新年度が始まり、早1ヵ月が終わろうとしています。
特に新入生は、新しい環境に適応しようと気を張りながら生活を送ってきており、環境に慣れてきた一方で、心身の疲れが出てくる頃かと思います。
このような時期は怪我は起こりやすく、選手本人のみならず、指導者側も十分に気を配りながら、必要に応じて休養を与えたりして、心身のリフレッシュを図ることも、長い競技生活を考えると必要になってきます。

さて、新年度になり、顧問先チームにおいては、新入生へのトレーニングの導入指導、また工房においてもありがたいことに先輩達の紹介を受けて、体験トレーニングを経て入会してきてくれる選手が増えてきて、そういった選手にとっての心機一転のスタートとなるトレーニング導入をする機会が、この時期は多くなります。

チーム指導においても、工房での個人指導においても、選手個々に目を向けると、それぞれのこれまでのバックボーンや課題、選手としての能力や伸びしろ、将来の目標など異なります。
そういった選手達に接しながら、トレーニングコーチとして伝えたいことは、「継続することの大切さ」です。

いつかのYouTube動画で、千葉ロッテマリーンズの澤村投手がこのように語っていました。
「トレーニングは年単位で続けなきゃ意味がない。」
「2,3ヵ月やってみて身体が重くなりました、と言って辞めてしまう選手が多い。」
まさにこの通りだと思います。

よく選手指導時やトレーナー志望の学生に向けたWT講座では話していますが、1つのトレーニング(プログラム)の効果,成果をみる(評価する)には、2〜3ヵ月継続しなければ分からないと、伝えています。
そして、それが競技の動きやパフォーマンスに現れて、定着するには、さらに数ヶ月を要すると考えています。
その間に、多くの選手は試合を迎え、試合でのパフォーマンスの良し悪しによりトレーニングを見直そうとします。
もちろん、そうする必要がある段階のトップアスリートで、年間通して試合に出続けながら、トレーニングの内容をリンクさせて微調整するような選手であれば、対話を重ねながら、トレーニングを変えていきます。

しかしながら、特に学生や社会人3,4年目(つまり25,6歳)までのアスリートにおいては、発展途上にある選手がほとんどで、トレーニングによって身体が変わり、競技に繋がってきたり、また競技生活を支える一つの習慣(練習の一貫)としてトレーニングが定着するまでには、それこそ、1年2年3年,5年を要します。

選手のレベルや置かれている立場によって、アプローチは変わってくるのですが、多くの選手は目の前の試合やアピールの場に目を向けがちです。
その一方で、トレーニングコーチは、選手個々の能力や目標を把握しつつ、その選手の1年先,2年先,3年先をイメージしながら、逆算思考的にトレーニングを組み立ててあげる必要があります。
つまり、現状から未来を想像しながら、アドバイスし、一つ一つのトレーニングを積み上げさせていく。それが、トレーニングコーチの役割だと思っています。
そうすることで、目の前の結果に一喜一憂しがちな選手に対しても、試合後すぐに次の課題を提示したりフィードバックを与えることができるわけです。

もっとも、そうやって数年にわたるトレーニングを自身のもとで続けてもらう為には、ある種のマンネリ化や成果の頭打ち、長いプラトー状態に陥らないように、トレーニング指導する側も様々な引き出しを増やしたり、バリエーションを考えたりする必要があり、学びと実践を続ける必要があります。

ちなみに、そういった引き出しやバリエーションの多さに関しては、ストレングス工房という組織で仕事を展開していることで様々な視点が得られ、長くこの仕事が続けられている強みだと感じています。この辺りの蓄積されたノウハウや組織についてなどは、追い追い投稿していきたいと思っています。

さて、話が少し逸れましたが、新年度に入り、新たにトレーニングを始める選手が多い時期かと思いますが、そういった選手達は、是非、出来る限り長くトレーニングを継続して欲しいと思います。
まさに「継続は力なり」です。

ストレングス工房では、いわゆる即効性のあるようなトレーニングや動作指導は提供できないかもしれませんが、継続することで確かなものを提供することをモットーにしております。
関わる選手の皆さんの競技生活が少しでもより良く、豊かになることを願って、日々の指導に当たっていく所存です。

JPFストレングス工房
鬼頭 祐介

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