京ゆば 湯波吉

江戸時代創業 寛政二年(1790) 京の台所、錦市場に店を構え、ゆば一筋で商いをしてお…

京ゆば 湯波吉

江戸時代創業 寛政二年(1790) 京の台所、錦市場に店を構え、ゆば一筋で商いをしております。「御料理屋様への卸」を生業とし、長く御愛用戴いております。錦市場では唯一のゆばの製造販売店。厳選された国産大豆と、京の地下水だけを使い、昔ながらの手技で京ゆばをご提供しております。

最近の記事

菖蒲

5月のお稽古場のお軸、「菖蒲売り」です。 5月は爽やかな五月晴れの季節ですが、気候が不順で病気や災厄が増える季節でもあります。 強い香りが邪気を祓うと考えられる菖蒲を使って、葉を軒下に吊るしたり、「菖蒲湯」に使ったりと江戸時代には庶民にとって身近な花だったようです。 この時期、各神社でお祭りが開催されお神輿が担がれるのも、そういった意味があるのですね。 花はソケイ、バラ、デルフィニウムです。ソケイとバラの黄色がデルフィニウムの青ととてもマッチして爽やかな色合いです。久しぶり

    • 葵祭

      5月の初め頃から道端でよく見かけるオレンジ色の可愛い花。とても可愛いので種が出来たら欲しいなぁ~、なんて思っていたんですが、先日ニュースでこの花のことが話題になっていました。 この花はナガミヒナゲシというヨーロッパ原産の外来植物で、茎を折るとアルカロイド性の毒性の黄色い汁が出るそうです。皮膚に付着するとかぶれたりするので、自治体でも注意喚起がされはじめています。 友人達との楽しいアレンジのお花の会は、青と赤と白のコラボレーション。白いノーブル(ユリ)、スプレーバラ。。青い

      • 二花十七葉

        母が育てている、さやえんどう。次から次へと実がなり、毎日の食卓にのぼります。母は季節に合わせて様々な野菜や花を育てており、そのお世話が母の健康法のひとつのように思います。これからの季節はトマトとおくらだそうです。 お稽古花は、二花十七葉のかきつばたです。京都では上賀茂の大田神社が有名です。 水辺に咲く濃紫色の花の汁で、衣を染めたことから、「書き付け花」(かきつけばな)と言われ、転じてカキツバタになったと言われています。

        • 八十八夜

          立春から数えて八十八日目の夜、八十八夜を迎えるこの季節は、農家では種をまく時節とされます。 植物や穀物を潤す春の雨に、庭の草木の緑もみるみるうちに美しく育ってきました。 我が家のヒメウツギやモッコウバラもあっという間に満開となりました。 お稽古の格花はシャクヤクです。つぼみでいけたのですが、ここ数日の暑さで、こちらもあっという間に満開になりました。

          SAKURA

          春本番とはいえ、時折吹く北風にもめげず我が家のチューリップが満開です。チューリップはトルコ原産と言われており、現在はオランダがその生産で有名ですが、数えられないほどの品種が世界中の国々で育てられています。 花器の花は、カンパニュラ、デルフィニウム、スプレー菊三種の洋花の「寄せいけ」です。

          糸桜

          春のお彼岸を過ぎました。暖冬と言われながらもここ数日雨も多く寒い日が続きました。久しぶりに晴れた御所は多くの観光客がいらしていました。 旧近衛邸址の「糸桜」は御苑の桜の中でも早く咲き始めます。まだまだ満開とはいきませんが可憐な花が見事です。 花器の花は桃、フリージア、チューリップです。チューリップも色々な種類がありますが、こちらはユリ咲きのチューリップです。

          蓬莱山

          啓蟄を迎えこのまま暖かくなるかと思いましたが、まだまだ寒い日もあります。写真は先日降った雪で雪景色となった蓬莱山です。 それでも我が家の庭にも少しずつ春の花が咲き始めています。 格花はチューリップです。花の顔の向きが変わるので難しいですが、春らしくて可愛い格花となりました。

          月光/日光

          茶席の花として欠かせないのが椿です。今日の茶席の椿は「月光」(がっこう)、別名「卜伴」(ぼくはん)です。濃い紅色の一重咲きに白い唐子咲きの花芯が特徴です。唐子咲きとは、花芯のおしべやめしべが花びらのように変化したものだそうです。 「月光」に対して「日光」(じっこう)という椿もあると聞いた帰り道に、偶然「日光」を見つけました。「日光」は、紅色の一重咲きに紅い唐子咲きで、「紅卜伴」「紅唐子」とも言われます。

