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日本史が大好きになったのは、小説から入ったから。

高校時代、歴史の授業が大嫌いだった。

1600年に徳川と豊臣が戦っても、
1860年に井伊直弼が桜田門で暗殺されても、
平成の時代に生きる自分には何にも関係なくね??
な〜んて思ってた。

意味がわからないとやる気が起きない自分。
日本史は、課題を全く出さずに先生から目の敵にされていた。

そんな自分が今では、歴史的史跡に興味津々で一人旅に出かけるようになった。
先日は、長州藩に憧れて山口県萩市に。
去年は、新撰組の土方歳三が戦死した、函館五稜郭に行った。

学生の頃はあんなに嫌いだったのに、なぜここまで歴史好きになったのだろう。

全てのきっかけは自分が大好きな、小説というアプローチだった。

一問一答は全く面白くない

さて唐突だが、日本史Bの一問一答を掲載。

Q 対立していた薩摩藩・長州藩が倒幕で一致し、提携したが、この提携を何とよんでいるか。
A薩長同盟

https://chitonitose.com/jh/jh_exercises_q_a.html?page=105

江戸幕府を打倒するために薩摩藩と長州藩が同盟した際のことを問う問題だ。

なんとなく覚えている人もいるだろう。
だけど一問一答。なんて面白くないのだろうか。

だってこの問題からは何にも学びがない!自分ごとにできない!

令和の時代に生きる僕らにとって、薩摩藩と長州藩が同盟しようがなんの関係もない。勝手にしてくれという話だ。

理屈ではなく感情で人は動く

そんなことを思っていた学生時代だが、今では薩長同盟は大好きだ。

自分にとって学びのある活きた知識となっている。

薩長同盟から学んだことは、「人は理屈ではなく感情で動く」ということである。

300年続いた江戸幕府を打倒するためには、強大な軍事力を持った薩摩藩と革命家が多い長州藩が手を握ることが最重要だった。

けどそれがむずかしい。
長州藩は薩摩藩を憎んでいたからだ。長州藩は革命家が多いことから弾圧され続けていた。そしてその弾圧に、薩摩藩も関わっていた。

犬猿の仲といえる薩摩と長州の間を取り持ったのが、土佐藩の坂本龍馬である。

長州が可哀想ではないか!

坂本龍馬が、薩摩藩と長州藩の間を奔走し、同盟の準備はできていた。

けど最後の最後で、「同盟の申し出は相手側から」と両者が言い出した。
自分からはお願いしたくない。自分からは謝りたくない。
子供の喧嘩のようだが、理屈では利があるとわかっていても、どうしても感情のもつれを解決できない。

そこで龍馬は薩摩藩の西郷隆盛にこのように言う。
「長州が可哀想ではないか!」

長州藩は幕府から弾圧され続けて、存続すら危ぶまれている。
その長州藩がプライドもかなぐり捨てて、憎んでいた薩摩藩と同盟することを決めた。
その長州藩に対して、「お前から申し出てこい」と言うのはあまりにも可哀想ではないか。

長州が可哀想ではないか!という言葉は、龍馬の感情のほとばしりにすぎない。

けどこの感情を受けて、西郷は「自分から同盟を申し出る」と決断を下した。

いくら理屈を並べようとも人は動かない。最終的には感情のこもった一言で人は動くのだ。

小説で活きた知識になる

ここまでの知識は、全て歴史小説で学んだことだ。

司馬遼太郎の「龍馬がゆく」

龍馬がゆくを読んで、私にとっての薩長同盟とは、龍馬が内から湧き上がる熱意で締結した同盟となった。
単なる一問一答ではない。

そこからは自然と長州藩を調べたり、薩摩藩を調べたりと自分で勝手に興味が湧いてくる。

幕末だけでなく、戦国時代に興味も抱くようになった。
小説によって、好奇心が刺激されたのだ。

日本史が赤点で先生から怒られてたあの頃は想像もしてなかった。

学習は好きなことから始めた方が良い

日本史だけでなくて、全てのことに言えると思うのだが、
学習は自分の興味のあることから始めた方が絶対に良い。

教科書から始めるのは、やっぱり苦しいと思うのだ。

自分の場合は小説をきっかけに、歴史について勝手に自動的に調べるようになった。

興味のあることから始めると、勝手に興味が湧いてくる。

肩の力を抜いて、好きなことから始めよう。


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