドキュメンタリーらしからぬ写真表現【クラウディア・アンドゥハル編】

        • 【KYOTOGRAPHIE振り返り】自分だけの分野を極めること【ティエリー・アルドゥアン編】

        • 【KYOTOGRAPHIE振り返り】同じものを撮り続けること【潮田登久子編】

        マガジン

        • KYOTOGRAPHIE各展示の振り返り
          6本

        記事

          【KYOTOGRAPHIE振り返り】主張ではなくただ伝えること【ジェームス・モリソン編】

          KYOTOGRAPHIEの振り返り、3回目はジェームス・モリソンです。 作例などは載せないのでどちらかというと展示を見た人向けの考察ですが、 Xにたくさん上がってる写真を見ながらKYOTOGRAPHIEに行けなかった人にも楽しんでもらえたらと思います。 見た展示はシリーズ化して全部書くつもりなので、もしよければフォローしてください! そして是非コメントやXでのDMでも良いので語りましょう。 人物などの概要ケニア出身、イギリス育ちのフォトグラファーです。 撮るものは決ま

          【KYOTOGRAPHIE振り返り】主張ではなくただ伝えること【ジェームス・モリソン編】

          【KYOTOGRAPHIE振り返り】常に実験をする重要性【川田喜久治編】

          KYOTOGRAPHIEの振り返り、2回目は川田喜久治さんです。 (日本人かつ生きてる人だと「さん」付けたくなる) 作例などは載せないのでどちらかというと展示を見た人向けの考察ですが、 Xにたくさん上がってる写真を見ながらKYOTOGRAPHIEに行けなかった人にも楽しんでもらえたらと思います。 見た展示はシリーズ化して全部書くつもりなので、もしよければフォローしてください! そして是非コメントやXでのDMでも良いので語りましょう。 人物などの概要御歳91歳の生けるレジ

          【KYOTOGRAPHIE振り返り】常に実験をする重要性【川田喜久治編】

          【KYOTOGRAPHIE振り返り】美と表現のインパクト【ヴィヴィアン・サッセン編】

          KYOTOGRAPHIEの振り返り1回目、最初はヴィヴィアンサッセン(以後サッセン)です。 個別で考察したすぎて連載にします。 作例などは載せないのでどちらかというと展示を見た人向けの考察ですが、 Xにたくさん上がってる写真を見ながらKYOTOGRAPHIEに行けなかった人にも楽しんでもらえたらと思います。 見た展示はシリーズ化して全部書くつもりなので、もしよければフォローしてください! そして是非コメントやXでのDMでも良いので語りましょう。 人物など概要調べれば出て

          【KYOTOGRAPHIE振り返り】美と表現のインパクト【ヴィヴィアン・サッセン編】

          ひどく個人的な経験に基づいたLUMIX S1Hレビュー【2024年でも通用する写真と映像のハイブリッド機】

          昨年11月に購入したLUMIX S1H、半年経ったのでそろそろ語らせていただきます。 スペックなどは今更感ありますし、そもそも結構前のカメラなので特筆すべきところはありません。 なのでとても個人的な経験と主観に基づいたレビューにしようかと思います。 購入の経緯結論から言うと、映像も動画も撮れるカメラで、どちらかというと映像寄りのものを探していました。 スペック的にはよく借りて使わせてもらってたα7IVを買っても良かったのですが、写真のRAWの色が苦手だったことと、使って

          ひどく個人的な経験に基づいたLUMIX S1Hレビュー【2024年でも通用する写真と映像のハイブリッド機】

          写真の質感について研究してきた内容と、レタッチ時のパラメーターや効果

          僕はレタッチではあまり色をいじらず、 質感を調整するのにLightroomやCapture Oneを使います。 一般論には色味を自分のオリジナルにすることがレタッチの醍醐味だと思いますが、 写真の雰囲気を作るのは色以外にも質感が大事です。 ちなみに僕の作っているプリセット「Ton(トーン)」はiPhoneで撮った写真の質感を整えることでiPhoneをサブカメラとして使える体験を提供する、といったコンセプトです。 色味だけ変えてもiPhoneっぽさは残ってしまうので、色調整

          写真の質感について研究してきた内容と、レタッチ時のパラメーターや効果

          花ではなく、花を育ててる人を想像して撮る

          今日は僕が撮りたい写真の話をします。 写真は世界のごく一部を切り取り、何かを伝えるメディアです。 裏を返すと写っていないことの方が圧倒的に多いわけです。 写っているものを伝えるだけでは情報不足で物足りなさを感じます。 また、写しすぎない方が良く見えるとも思います。 例えば、ソールライターで有名な雨に濡れたガラスを撮ってその向こうを想像させる方法だったり モノクロでほぼシャドウで潰してしまう方がかっこよく見えたり。 見えないことで人間は想像を働かせ、特に良い想像で補完

