毎日超短話614「公園にて」
ベビーカーを押しながら、公園を歩いていると、ちょっと待ってと言われたので、振り返った。誰もいないので気のせいかと思って歩き出そうとすると、また、ちょっと待って、と聞こえた。それがどうやら葉っぱの声だとわかって、その葉っぱに目をやった。
ありがとう、やっと水がもらえた。
葉っぱがそう言った。こぼしていた涙が葉っぱに落ちていたらしい。
あめ。
と、ベビーカーの中から声が聞こえた。
あめ、だね。
そう声をかけて、歩き出す。
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