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vol.1【ゲーム】映画好きにプレイして欲しいバイオハザード7

・購入


東京に来て仕事を始めてから一年が経過し、こっちには気軽に遊べる友達もおらず、仕事を取れるようなカメラを買う資金もなく、ところで手に入れた暁に希望があるのかないのかとか何とかブツブツ言いながら銀行口座を眺め、週末は部屋に篭り憂鬱と焦燥だけを育て、同居人に八つ当たりし、やがてそんな生活にも疲弊し始めた今日この頃。

こんな時、かつては映画鑑賞がクスリとして機能していたのですが、画面の中で人間が演技をしている光景が急に阿保らしく思え、映画もスッカリ観なくなりました。

こんなものは時の病で、しばらく休めば気が晴れるのだと、何とか仕事と同居人との生活はギリギリのところでやり過ごして現在に至るわけですが、それでも週末に住まう焦燥を殺せず、その時の病の原因がまた時に起因して発症している為、もうどうしようもないわけです。

この期に及んで唯一出来ることは、現実逃避であり、その中で最も手っ取り早く金のかからないものがゲームです。

そんなわけで先週の週末、元映画好きの男が一匹、海外のゲームではないこと(外国に金をバラまくのが気に食わないから。)そしてハッピーな気持ちにさせるゲームではないこと(気に食わないから)更に容姿端麗な主人公じゃないこと(気に食わないから)を条件にSteamのセール中タイトルを眺めていたのですが、ドラクエ、FF、モンハンと聞いたことのあるタイトルの中、一際不快な雰囲気を醸し出すサムネイルのゲームが一本。

そうそれこそバイオハザード7。

(しかもほぼオリジナルストーリーの為、前作未プレイでも問題なし。)

てなわけでバイオハザード7を購入し、早速プレイ。

・ストーリー

物語は、イーサン・ウィンターズ(主人公)が3年前に失踪した妻のミアからビデオメッセージが届くところから始まります。

妻のミア・ウィンターズ
只事じゃない様子。

イーサンはこのビデオを頼りにミアを探しにルイジアナへ向かい、如何にもなボロ屋敷に辿り着く。

ベイカー邸

で屋敷の中で探していた妻を発見するのだが、

ミアは3年会わない内に、心身共に目も当てられぬサイコパスメンヘラに豹変している。

でどうやらミアがこうなってしまった理由はこのボロ屋敷に住むベイカー一家にあるっぽいので、真相を暴く為、屋敷にある様々な仕掛を解きながらベイカー一家をブチのめすみたいなのがざっくりとしたストーリーです。

ベイカージジイ、ベイカーババア、ベイカージュニア

・開始から20時間後にクリア

素晴らしかった...

バイオハザード7最高!

ゲームというコンテンツが持つ可能性の大きを感じました。そもそもゲームは、プレイヤーが空間を自由に移動することが出来き、プレイヤーの好きなタイミングでストーリーを進めたり止めたり出来る為、空間と時間において映画や音楽、演劇などをはじめとした時間芸術より自由な表現が出来るんです。しかし、ゲームは爽快感や達成感に重きを置いて進化してきた為、時間芸術と呼べるようなゲームってそんなになかったと思います。空間を探索することで進んでいくストーリーはゲームということを忘れてしまうほど自然。屋敷内にある様々な家具や道具、小物ひとつにおいてもすべてに時間の積み重ねやこの空間に存在する意味を想像させる作り込みはまさにスクリーンの中を自由に歩ける映画。

・この痛みこそが他人と繋がる最大の手段。

こちとら他人様のそれもフィクションの中の人物に感情移入する余裕なんてない訳で、序盤こそ仕掛けをクリアした時の達成感とホラー演出の恐怖を楽しんでプレイしていました。しかし、刺されたり切られたり焼かれたり、とにかく理不尽に痛めつけられる主人公のゴア表現を擬似体験していく中で、少しづつ主人公の行動や感情に自然と没頭し、やがて心底イーサンという男を好きになり、出来るだけダメージを受けないプレイをしている自分がいるんです。これは何なんだろうかと考えていたのですが、この演出、痛みという要素が痛みを持たないゾンビとの対比構造になっていてそれが上手く物語と噛み合っているんです....凄いに尽きる。また豹変したミアやベイカー一家はなんとなくの喜怒哀楽は持っているけど、痛みは感じない設定になっていて、故にイーサンを容赦なく傷つけることが出来るようにも見えるわけです。喜怒哀楽は持たずともほとんどの哺乳類が痛みというものを知っているように、他者の痛みを想像するということこそ他者と繋がる最大の手段なのかもしれません。そんなことを思ったり。

・まとめ

このゲーム、普段ゲームをあまりしないような方にこそプレイしてみて欲しいです。
(随分前に発売されたタイトルなのでDL版もよくセールが来ていて、中古版ならもっと手軽な値段で手に入れられます。)

ではまた。

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