見出し画像

なんとかなるさ15連関性と縦割り•✼•イタリア・ボローニャ滞在記第❺回の所感•✼

陽気な国イタリアの長い夏休み!

まず、文化の違いに驚く。イタリアの子どもたちは、夏休みが約3か月もあるのだ。イタリア人は個性的で陽気な国民性で、日本人はまじめな国民性だとよく言われるが、思わず納得する。

イタリアでも共働きの家庭も多いが、家族のつながりも大事にしていて、夏休みがはじまってスグ、年金暮らしの祖父母の家に行って、おじいちゃん、おばあちゃんと楽しい夏の思い出をつくってくる家庭も多いようだ。
そして「Centro Estivo(サマーセンター)」は、学校や教会や施設などがそれぞれに開催していて、浜辺にある施設やイングリッシュスクール、林間学校のような団体、ボーイスカウトなど、多種多様で、代金を支払って好きなメニューを選べるという。
スポーツ施設が運営する「Centro Estivo(サマーセンター)」では、朝から16時までプール、テニス、半屋内テニス、サッカー、バレー、バスケなどのスポーツ漬け!
音楽施設が運営する「Centro Estivo(サマーセンター)」では、美術、演劇、芸術的創作のアクティビティに取り組める。古代ローマから伝わる歴史と伝統が息づく街で、歴史遺産や美術作品を見学しながら学べるとは、うらやましい話だ。
農場が運営する「Centro Estivo(サマーセンター)」では、サマーキャンプで大自然の中で動物に触れあいながら過ごすというメニューも!このサマーキャンプは、泊りもあれば、1日単位で申し込みができるため、朝に子どもを預けて、夕方迎えに行くスタイルも多いようだ。

このように、「Centro Estivo(サマーセンター)」は様々な団体によって運営されている。大内氏は「そのなかの代表的な機関」として「Cooperativa sociale(社会的協同組合)」を記事内で紹介している。

イタリアの「社会的協同組合」

くわしくは、映画「むかしMattoの町があった」
「人生ここにあり!」を見てみてね

大内氏が3日間参加させてもらったサマーセンターを運営していた社会的協同組合は下記のふたつとのこと。
「La ciliegia(ラ チリエジャ)」
「AISS(アイス)」(HPに飛ぶと、日本語翻訳で見ることができる)

地域の友だちと一緒に過ごすイタリアの夏休み

地域社会に開かれているイタリア

大内氏は「(イタリアの)サマースクールに参加して得られた何よりの収穫は、OEPACと呼ばれる支援員の活動を通じて、学校社会と地域社会とのつながり、あるいは『学校の生活』、『地域の生活』、『家庭の生活』のあいだに貫かれている支援活動の連続性や連関性を確認できたことである。」と記事をとおして報告している。
「障害のある子どもたちのことを学校での様子も地域社会での様子もあわせて熟知している」支援者がいるというのは、子どもにとっても家族にとっても大変心強いことだと感じた。

縦割り行政のニッポン

日本では、かつて養護学校(特別支援学校)の長期休みをどう過ごすか、保護者の方たちがとても困っていた時代があった。そんな保護者の方たちの運動の積み重ねにより、放課後等デイサービス事業所が誕生した。そして今、特別支援学校の子どもたちの多くは、地元の放課後等デイサービス事業所に通う。デイの夏祭り、デイの花火大会など、子どもたちが楽しく過ごせるようなイベントも企画してくださっている。

♡♡♡有難うございます♡♡♡
♡♡♡本当に感謝しています♡♡♡

一見、保護者の方を仲立ちとしてバランスがとれているように見える特別支援学校と放課後等デイサービス事業所ではあるが、子どもたちの夏休みの過ごし方について、特別支援学校と放課後等デイサービス事業所同士が連携協力しているわけでもない。学校は学校で、事業所は事業所で、保護者の方たちのニーズに応えて、それぞれの活動内容を充実させてきているだけである。なぜなら、学校は文部科学省管轄であり、放課後等デイサービス事業所は厚生労働省管轄であるからだ。
この日本の制度は、もうひとつの「わけられている(縦割り)」状況であるといえる。
特別支援教育における個別教育支援計画及び個別指導計画、福祉サービス事業所の個別支援計画は縦割りで別々に作られており、それがゆくゆくはインクルーシブ教育を進める上で解消しなければならない大きな課題となってくると、痛感した回でもある。

ただ、日本国内でも、それらの課題に気付き始め、最近増えているのが「インクルーシブ公園」だ。インクルーシブ公園の存在をとおして、少しずつ少しずつ私たちのこれまでの認識を変えていけたらと願う。


人はカラフルなのだ。
人の内面もまたカラフルなのだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?