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10月 俺的化学業界ニュースまとめ+関係特許の調査

10月の化学業界ニュースで印象に残ったものをまとめていきます。+して、月に気になったニュースに関する特許を限定して3つ見て、コメントしていきます(月末更新予定)。


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10/11

10/12

NTT

NTT先端集積デバイス研究所は、安心、安全で心豊かな持続可能な社会を目指して、競争力とコラボレーションの源泉となる先端技術(尖った技術)の創出を「型」にはまらない自由な発想のもと推進し、社会課題解決や未来創造に向けた価値を提供することをミッションに掲げ、研究開発を推進しています。
引用:https://www.rd.ntt/dtl/

関連特許


Google patentで検索。

「岡本敏宏 東京大学 環境負荷」

概要

優れたキャリア移動度をもつ新規なカルコゲン含有有機半導体化合物を提供する。下記式(1a)又は式(1b)で表される化合物。 [化1](式(1a)及び式(1b)中、XはS、O又はSeを示し、R1はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ピリジル基、フリル基、チエニル基又はチアゾリル基を示す。)

背景

カルコゲン含有有機化合物、有機半導体材料、有機半導体膜、及び有機電界効果トランジスタ
 本発明はカルコゲン含有有機化合物に関する。また、本発明は有機半導体材料、有機半導体膜及び有機電界効果トランジスタに関する。
 有機半導体は、これまでシリコンなどの無機半導体に比べて電気的特性が劣っていたが、最近では優れた電気的特性を有する材料も開発されつつあり、結晶状態やキャリア移動度などに関する研究が進んでいる。有機半導体の塗布技術は、無機半導体で従来用いられている真空技術と比較して、低コスト、低環境負荷及び大面積化が可能であるという利点を有する。また、室温近傍での製造が可能であるため、プラスチック基板への印刷技術による成膜も可能である。そのため、有機半導体はポストシリコン半導体として次世代型の電子デバイスへの応用が期待されている。



請求項1

下記一般式(2)で表される化合物を半導体活性層に含む有機トランジスタ;
一般式(2)
前記一般式(2)中、R11およびR12はそれぞれ独立に置換基を有していてもよい総炭素数3〜13の、アルケニル基、アルキニル基またはアルコキシ基である、あるいは、
前記一般式(2)で表される化合物が下記条件A、条件B、条件Cまたは条件Dを満たし、
前記一般式(2)中の芳香族部分にハロゲン原子が置換してもよい;
条件A:前記一般式(2)中、R 11 およびR 12 はそれぞれ独立に総炭素数3〜30であり、かつ、
炭素数8〜10であり炭素数が偶数の無置換の直鎖アルキル基、
炭素数3〜15であり炭素数が奇数の無置換の直鎖アルキル基、
炭素数3〜15の置換の直鎖アルキル基または
炭素数3〜18の置換もしくは無置換の分岐アルキル基
を表す;
条件B:前記一般式(2)中、R 11 およびR 12 はそれぞれ独立に総炭素数2〜30であり、かつ、炭素数が2〜4であり炭素数が偶数の無置換の直鎖アルキル基を表す;
条件C:前記一般式(2)中、
R 11 およびR 12 はそれぞれ独立に総炭素数3〜30であり、かつ、
炭素数1または2の置換のアルキル基である;
条件D:前記一般式(2)中、R 11 およびR 12 はそれぞれ独立に総炭素数3〜30であり、かつ、R 11 およびR 12 は互いに異なる構造である;
ただし、R 11 およびR 12 が表すアルキル基、アルケニル基、アルキニル基またはアルコキシ基がさらに置換基を有する場合、この置換基はハロゲン原子、アリール基、アルコキシ基、アシルオキシ基またはアルキルオキシカルボニル基である。

背景

本発明の非発光性有機半導体デバイス用塗布液の第1の態様では、これらの溶媒の中でも沸点100℃以上の溶媒を用いる。本発明の非発光性有機半導体デバイス用塗布液の第1の態様は、沸点100℃以上の溶媒を含むことで、膜質が良好な点と面積の大きな結晶を得ることができるという利点があり、本発明の有機半導体膜の製造方法に好適に用いられる。
また、本発明の非発光性有機半導体デバイス用塗布液の第2の態様でも、沸点100℃以上の溶媒を用いることが同様の観点から好ましい。
これらの観点からは沸点100℃以上の溶媒が、沸点150℃以上であることがより好ましく、沸点175℃以上であることがさらに好ましく、沸点200℃以上であることが特に好ましい。
また、沸点100℃以上の溶媒が非ハロゲン系溶媒であることが環境負荷や人への毒性の観点から特に好ましい。

記事内では、

今回の研究では、主に回路と電池で構成される低環境負荷センサ・デバイスの実現を目指すにあたり、回収・分別・廃棄の問題に対応するとしたら、どのような材料を低環境負荷な材料として選定することが望ましいかを、廃棄物に関連する有識者にヒアリング。その結果を踏まえ、以下の2点を低環境負荷な材料を選定する際の考え方として開発を行ったという。

1.資源性を考慮し、貴金属を使用しないこと
2.有害性を考慮し、原則、環境経由で人間や動植物に影響を与える恐れのある化学物質群を使用しないこと

具体的には、この2点を考慮した上で、回路および電池を構成する材料(元素)として、水素、炭素、窒素、酸素、マグネシウム、アルミニウム、硫黄の7種類が選定され、これらを用いた低環境負荷回路・低環境負荷電池が作製された。

と記載されている。

SDGsは研究にも広がっている。今後も、研究&サステナブルに注目する必要がある。


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JSR vs Lam Researchの法的情報

(twitterのフォロワーさんに訴訟情報のデータベースを教えていただきました。)
ちなみに、こちらも使えるそうです。
https://insight.rpxcorp.com

提出書類の記載があった。

スクリーンショット 2022-10-29 16.43.34


これによると、

Number(s) :U.S. 10,732,505 ;U.S. 9,823,564 ;U.S. 9,310,684. 

