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不調の四重奏から気付いた「器」の話

こんにちはユウホです。

先日職場に訪れた欧米圏からのお客さん。
60代くらいの母親と40代くらいの娘の2人組。

注文し終わってお会計の時に
母親が代金を私に差し出す。

「ありがとうmommy😃」
と言う娘に対して、
「いいのよ。これが私の喜びよ😎」
とサラリと返す母親。


目の前で繰り広げられた光景を見ながら、
相手に対してただ素直に感謝して受け取る
という行為も「与える」という
相手を喜ばせる行為なのだなと改めて思った。


日本人はただでさえ遠慮の文化があるし、
これまでの私は特に素直に甘える・頼る
ということに苦手意識と抵抗感があった。


迷惑かけたくない!
皆の足を引っ張りたくない!
だって私なんかのために貴重な時間や
手をわずらわせるなんて恐れ多いから…


だからこそ、
相手に何か気にかけてもらった時は特に
「大丈夫」「全然平気」
といった言葉を口癖レベルでいつも使っていた。


仕事の時も
恋愛の時も

相手の顔色が曇ることがとにかく怖くて
内心めちゃくちゃ助けて欲しい時も、
NOを言わずに気合いと根性で乗り切ることを選択していた。


こんな自分をそろそろ見直したいなぁ
なんて思っていた矢先、
よりによって職場が1年で最も忙しい時に
日頃の疲れが出たのか体調を崩してしまった。

出勤した頃は平気だったのに
夕方頃に徐々に発熱と倦怠感で
立っているのも辛くなった。


普段よく喋る私が珍しく静かなものだから
店長さんや同僚が異変に気付いてくれて、
「あとは他の皆に任せて!
なんなら明日も休みで大丈夫だから!」
と。

優しい…



その日はまだまだ仕事が残っていて
人数が少ない職場なので1人が欠けると
その分負担は他の人が背負うことになる。

しかも目が回りそうに忙しい繁忙期真っ只中…


あまりの申し訳なさに
押しつぶされそうな私の心。



とはいえ倦怠感が増していく身体は
もはや気合いでどうこう出来るレベルではない。
店長さんと同僚に精一杯の感謝の意を伝えて、
恐る恐る早退&翌日休みをいただくことにした。


重なる時は重なるもので
その日の夜たまたま友達とも約束があり、
申し訳なさにつぶれそうな心を奮い立たせて
日程変更をお願いさせてもらったら
「体調が第一だから全然気にしないで!」
と。

優しい…



ふらふらになって帰宅して
布団に潜り込む頃にはさらに熱が上がり、
咳や鼻水といった風邪のオプションが
時間の経過とともに増えていった。



皆の優しさでいただいた治癒時間。
温かい気持ちを感じながら、
他のことは何も考えずとにかく寝た。


頭には冷えピタを
お腹には湯たんぽ
そんな謎の状態で寝ていたら、
ふと腹部に違和感を感じる。



なんとなくビッグウェーブの予兆を感じ
重い体を引きずってトイレに駆け込む。




鼻水
腹痛←New‼︎


体調不良の四重奏である



原因はポカリのがぶ飲みか…?
と碇ゲンドウのような顔で思案しながら
(風邪の時に飲むポカリって謎に美味しいよね)
結局その後布団とトイレを3往復した。

魔の四重奏はさすがの私も
走馬灯がよぎりそうになったが、
色んな意味で落ち着いたのもあってふと考えた。



かつての自分なら「大丈夫ですから」
きっと早退せずに死にそうな顔で無理してた。

そして翌日も「半日くらいなら働けます!」
と気合いで出勤していたと思う。

もしくは謝り倒して罪悪感を胸いっぱい抱えて
帰宅後も申し訳なさでずーっと悶々としているか。

しかしながら今回は、
申し訳なさに震えるプロセスはあったけど
感謝して受け取るということが前よりも出来た。



どう思われるかなぁとか
この後どうリカバリーしようかなぁとか
今この瞬間以外の余計なことは何も考えず、
「ありがとう」とただただ受け取る。


世界は冷たい!
周りはみんな敵だらけ!
どうせ誰も私を助けてくれない!
そんなことを思って拗ねて、

「私は1人でも全然平気」
と生きてた日が過去にあったけど、
私が気付けてなくて
私が受取れてなかっただけで
世界はずっと優しかったのかもしれない。



誰も助けてくれないと思って
勝手に最初から諦めてた日も、
勇気出して自分から手を伸ばしてたら
もしかしたら結果は違っていたかもしれない。


私はこれまでどれほどの周りからの
優しさを取りこぼしてきたのだろう。

優しさが欲しい
愛が欲しい

自分を含めて欲しい欲しいと口では言うけど、
受け取る態勢というか受け取る「器」を
持ってない状態の人って多い気がする。


溢れんばかりの愛をどんなに与えられても、
「器」がないと注がれた瞬間からあちこちへ
溢れ落ちていってしまう。

気付けない
感じ取れない
受け取れない

ゆえにもっと欲しがる
負のスパイラルの完成である。



私の「器」もまだおちょこサイズだから、
日々ちょっとずつでいいから大きくしていきたいなと思う。


ちなみに後日、
「あの時は本当に皆の優しさに助けられました!
もし誰か不調な時は遠慮なく私に任せてくださいね!」
と差し入れを買って職場に持って行ったら、

店長さんが「その気持ちがとても嬉しい」
と泣いて喜んでくれて思わずもらい泣きした(笑)

いろんな職場で仕事してきたけど、
まさか職場で嬉し涙を流す日がくるとは思ってなかった。

本当に周りの人に恵まれている。



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