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名古屋フィルハーモニー交響楽団 クリスマス・スペシャル・コンサート

■2022年12月22日(木) 開演18:45
愛知:日本特殊陶業市民会館 フォレストホール(名古屋市民会館 大ホール)

Artist
指揮:原田慶太楼
ピアノ:角野隼斗
ファゴット:ゲオルギ・シャシコフ
ファゴット:田作幸介
ファゴット:三好彩
管弦楽:名古屋フィルハーモニー交響楽団

Program
シルヴェストリ:映画『ポーラー・エクスプレス』
ロペス&アンダーソン=ロペス:映画『アナと雪の女王』メドレー
竹内まりや[小田実結子編]:すてきなホリディ
ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー
スティーブソン:バスーン・イット・ウィル・ビー・クリスマス
チャイコフスキー・エリントン編:バレエ『くるみ割り人形』組曲(特別版)
アンダーソン:クリスマス・フェスティバル

はじめに

行ってきました、クリスマス・スペシャル・コンサート!

この日は全国的に、雨か雪の地域が多かったけど、現地の名古屋はそこだけすっぽり傘と雪だるまのマークが取れて、良い感じに。
道中、が見れて、テンション上がりました!

思わず撮影!

思えば、この時からクリスマスコンサートの魔法にかかっていたのかも……なんてね。

ホールに到着すると、前にはでっかいクリスマスツリーが!
ライトアップされてて、とっても綺麗でした。

この時期にツリーを見たら、撮っちゃうよね!

シルヴェストリ:映画『ポーラー・エクスプレス』

映画はチラ見した記憶しか残っていない、お粗末な観客だったのですが(汗)、演奏が始まった途端に涙腺が緩んで、ずっと涙目になりながら聴いていました。

音楽の力ってすごい。

胸がほわっとあったかくなって、童心が蘇ったような、心洗われる心地に。
ここから終演まで、ずっとその感覚が続きました。

原田マエストロから発せられるオーラが凄い。
あくまで私個人の感覚だけど、なんて言うか、太陽みたいな温かさのある方だな、と。

名フィルさんと呼応して生まれる音色には、胸がときめきました。

「ポーラー・エクスプレス」演奏後に、最初のトークタイムが。

下手な司会と、ちょっと下手じゃない指揮を任されました、原田慶太楼です」

掴みがバッチリすぎる!
この人、実はめちゃくちゃ面白い人なんじゃないの……?

そんな私の予感は大当たりで、この先、終演まで沢山笑わせられました(笑)

「今日初めて名フィルを聴きに来た人!」

手を挙げてと促すように、自ら手を上げながら問いかけるマエストロに、会場からたくさん手が上がる。

挙手する観客を眺めてから、マエストロはオケの方に向き直ると、
これみんな、角野さんのファンだから」
会場のあちこちから、くすくす笑いが。

そして、この後アナ雪の演奏をすることを告げて、あるキャラクターが出るので、お楽しみにとのこと。

さて、誰でしょうか?

ロペス&アンダーソン=ロペス:映画『アナと雪の女王』メドレー

演奏が始まってすぐに、指揮台で片足を踏み鳴らすマエストロ。そして、ちらりと客席に目配せ。
「みんなもやって!」アピール。
リズムに乗りながら、みんなで床を踏み鳴らす!

やばい、何か開演して間もないのに、めっちゃ楽しいぞ……!

この時、ちらっとしか見えなかったけど、マエストロの靴底、ワインレッド色に見えた気が。
お洒落さん……!(違ったら、ごめんなさい!)

そして、キャラクターが出て来ました。
わかりやすく、ソロパートを演奏される方の頭に、オラフの被り物が……!

目も耳も幸せなコンサート、最高!

