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9月、10月は見立てに沿って波乱の時期に

まだ10月末まで2、3営業日ありますが、一足早く簡単に振り返りをします😊

10月初にFacebookの勉強会グループでは、途中経過をレポートしましたが(https://www.facebook.com/groups/535315267271726/permalink/1515479212588655/)、波乱+下げの展開はその後も続き、米S&P500と日経平均はともに5月以来の水準まで下落しています。

S&P500(囲みは8/24のレポート執筆時〜直近)
日経平均(囲みは8/24のレポート執筆時〜直近)

要因は複数あるのですが、主なものを挙げると、

① 米長期金利の上昇
② 先行きの米景気と米企業業績への懸念
③ 秋は振れやすい季節
④ ハマス・イスラエル軍事衝突

となります。

①については、予想以上に堅調な米経済指標を受けて、追加利上げ観測はそれほど高まっていないものの、政策金利が長い間、高水準で維持される(high for longer)との見方が強まっており、これが長期金利を押し上げ、株価の押し下げ圧力となっています。

② については、①と矛盾するような動きですが、利上げや政策金利の高水準での維持が米経済にマイナスの影響を与えるとの見方や、米企業業績に対する不安感が株価の売り要因となっています(マイクロソフトが良好でも、アルファベット(グーグル)やメタ(フェイスブック)などで不安になる展開)。

③ 秋は季節的に振れやすいというアノマリー(相場の経験則)が示すような値動きが実現しています。過去のような経済・金融ショックは起こらなかったものの、振れ幅が大きく、かつ下向きの圧力が優勢の相場となりました。

④ 地政学リスクも相場の売り要因となります。その意味でハマス・イスラエルの軍事衝突がリスクオフの動きを誘発したと言えますが、両者の軍事衝突そのものよりも、産油国を含む中東諸国に衝突が広がるとの懸念や、やや割高となっていた株価水準といったものが相場調整のきっかけになった可能性がありそうです。

日本株については、足元の日本経済にプラス面だけではなくマイナス面が見られ始めていることや、米国での景気への懸念や企業業績への不安の影響から、米国株と同様に売りが優勢の動きとなっています。

では、11月以降はどうなりそうか、あるいは来週はどうなりそうかというと、変数が多いため情勢は流動的ながら、可能性としてはまだもう少し下の方がありそうだと見ています。

上記①〜④に存在する懸念や不安が払拭されれば、株価は反転上昇となるのでしょうが、大きくポイントは2つあると思います。

1つは、②の景気への懸念や企業業績への不安が顕在化した場合、①の金利が低下することでどこまで株価が反発するかです。変な言い方になってしまいますが、景気が「しっかり」悪くなるようであれば、金利が低下しても株価は上昇しない可能性があります。

もう1つは、仮に④の地政学リスクに落ち着きがみられた場合、安心感から株高となるか、相場調整のきっかけに過ぎなかったため、簡単には反発しないか。若干後者の方がありそうな感じがします。

ただし、水準調整が終わったあとは買い場がやってくると思いますので、その準備もしっかりとしておきたいと思います。逆に困るのは米金利の高止まりが長く続き過ぎること。こうなると減速が顕在化したあと、短期間で経済が反転せず、景気も株価もダラダラとした動きとなる恐れがあります。それだけは避けたいところです。

なお、11月から年末にかけての話を中心にしましたが、実は来週は重要イベントが目白押しです。パッと思い付くだけでも、日銀金融政策決定会合、米FOMC、米雇用統計、米ISM景況指数、アップル決算、などなど。今晩の米PCEデフレーターも含めて、様々な情報をしっかり見ていきたいと思います。

引き続き楽しく増やす資産形成をしていきましょう😊

私が代表を務めるワイズ・アセット・デザインのウェブサイト
https://ysassetdesign.com/

日経ビジネスに私の記事が掲載されましたのでご覧ください
役職定年を割り切れず、学び直してメガバンクの肩書を捨てた:日経ビジネス電子版 (nikkei.com)

Facebookの勉強会グループ
(無料:参加承認制です)
https://www.facebook.com/groups/535315267271726/?ref=share

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