『マリリン・トールド・ミー』を読んで
「友達なし、恋人なし、お金なし。上京直後にコロナ禍に見舞われた大学生・瀬戸杏奈。孤独を募らせる彼女のもとに、ある夜、伝説の大女優から電話がかかってきて――。運命突破系青春小説!」(河出書房新社HP内容紹介より)
瀬戸杏奈が遭遇した不思議な現象。それはきっかけに過ぎなかった。この作品の面白いところは不思議な現象の謎解きではなく、マリリン・モンローについて知っていく大切な学生生活を描いているところ。コロナ禍で一番身動きできなかった学年、だからこそ何かが見えてきて考えて進んでい