演奏後に、実は他にもオラフがいたんだよ、とマエストロが紹介。
楽器の先端にミニオラフ付けてる方や、ぬいぐるみを傍に置かれている方も。

「SNSに書いて、盛り上げてね!」とのことなので、バッチリしっかりnoteに書かせて頂きます(笑)。

竹内まりや[小田実結子編]:すてきなホリディ

演奏前にマエストロが、自分は「クリスマスが大大大好き(強調)」だと言うトークが。

ハロウィンから、サンクスギビングも好き。
それが終わってから、ずっとありとあらゆるクリスマスソングを聴きまくるんだとか。

それで、自分のプレイリストをコンサートにしてしまったのが、今夜だそう。

竹内まりやさんのすてきなホリディを選んだのは、ケンタッキーフライドチキンが好きで、どうしてもプログラムに入れたかったからとのこと。

また、こんな質問も投げかけられました。
クリスマスの曲の共通点は何でしょう?」

答えは「」。
鳴らしていたら、何でもクリスマスっぽくなる」とのこと。
確かに!(笑)

そして、演奏が。
懐かしさに胸が締め付けられるような感覚に。
また、涙腺が……!

何でしょうね、クリスマスソングにはある種、特別なパワーがあるのでは、と感じざるを得ませんでした。

曲と一緒に、毎年感じた色んな思い出と、ときめきで胸がいっぱいになるのですよ。

エネルギッシュなマエストロと、オケの演奏によって、ずっときゅんとさせられておりました。

演奏後、「この後の曲でも、たくさん鈴を鳴らすから、そこにも注目してね」と締め括り、ラプソディー・イン・ブルーの演奏のため、ピアノを移動することに。

ガーシュウィン:ラプソディ・イン・ブルー

「(ピアノ移動中で)少し早いけど、角野くんを呼びましょうか。角野くん!」

呼ばれて、角野さん登場。

舞台中央の端っこには、いつの間にかタイミングよく二つの椅子がセッティングされており、マエストロが先に座って、角野さんへもどうぞと勧めます。

「えっ、座って良いんですか?」
とぼそっと呟いた角野さん。

確かに、座りながらのトークタイムは珍しい。
でも、リラックスした雰囲気でのお二人の会話はとても楽しかったです。(途中から立ったけどね)

角野さんが座るや否や、「ねえ、ケンタッキー好き?」と問いかけるマエストロ。

角野「好きですよ」

原田「一番好きなクリスマスソングは?」

角野「ザ・クリスマスとか」

原田「……何でこんなことを訊くかって? 後でアンコールは何の曲弾くのかなと思って。今日弾かないで帰ったら大変なことになるよ(笑) みんな、何聴きたい?」  

え、観客に聴いちゃうの?

角野「僕、クリスマスの曲、何弾いてましたっけ?――あ、みんな返事出来ないんですよね」

コロナ禍じゃなかったら、みんな口々に曲名挙げても良かったのかしら(笑)。
何てアットホームなコンサート!

原田「ラプソは色んなところで沢山弾いてると思うけど、即興は毎回変えるんでしょ?」

角野「そうですね……今回は僕のラプソ史上でも、一番楽しいカデンツァになっているかと思います!」

原田「あの、すごい無茶ぶりだとは思うんだけど……即興でクリスマスソングを混ぜて欲しいな♪
無理だったら、アンコールで弾けば良いから!


そんな煽りされたら、角野さん、絶対燃えちゃうでしょ!

そんな会話をする中、無事にピアノのセッティングが終わり、戻って来るオケメンバー。
何故か、舞台の客席から見て右側の皆さんの頭には、ビオラのメンバーを中心に、サンタ帽がたくさん!

原田「クリスマスの即興を入れたら、今日だけの特別バージョンになって、良い思い出になると思うんだよね。オケのみんなも、クリスマス感を醸し出してるでしょ」

角野「僕の視界、だいたいサンタさんですもんね。これは圧が凄い。弾くしかない(笑)」

そして、そのまま演奏へ。
凄い展開で、間のトークも目が離せない……!

演奏開始から、ピアノが登場するまで少し間がありますが、いよいよ角野さんの演奏がとなる直前、ゆっくりとマエストロが振り返って、しっかりとアイコンタクトを取る姿が印象的でした。

今まで見た色んな指揮者の方々の中でも、特にマエストロは各パートに目を配って、呼吸を合わせながら、曲を進めて行かれる方だなと、この曲の演奏を見ていて感じました。

そして、角野さんのファンではお馴染みのピアニカが、今宵も現れたのですが、その登場方法が新鮮。

何と、マエストロがピアノに設置!

しかも置いた後、咥え口を手に取って、早く吹いてくれないかな〜と言わんばかりに、じっと角野さんを眺めながら、待っている(笑)。

そして、角野さんの演奏ですが、即興にさりげなくクリスマスソングを忍ばせつつ、カッコ良く弾かれていました!