          擬雪

          先日お茶室に生けられていた「擬雪」という名前の椿。「花色の白さは格別で雪にもまがうさま」ということで名付けられたという椿の一種です。 写真は下鴨神社の「擬雪」です。まだまだ寒いので咲いている花が少なく、蕾がいっぱいついていました。満開が楽しみです。 花は、コデマリ、オクロレウカ、カーネーション、スイトピー、デンファレです。鮮やかな色合わせをどのように配置するかが難しかったです。

          柊鰯

          我が家では節分に鰯を焼いて食べます。その後その鰯の頭を柊の葉に刺した「柊鰯」を玄関先に飾ります。 「柊鰯」は、鬼が嫌いな尖ったトゲのある柊の葉に、鬼が嫌がる臭いの鰯を組み合わせて玄関先に飾ることで、鬼が家に入って来ないようにという、鬼除けという意味があるそうです。 毎年半紙に包んで玄関先に飾るのですが、いつの間にか鰯の頭がなくなってます。猫でしょうか?

          水仙

          本日のお茶のお稽古のお菓子は「雪中花」。水仙をあしらったお菓子です。 1年で一番寒いとされる大寒のこの時期、雪の中に凛と咲く水仙を表す「雪中花」。日本には本当に綺麗な言い方があるのですね。 花は水仙とアマリリスの格花です。 格花に生ける花は季節に限られるものが多く、1年に1度か2度しかお稽古しない花材もあります。久しぶりにする花材を前に「いつからしてないかなぁ~」「したことあるかしら」なんて冗談がお稽古場に飛び交います。

          小正月

          1月も半ば、松の内も過ぎました。 初戎には昨年いただいた福笹を納め、新しい鯛や俵、小判などの吉兆を付けた福笹をいただいてきました。 右手に釣竿、左手に鯛を持つ恵比寿様は、七福神の一人で商売繁盛、漁業の神様です。七福神の中では唯一の日本古来の神様だそうです。 新年最初のお稽古の花は、ユキヤナギ、バラ、アリストロメリア、菜の花です。 早春を感じる取り合わせです。

          七草粥

          2024年、新しい年を迎え早一週間、七草粥をいただく日になりました。 本年もどうぞ宜しくお願いいたします。 お正月の花は、シンピジウム、千両、ポンポン菊、葉ボタン(フェザー)です。 葉ボタンも色々な種類があり、まるで花が咲いているようにもみえます。

          伊藤若冲

          錦市場の高倉通り入り口のタペストリーが12年ぶりに新調されました。京都府立大学の中野仁人教授の研究室が、江戸時代の絵師伊藤若冲の絵を参考にデザイン制作されました。 お正月のお買い物に錦市場に来られましたら、是非ご覧くださいませ。 クリスマスが近づき、あちらこちらのクリスマスのイルミネーションが綺麗です。 花は、サツマスギ・黄金ヒバ・ブルーアイス・ユーカリ・エリンジューム・コットンフラワー・シンフォニーア・松ぼっくりです。

          市川團十郎

          京の年中行事の一つ、「吉例顔見世興行」が12月1日~24日まで南座で行われています。 今年は十三代目市川團十郎白猿の襲名披露、新之助の初舞台もあり、いつもにも増して賑やかな興行です。 勘亭流で書かれたまねきですが、市川團十郎と新之助のお二人の名前が同時に上がるのは、南座史上初めてのことだそうです。 現代アートの作家村上隆氏の「祝幕」もとても楽しげで素敵です。 花はクリスマスをイメージした花で、紅つる、さつま杉、ヒペリカム、バーゼリア、カーネーションです。

          聴雨寒更尽

          日の暮れがとても早くなり、日が傾いたかと思うと、すぐに暮れてしまいます。 今年は暑い日々が続いたこともあり、紅葉が遅いように思います。それでも小春日和の青空の下、イチョウの黄色がとても綺麗です。 花はアカボウ、ヒペリカムの白、クジャク草、糸菊です。 糸菊とは別名「管菊」とも言われ、花びらが管状になり糸のように細く広がっている菊の一種です。パッと放射線状に開いた姿は、花火のようでとても華やかです。