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中高年、どこまで太ればデブなのか

 最近太ってきた。見た目はあまり変わらないが、今朝体重を測ったら標準体重をほんの少しだけ超えていた。そんなにしょっちゅう体重を測るわけではないので軽くショックだった。かと言ってダイエットする気持ちはさらさらない。
 思えば50数年の人生で何度も何度も太ったり痩せたりしてきた。拒食症で37キロまで激痩せしたこともあれば、介護疲れによるストレスで63キロまで激太りしたこともある(その直後わずかな期間で10キロ痩せたりした)。現在そこまで太ってはいないものの、このまま放置すれば60キロ以上いきそうな気配もなきにしもあらず。だがダイエットする気はない。
 そもそも私は中高生だ。お腹は当然出てくるし体重も増えておかしくはない。若い頃のようにぺたんこのお腹やコカコーラ体型はもう望めない。一部の筋トレ趣味の人や生まれつき痩せがたの人はともかくとして、中年は太るほうが普通というものではないのか。だからってダイエットするつもりはないけれど。
 もともと私は自分が「物凄く太っている」と思い込んでいるふしがある。実際のサイズはMよりも少しふくよかな程度なのに3Lを手に取ってしまうことが多くあった。大きなレディースサイズの通販カタログを取り寄せて買ってしまったこともある。もちろん大き過ぎて似合わなかった。もしかしたら私は自分で思うほど太っていないのかもしれないと、そのときに気づいた。実際の姿よりも太っているという思い込みはよくないだろう。しかし標準体重ラインを超えてしまうとなんとなく「これでいいのか」と怖くなる。しかしダイエットする気分にはならないのだ。
 最近、急激に胸がしぼんだ。以前はEカップくらいあったのに今やユニクロのMサイズブラジャーでちょうどいい按配になった。胸が小さくなって悩みが一つ解消された。重くて大変だったのだ。それなのに体重は増えた。お腹がぽっこり出ている。頬っぺたもすっかりたるみ、二重あご(生まれつき)のたるみもひどくなった。私も年を取ったのだ。このような加齢による自然現象に無茶な抗いかたをするのは好まないのでダイエットはしない。ダイエットしなくていいのは血液検査の結果が良好だからだ。
 中年太りくらいしてもいいではないか。誰もが年を取るのだ。昔は私も美しかったかもしれない。プロポーションも悪くなかったかもしれない。しかし50年も生きていれば身体は衰える。いつまでも美しいままではいられない。だから私はダイエットもしなければ髪のカラーリングもしない。化粧もしない。このままで構わない。そのかわり肌は若い頃よりもマシだ。化粧品で肌を傷めていないからだ。石けんで洗顔、石けんでシャンプー、それのみ。感染症でマスク生活になって好都合だった。衰えた顔を見られなくてありがたい。
 結局のところ現在54キロから55キロ程度なのだが、これは太っているのだろうか。一ヶ月前はせいぜい52キロだったが急に増えてきて気になっている。標準は54キロを少し超える程度だそうだ。60キロに辿り着いたら考えたほうがいいだろうが、今はまだダイエットする気はない。ダイエットはよくない。私はあれをやると拒食症になりがちだからだ。食べ物を受けつけなくなる。危険を伴う。だからダイエットはしないのだ。
 要するに私は太ってきてもダイエットをしたくない。それだけなのだろう。