ちなみにマエストロ、角野さんの即興パートはめちゃくちゃガン見されていました。
興味津々。

前にラプソを弾かれたのは、皆さん放送でお馴染み、大阪城ホールで一万人の第九が披露された際に、角野さんも出演されていて、そこでのこと。

その時の演奏は、スタイリッシュでクールな感じでしたが、今日は肩の力が抜けたリラックスしたムードの中で、楽しさと幸福感に満ち溢れた雰囲気。

曲そのものが持つパワーに、マエストロとオケのエネルギーが乗っかり、クリスマスコンサート特有のときめき、角野さんが紡ぐ多彩な音色の煌めきと、先が読めないカデンツァのワクワク感、華麗なアレンジへの恍惚感が合わさって、至福でした……!

彼は最新が最高の人だといつも思うのですが、やっぱり今日も最高を更新!
演奏終わった瞬間にスタオベが!

ガーシュウィン[角野隼斗編+即興]:アイ・ガット・リズム

カーテンコール時、角野さんが戻って来る前に、マエストロが鍵盤を布で拭き拭き(笑)。
角野さんが姿を見せると、さあ、早く座って弾きたまえと、手を差し出してアピール。
こんなチャーミングな指揮者、初めて見るぞ……!
面白すぎる!!!

そして、角野さんが弾いたのは……アイ・ガット・リズム。
YouTubeに公開してされているバージョンに、更にクリスマス要素を散りばめた即興入りのスペシャル版!
いや、もう楽しすぎます!
少年のような遊び心が、センス抜群に炸裂!
こちらもスタオベ!

何度かカーテンコールを繰り返した後に、一度休憩タイム。
トイレの外に出ると、スタッフさんの頭上にもサンタ帽が!
会場中がクリスマスムードで素敵な感じ。

スティーブソン:バスーン・イット・ウィル・ビー・クリスマス

座席に戻ると、舞台上にはいつの間にか、客席に向かって譜面台が三つセッティング。

何だろうと気になっていたのですが、団子三兄弟ならぬ、トッポみたいな見た目の楽器、ファゴット三兄弟(マエストロの説明要約)がその前に登場。

一緒に現れたマエストロ、さりげなく靴を赤いラメのものに履き替えられています。
エンターテイナー!

オケも、先程は半分のメンバーだけクリスマス仕様でしたが、今度はみんながクリスマス衣装に。 
(個人的には、真ん中の奥側にいる、ドアラの被り物をされている方が印象的でした)

マエストロが、「今日はクリスマスだから、何着て来ても良いよと言ったらこうなりました(笑)」と、笑顔で述べておられました。

良いなぁ、この雰囲気。
楽しいムードが、心地良い。

ここで、マエストロが「ファゴット知ってる人!」と挙手を求めて、会場を眺めます。

「知ってるふりしてる人もOK(笑)。今から演奏する曲には、有名なクラシック曲の要素が沢山あるんだけど、いくつ見つけられるかな〜?
なんてトークもありました。

パンフによると、われらはきたりぬ、もろびとこぞりて、魔法使いの弟子、モーツァルトのファゴット協奏曲、フィガロの結婚、ベルリオーズの断頭台への行進、チャイコフスキー悲愴交響曲……思っていた以上に盛り沢山。

違和感なく祝祭ソングに仕上がっていることにびっくり。
目まぐるしく表情を変える展開が楽しい音楽。

ファゴットの音をじっくり聴くのは初めてでしたが、温かみのある音色に、うっとりしました。

チャイコフスキー・エリントン編:バレエ『くるみ割り人形』組曲(特別版)

演奏前に、マエストロからこんな質問が。

「世界で一番演奏されているクラシック曲は? 拍手で答えてね」

「ベートーヴェンの五番」
拍手パラパラ。

「第九」
拍手たくさん!

「うーん、実はどれも間違いなんです(笑)。日本では第九が候補に上がるけど、実はチャイコフスキーのくるみ割り人形なんですよね。世界各地にはバレエ団があって、そこで沢山演奏されるから、必然的にそうなるんです」

「くるみ割り人形は、ジャズ奏者が編曲しているものがあるんですが、今夜はエリントン&ストレイホーン版と、チャイコフスキー版をミックスした、特別版です!」

聴いてみたら、めっちゃクリスマスにぴったりな、祝祭感増し増しな曲になってました!
マエストロのセンス、素敵すぎる!