が侵害特許だろう。

概要
有機金属前駆体は、金属酸化物水酸化物化学に基づく高解像度リソグラフィパターニングコーティングの形成について記載されています。前駆体組成物は一般に、適度な条件下で水蒸気または他のOH源組成物によって容易に加水分解可能な配位子を含む。有機金属前駆体は一般に、スズに対する放射線感受性有機配位子を含み、比較的低い放射線量での高解像度パターニングに効果的であり、EUV パターニングに特に有用なコーティングをもたらすことができます。前駆体組成物は、商業的に適切な条件下で容易に加工可能である。その場での加水分解による液相処理または気相堆積を使用して、コーティングを形成することができます。

概要
安定化された前駆体溶液を使用して、放射線無機コーティング材料を形成することができます。前駆体溶液は、一般に、金属亜酸化物カチオン、過酸化物ベースの配位子、および多原子アニオンを含む。前駆体溶液の高レベルの安定性を達成するために、前駆体溶液の設計を行うことができる。得られたコーティング材料は、紫外線、X線放射、または電子ビーム放射などの選択された放射でパターン化するように設計できます。放射線パターン化コーティング材料は、材料特性に関して高いコントラストを有することができるため、潜像の現像により、線幅の粗さが非常に小さい線と、ピッチが非常に小さい隣接構造をうまく形成することができる。

概要
有機金属ソリューションは、薄いコーティングを使用して高解像度の放射線ベースのパターニングを提供することがわかっています。パターニングは、コーティングされた表面を選択されたパターンで照射し、パターンを現像剤で現像して現像画像を形成することを含むことができる。パターン化可能なコーティングは、有機現像剤または水性の酸または塩基現像剤の使用に基づいて、ポジ型パターン化またはネガ型パターン化の影響を受けやすい可能性がある。放射線感受性コーティングは、有機配位子を有する金属オキソ/ヒドロキソネットワークを含むことができる。前駆体溶液は、有機液体と、金属炭素結合および/または金属カルボキシレート結合を有する有機配位子を有する金属多核オキソヒドロキソカチオンとを含むことができる。

記事の通りリソグラフィの特許であった。

半導体材料に関わる内容なので、注意深く観察したい。

10/20


AVEO PHARMACEUTICALS INC

アベオ・ファーマシューティカルズ(AVEO Pharmaceuticals, Inc.)は癌を治療する会社であり、癌治療法の発見・開発・商業化を中心とする。【事業内容】同社のHuman Responseプラットホームはヒト癌の前臨床モデルを構築する方法であり、同社に癌生物学の洞察を提供し、発見とその癌治療薬の臨床開発で活用されている。平成23年、同社とAstellas Pharma Inc. (Astellas)が提携し、主要製品候補Tivozanibを提供した。Tivozanibはオフターゲット毒性を最小限に抑えながら、血管内皮増殖因子(VEGF)封鎖を最適化するように設計されたすべての3つのVEGF受容体の阻害剤である。平成24年1月、同社は腎細胞癌(RCC)の第一治療法であるグローバルのtivozanib第III相臨床試験のデータ(TIVO-1試験と呼ばれる)を公表した。
引用:ロイター https://jp.reuters.com/companies/AVEO.O

がん治療薬を開発製造する会社のようである。
ラインナップは、下図の通り

画像2

(AVEO PHARMACEUTICALS INC のHPより)

今回はどのような特許をもっているか確認した。

AVEO PHARMACEUTICALS INCの特許について

今回はLENSで俯瞰分析を行った。

結果は、下記リンクのダッシュボード
https://link.lens.org/Ltn34GkUqpf

IPCランキング第1~3位は以下の通り、
①A61K 39/395 ・ 抗体(凝集素A61K38/36);免疫グロブリン;免疫血清,例.抗リンパ球血清[3]
②A61K 35/00 構造未知の物質またはその反応生成物を含有する医薬品製剤
③C07K 16/22 ・・ 成長因子に対するもの[6]

抗がん剤ポートフォリオなのがしっかりわかる。

また、記事に上がっていた治療薬「Fotivda (チボザニブ:Tivozanib) 」の特許も確認した。
https://patentimages.storage.googleapis.com/f5/34/e4/c6f683a5d66ddb/WO2020097106A1.pdf

LG化学は今回の買収を通じ、短期間に米国内の抗がん商業化力量を確保することがしっかりできればいいが、、どうなるだろうか?


過去にも投資を行った製薬事業。LG化学の未来構想は如何に?

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