スポーツの世界で働くということ

新年度がスタートし、最初の1週間が経過。
新社会人としてスタートした、ある会員の話によると、特に何かしたわけではないが、この1週間ですごく疲れたとのこと。
それでも、トレーニングには欠かさず来るあたり、習慣として身についているのだなぁ、と感心。体力は、安定して仕事する上で大切ですからね。
土日でしっかり休み、英気を養って、また来週頑張ってほしいところ。

さて、厚労省がまとめた統計によると、「週休2日制」で従事している労働者(企業)は、80%以上とのこと。そのうち、土日祝日が休みの「完全週休2日」は、50%弱。
さらにその内訳は、従業員1,000人以上のいわゆる大企業が約67%で、会社規模に比例して、その割合に差があるとのこと。
「働き方改革」が叫ばれる昨今、この割合が多いのか少ないのかは不明であり、もちろん職種により差があるであろうことは想像に難くない。

では、スポーツの世界に身を置いて働く人はどうだろうか?

主体である選手は別として、指導者(監督,コーチ)、裏方(マネージャー,用具係など)、トレーナー(トレーニングコーチ,AT,医療従事者)など様々。
指導者と言っても、カテゴリーによりフルタイムのプロコーチから、副業的に携わるスポットコーチ、また学生スポーツ(小学,中学,高校)に携わる教員(→将来:部活指導員に代わっていく?)まで、さまざま。
また、トレーナーもフルタイムでチームに帯同する形態から、我々のようにスポットで複数に携わる形態、あるいは治療院や病院などに属しながら(副業的に)空き時間をチームでの活動に充てる方など、これもまた様々。

そして、どのような立場であっても、共通して言えることは、土日祝日が完全に休みになるということは無い(稀?)ということ。
多くのスポーツの公式戦や練習(試合含む)は、土日や祝日に行われることから、そこに携わる人は自ずとそのスケジュールに左右され、さらに競技によっては、多くの人が休みとなる年末年始も公式戦ということも珍しくない。

もちろん、組織(会社)として週休2日制(あるいはそれに近い制度)を敷き、フレックスで休みをとらせているところもあるだろう。
しかし、なかなかそういかない、つまり週休2日未満であることがほとんどで、月に何日も休みが取れないこともあるのが、現実だと思う。

私の場合も、学生時代の友人や、子供が所属しているチームの同世代のパパ•ママ友などには、「土日も仕事で大変ですね」といった会話によくなる。
確かに、土日が休みで、その休みに子供のスポーツを観たり、趣味や旅行などに時間を割くという生活を送る方にとっては、大変に映るかもしれない。

しかし、そういったこととは引き換えに、スポーツの世界に携わることで、試合に勝って喜び、負けて悔しがり、時には感動する場面・鳥肌が立つ場面に出会し、およそ一般的な仕事をしていては味わえない経験や瞬間に立ち会うことができる。
それが、この仕事の醍醐味とも言える。

要は何が言いたいかというと
何事も「トレードオフ」だということ。

将来、スポーツの世界で仕事することを志す後進の方には、そのことを知っておいて欲しいと思う。
「隣の芝生は青く見える」という言葉通り、どんな仕事に就こうと、周りの人の生活や仕事が羨ましく見えることもある。
そんな時、この仕事の醍醐味って何だろう?と考えて欲しい。

私自身、選手としては一流はおろか、二流にも三流にもなれなかったが、今の立場で、その時の自身では経験できなかったことが経験できている。
もっと言えば、選手として果たせなかった夢をトレーナーという立場として叶えたいと志し、この仕事を選び、それに近いことが叶えられているのだ。

それらの話はまた別の機会に綴るとして、今日はこのあたりで締めようと思う。

今日は、息子の新年度のスタートの練習を観ることができた。
まずは、新しい環境でも楽しんでスポーツを続けて欲しい。

JPFストレングス工房
鬼頭 祐介

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