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昭和レトロを残した銭湯×喫茶店にて

とある土曜日の夜のこと。

今日はプチ贅沢をしてやるんだと、近所のローカルな銭湯「十條湯」へと向かう。

若者で銭湯に行くなんて珍しいねと言われたこともあるけど、あつあつの湯にジェット風呂、サウナまであるものだから私にとってはちょっとした贅沢なのだ。

銭湯の壁には「ぽかぽか新聞」という店長さんの手書きのお便りが貼ってあり、あつあつの湯に浸かりながら心もほっこりしてしまう。

十條湯の看板

2021年の新語・流行語大賞にはサウナ用語の「ととのう」がノミネートされたそうだ。

ちゃんと調べてみると「ととのう」とはサウナ・水風呂・休憩を繰り返すことで得られる強い幸福感や満足感のこと。

200円プラスしてサウナに入る。
サウナの後に水風呂に入ることが無論大事なわけだが、なんといっても冷たい!!冷たすぎる!!

いつも水風呂に苦戦して、正しいサウナの入り方ができている気はしないけど、ほどよく気持ちが良くなるのでこれはこれでOKだ。

十條湯に貼ってあったポスター


そして今日は更なるプチ贅沢を目論んでいる…!

銭湯に併設されている喫茶店「深海」だ。

喫茶 深海


まさに昭和レトロという言葉がぴったりなお店。
メロンソーダやコーヒーゼリー、プリンアラモードなど、とっておきのメニューがお風呂上がりの客たちを待ち構えている。

私はずっとずっと狙っていた「女将さんのプリン」を迷わず注文。

待ち時間には店内に置かれているPOPEYE(雑誌)が読めるなんて、最高すぎじゃないか。

ちなみに、この十條湯と喫茶深海はPOPEYEの1月号に掲載されている…!

窓際に並ぶ雑誌たち
角っこの席


…少し調べてみると、実はここ十條湯は廃業の危機に晒されていたそうなのだ。

“昨今、廃業が続く銭湯業界。そして実は十條湯もここ数年、廃業の危機に晒され続けています。

生活環境や習慣の変化による客数の減少などを受け、年々経営は悪化。抱えた多額の負債を返しながら、十條湯を守るため何とか必死に営業を続けるも、ついに社長と女将が体調を崩し、しばらく休業を要されます。そして見かねた借り入れ先からの融資の打ち切りの打診と続き...。

厳しすぎる事態の連続に、もうここまでか...と諦めざるを得ない状況にまで陥りました。”

そこで廃業を回避するべくクラファンでたくさんの応援を受け、この喫茶深海を改装。

そしてPOPEYE掲載まで上り詰めるという…

何としてでも十條湯を、銭湯があるこの町の風景を守っていきたい!!

銭湯を守りたいというアツい想いがそれを実現させたのだろう。



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なんだか面白いところに越してきたもんだなと思いながら、すっかりこの街の虜になってゆくのであった。

女将さんのプリン

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