ジャズ編曲版では、まるでジャズクラブでビッグバンドの演奏を聴いているんじゃないかと錯覚する瞬間もあった位のノリの良さ。

マエストロ、指パッチン、足踏みありで、もう踊るような指揮。
オケのどのパートの皆さんも、ノリノリで格好良すぎる!
弾ける音の粒!

そこからクラシックパートに違和感なく繋げるセンスの良さですよ!

クラシックパートでは、舞踏会で踊っている気分になる感じ。
これをミックスすると、何とクリスマスな雰囲気になっちゃう不思議!

演奏後、マエストロが振り返って一言。
クリスマスって、楽しくない?

もう、めちゃくちゃ楽しくて、最高です!!

アンダーソン:クリスマス・フェスティバル

演奏前に、またまた楽しいトークタイムが。

原田「どこかにジャズピアニストはいませんか? 入って弾いて欲しいんですけど。即興が得意で、『か』から始まって『ん』で終わる人

会場(もはや、かてぃん※を名指ししてるも同じでは)
(※角野隼斗さんの別名)

しばらくして、後ろの方で上がる歓声。
駆け足で舞台に角野さん登場。

速い!
そう言えば、前に何処かで階段を駆け降りるのが得意だと言われていたような……なんてことを思い出しながら、先の展開を見守っていた私。

彼の思わぬ再登場に、盛り上がる観客。

角野「ここに来ても、まだこっち(観客)にいる気分なんですけど」

原田「ごめんね! 観客として楽しんでたのに。ちょっと弾いてもらっても良い?」

角野さん「ちょっとだけですよ〜!」

そして、途中でピアノソロを披露。

ジャジーなアレンジが素敵で、音の粒が粉雪に変じて舞っているのが見えるような、美しい演奏にうっとりしました……!

短い時間だったけど、確かに雪景色が脳裏にはっきりと見えて、クリスマスの魔法を感じる音色でした。
凄い。何だろう、不思議体験……!

そして、オケの演奏ではメドレー形式になっていて、とてもワクワクするものでした。

パンフによると、ジングル・ベル、ウェンセスラスはよい王様、もろびとこぞりて、ひいらぎ飾ろう、世の人忘るな、聞け、天使の歌、きよしこの夜、いざ来たれ、主にある民とたくさん!

しっとりとした演奏で夢心地に浸れるひと時でした。
音が全部あったかいのですよ、気持ち良い……!

オーケストラアンコール アンダーソン:そりすべり[ピアノ入り版]

カーテンコールから戻ったマエストロはサンタさんに、角野さんは茶色い衣装(もしやトナカイなのか……? でも白ひげみたいなのがある(笑))に早着替え。

演奏が始まった直後、何故か指揮台を降りてトコトコと後ろに歩くマエストロ。
角野さんの側に行くと、服がちゃんと着れていなかったらしく、きちんと着せ直されていました(笑)。

そして、何事もなかったかのように戻るマエストロ。

演奏は、みんなで手拍子、ポップスのライブみたいに腕を左右に揺らしたり、何かもう、めちゃくちゃ楽しい!

マエストロもこれまで以上にノリノリ!
オケの面々もソロパートで暴れまくり!
角野さんも弾むような音の演奏!
カッコ良すぎて痺れる!

キラキラした演奏に聴き入るように、時折指揮をする手を止めて、ある時は指揮台を降りて(!)、じっと見守るマエストロ。

何て自由で、開放的な雰囲気のクラシックコンサートだろうか。
でも、それが心地良くて、良い……!

そんな多幸感溢れる空気の中、終演。

めちゃくちゃ楽しくて、心が芯から温まる、そんなコンサートでした。

行きは寒すぎて手袋を買ったんですが、終演後は心があったまったら、身体もあったまるのか、ポカポカ。
結局素手で帰れました(笑)。

Twitterの呟きを時系列に整理し直しつつ、少し加筆して、思い出として書き残しておきます。
※途中、記憶違いがいくつかあるかと思いますが、笑って許してもらえたら嬉しいです(汗)。

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