          花ではなく、花を育ててる人を想像して撮る

          良い光の3条件。光の良し悪しは角度とバランスと柔らかさで決まるのではないか

          フィルムで撮っていると微妙な写真を連発します。それは撮った後に露出やコントラストを極端に弄れないからだと思っています。 逆に綺麗に撮れた写真は大体良い光の条件で撮れています。 フィルムでも上手く撮れるように光について考えることが多く、 個人的な意見をまとめてみました。 良い光の条件結論から言うと、良い光の条件は以下3つで決まると考えています。 ①方向性があり、角度がついている ②光と影のバランスが取れている ③光質が柔らかくグラデーションがつく ※上記は綺麗に写る条件

          良い光の3条件。光の良し悪しは角度とバランスと柔らかさで決まるのではないか

          【フォトグラファー向け】映像を始める前の誤解3選 + 無くてもいいと思ってたけど必要だったもの3選

          今回は映像についての内容ですが、フォトグラファーかつ映像を始めたいと考えている人向けです。 写真が好きな方の中には映像に興味がある方は多いのではないでしょうか? しかし、なんとなくハードルを感じて始められない方も多い印象です。 僕も半年以上、映像用のカメラを探したり必要なものを調べたりして中々始められませんでした。 そしていざ撮ってみると、全然良い映像にできませんでした。 最近は少しだけ自分の好きな映像が撮れるようになってきました。 以下、最近撮った映像です。決して上手

          【フォトグラファー向け】映像を始める前の誤解3選 + 無くてもいいと思ってたけど必要だったもの3選

          思い入れのある写真ほどセレクトから外す

          先日、雑誌〈写真〉編集長の村上さんに写真のレビューをしていただきました。 その中で印象に残ってるうちの一つが 「思い入れのある写真こそセレクトからはずす」でした。 思い入れがあると良い写真に感じて展示や写真集、SNSでもアップする中に入れたくなるが、 それは撮った時の思い出、機材の描写力によって想像以上に良く写った、など主観によるもので、 他人から見ると微妙だからまず省くとのこと。 ...すごく心当たりないですか...? 僕はあります。 「すごい写真が撮れた!」と思っ

          思い入れのある写真ほどセレクトから外す

          露出計が無いフィルムカメラで写真を撮る方法

          露出計がないフィルムカメラ、露出計が壊れたフィルムカメラは比較的安く買うことができます(一部例外あり) 僕はオリンパスのフィルムカメラOM-1の露出計が壊れてるやつを3000円で買いました。 また露出計はいつか壊れるものなので、露出の感覚を身につけておくと色々楽です。 毎回アプリで測ったりするのもめんどいですしね。 とはいっても感覚で覚える必要はなく、暗記で大体撮れます。 しかも暗記といっても4つだけです。 僕は2B ChannelというYouTubeチャンネルで知った

          露出計が無いフィルムカメラで写真を撮る方法

          フィルムカメラ初心者が最初にする失敗と対策5選

          僕は2020年に初めてフィルムカメラを買いました。 記念すべき最初のフィルムは巻き戻しに失敗してちぎってしまいました。 2本目はちゃんと写ってましたが解像度が低い写真で、こういうのを楽しむものかと思い、すぐにフィルムにはハマりませんでした。 でも今は写真はフィルムがメイン、フィルムで撮るほどでもないと思ったらiPhoneで撮ります。 そうなったのはカメラとレンズ、写真の原理を理解し、フィルムでも綺麗な写真を撮れるようになったからです。 フィルムに慣れてなくて面白さを感

          フィルムカメラ初心者が最初にする失敗と対策5選

          作品としての写真とは

          先日Maria Sewczというドイツの写真作家の写真集を見つけて購入しました。 何に惹かれたかというと、見栄えは大してよくないのに決してつまらなくはない、そして読み進めているうちにこの人の言いたいことが伝わってきたのがすごいと思ったからです。 写真家なのにうまくない?次はMaria Sewczの「Jetzt, Berlin」の写真です。 建物の写真も桜の写真も普通というか、もっと綺麗な写真はいくらでもあるのではないでしょうか。 しかし現代の写真作家はあえてこういう写

          作品としての写真とは