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清潔とも言えない思い込みの清潔観念 : essay



「温泉、気持ち悪いよね。」


え?

…と、思ったのだけれど、
もう一人も、

「私も温泉、好きじゃありません。」

…と言う。


「だって、どこの誰が入った温泉か分からないんだよ。」

「でも、出る時ちゃんと洗えばいいんじゃない?」
と、きくと、

「洗っても、その後も裸足だし、脱衣所が一番気持ち悪い。」
と言う。

細菌数を考えると、確かに温泉も銭湯も、自分が保有していない菌が沢山いるだろう。

だけど、

ふと浮かんだのは、自分の事を『無菌状態』で生きていると思ってるのでは?
と言う事だ。
残念だけど、生き物は細菌バリアをまとって生きている。

インド人の細菌保有数の絶対数は日本人の細菌保有数を遥かに上回る。
日本人より強い細菌バリアを持っていると言える。
なので日本人より多少の菌で病気を発症したりしない。
勿論、サルモネラ菌とかボツリヌス菌とか毒性の強い病原菌は別として、様々な菌が体を守っていてくれている。
しかも、遺伝子の中にはウィルスのDNAが組み込まれていたりするのだから、人体はウィルスを取り込んで変化したとも言えるわけだ。

もっと簡単に想像を巡らせれば、温泉に入って、何かしらの病気になった事もないし、水虫が移った事もない。

でも、何かしらに感染する確率はゼロではないだろうけど…?
免疫力低下でもしていなければ、心配いらないはず。
むしろ、心配するから感染を呼ぶ気もしてしまう。


また、ある日は…。

コンビニのお弁当や、お店で買ったお惣菜は「気持ち悪くない」けど、家で作ったご飯は「気持ち悪い」と言う。

周囲には、結構、こう言う人達がいる。

やっぱり、『細菌』を気にしているの様だ。


いつからこんな『菌に対してのキレイ好き』になったのかを考えると、テレビの影響だとしか思えない。

某タレントの異常な潔癖症を、始めは、
「マジで〜。」
と言う反応をしていたのに、いつの間にか、某タレントの潔癖症が正常レベルに変化した気がする。
しかも、
「それ本当に清潔?」
と言う、根拠の薄い清潔観念。

テレビって、怖いですね。
あっという間に、正常レベルを変えてしまう。
「これが標準です」
と、基準を簡単に作り出す。

人間の体は無菌状態では生きていない。
常在菌と共に生きている。
常在菌と共存していなかったら、あっという間に感染してしまう。

清潔にするために、消臭剤や除菌スプレーを使うのが当たり前になっているけれど、私は逆に消臭剤や除菌スプレーを多用されると鼻炎を起こしてしまう。
もしかしたら、アレルギーと思っている人も消臭剤や除菌スプレーで炎症を引き起こしている事もあるのでは?と、思われる。

コンビニ弁当やお店のお惣菜が安心と思う人もいるかもしれないが、多少の菌で下痢するより、添加物で細胞を見えない形で傷つける方が怖くないだろうか?

それも、それぞれの人の価値観だから、何か良くて、何が悪いとは言えない。
それぞれの価値基準はそれぞれでつくるのだから、清潔観念も賛否両論あるだろう。
みんな自分の価値観で生きていい。
ただ、テレビとかのメディアで価値観を決められているのだとしたら?
清潔観念の潮目が、あの時期だなぁと思えるのですよね。


テレビで、アリンコがアップになって、ジッと見ていたら、一見、メタリックに見えるアリンコのボディには、砂が沢山付いていた。
それでもアリンコはとても元気そうだった。



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