なんとかなるさ12 未来の種蒔(3)~as a sower~笑顔はみんなおなんじ
この夏、私は欧米のインクルーシブ教育について学ぶ機会を得た。欧米の多くの国は、障がい児者の排除→分離教育→統合教育→インクルーシブ教育という経緯をたどってきている。
半世紀遅れではあるが、日本もいよいよインクルーシブ教育へと舵を切る時期なのだと思う。大きく舵を切るというよりは、少しずつ、少しずつ。長い時間をかけて。
とある資料によると、(日本の)小学校35人学級の中に、特異な才能のある子0.8人(2.3%)、発達障がいの可能性がある子2.7人(7.7%)、不登校の子0.4人(1.0%)、不登校傾向のある子4.1人(11.8%)、学力の低い傾向の見られる子10.4人(29.8%)、日本語が第一言語ではない子1.0人(2.9%)が在籍しているという。
日本で半世紀近く、実践を積み重ねてきた特別支援教育の「一人ひとりの子どもに合わせる」という視点を通常の学級にも取り入れていく必要がある。細かく言えば
と、いうふうに、少しずつ、少しずつ舵を切っていく必要がある。
少しずつ、少しずつ、舵を切っていく中で、丁寧に考えていかなければいけないことがある。私はなるべく「何々障がい」と分類するような言葉は使いたくないのだが(ここではごめんなさい)
〇重度の知的障がいを併せ有する子どもたち
〇生命にかかわる重篤な障がいや病気の子どもたち
〇強度行動障がいの子どもたち
については「みんなと同じ場」であったり、「やはり特別な学校・学級が必要」であったり、欧米でもいろいろ見解がわかれているようである。この部分について、もう少し丁寧な情報がほしい。
話を戻そう。
私は、「日本中の子どもたちを笑顔にした絵本作家かがくいひろしの世界展」に行ってきた。
かがくいさんは、養護学校義務制が始まった頃に教員生活をスタートさせ、28年間、知的障がいや重度重複障がいのお子さんたちと向き合ってきた。
目の前にいる子どもたちを笑顔にしたい。
その思いが「だるまさん」シリーズなど珠玉の作品を生み出したことを知った。
そして、かがくいさんは、知的障がいの姉がいるきょうだいでもあった。
人の内面もまたカラフルなのだ。
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