天気雨の日に、思い出す大切な人
17歳の天気雨の日、私の世界は静かに崩れ落ちた。
大好きなママを失った。
親戚の手による悪意だった。
怒りと悲しみと苦しみと。
誹謗中傷が、世間の目が、現実が怖くて、
私はネットの世界に逃げ込んだ。
スマホのアプリで、寂しさを紛らわせてくれる人を探して、そこで彼に出会った。
彼は私の話に耳を傾け、理解してくれているように見えた。
でも、その関係は健全じゃなかった。
彼に依存して、求められて、身体を重ねる度に、また自分を見失ってしまった。
虚しいメッセージの交換、期待と失望の繰り返し。
ネットの海は深くて暗い。
「もうダメかもしれない」と思ったことが何度もあった。
でも、家族と友達が私を支えてくれた。
私を諦めないでいてくれた。
だからまた立ち上がれた。
今、私は看護師を目指している。
弱っている人たちに寄り添い、痛みを少しでも和らげたい。
私が経験したことが、誰かの力になればいい。
それが私の願い。
「大丈夫、あなたは一人じゃない」と言える人になりたい。
だって、あの時私も、そう言われたかったから。
そして今、私は知っている。
苦しみの中にも、希望はある。
涙の後には、必ず何かが待っている。
それが何かはわからないけれど、探し続ける価値はあるんだって。
それが、天気雨の日に失ったものを乗り越えて、私が見つけた答えだ。
ママ、今日もいい天気だね。
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