競技スポーツの試合に、勝ち負けはつきもの。
引き分けや同点(両校)優勝というものも、大会や競技によって存在するものの、基本的には勝ちか負けか、2つに1つ。

以前、『スポーツの世界で働くということ』という投稿の中でも触れたが、スポーツの世界で働くということは勝ちか負けが常に付いてまわり、勝って喜び、負けて悔しがる、そんな感情の動きを日常的に経験する。
学生時代、部活動で競技をやってきた人でも、大半の人は社会人になり、年齢を重ねれば重ねる程にそういった場面に出会してそのような感情の動きを経験することが減っていく。
だからこそ、我々のような仕事は面白く、勝つ喜びを経験するほどに、その醍醐味を味わうことになる。

しかし一方で、勝ち続けることは難しく、その多くは、あるいは大半は負けることを経験し、選手と同じように悔しさを感じることが多い。

ストレングス工房では、現在、会社全体で20近くのチームと契約を結び、さらに工房の個人会員の試合まで追いかけると、50近くの勝敗に関与することになる。
そして、当然その全てに勝つなんてことはなく、ほとんどは負けて悔しい経験をし、選手・チームと共に次に向けて反省をして、それを糧にまた次の勝利を目指し準備をすることになる。

この週末は、そういう意味では悔しい思いを2つ3つ重ねた週末だった。

勝ちに不思議の勝ちあり。
負けに不思議の負けはなし。

という言葉があるように、負けるにはそれなりの理由がある。
そして、我々もその負けの1つのピースであることを忘れてはいけない。

もちろん、例えば野球は野球の勝負であり、ラグビーはラグビー、柔道は柔道と、それぞれの競技そのもののスキルの優劣が勝敗を決める大半を占める。試合になれば、我々が関与することは皆無だ。
しかし、だからと言って、トレーニングが無関係ではない。
むしろ、我々のようなトレーニングコーチという職種は、勝敗と結びつけられることが多い。
したがって、関わっているチームや選手の負けが込んでくると、自身の進退にも少なからず影響してくる。
当たり前だが、そこはシビアな世界なのだ。

だからこそ、試合を観ていると、ドキドキする。
やるのは選手だから、と割り切り開き直ろうとしても、ピンチになればドキドキ、チャンスになれば何とかしてくれと祈る。
この感情の動きは、キャリアを何年積もうが変わらない。
どっしり構えているつもりでも、思わず声が出てしまったり、観ていられなくなるような場面もある。
それでも、負け試合ほどしっかり観て、勝てない原因がどこにあるのかを感じ取らなければならないと思う。

この仕事を生業として貫いていく以上、勝ちに絡んでいきたい。
その為に、自身をどう高めていくか。
選手が日々の練習で自身を追い込み、力をつけるべくトレーニングを積んでいくように、我々指導者も自己の研鑽を忘れず続けていくことでしか、その確率(=勝ちに絡む確率)は高めていけないのではないかと思っている。

「今・ここ・自分」

変えられるもの、コントロールできるものは、この3つのみ。

次の勝利を目指し、私自身もレベルアップしていかなくてはならない。

自戒を込めて、改めてそう感じた今週末だった。

契約チーム・選手の春の戦いは、まだまだ続く。
そして、常に「勝ち・負け」その連続。

JPFストレングス工房
鬼頭 祐介

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