見出し画像

DTP業界での9年間を振り返る

こんにちは、DTPオペレーターのあきづきです!
ふと気が付くと、先日、この業界に入って10年目を迎えていました…!!(驚

「これまでの9年…思い返すといろいろあったな…」ということで。
今回は、DTP業界でのこれまでを、少し振り返ってみようと思います。

はじめに

DTP業界に入ったきっかけ

サーバー管理系のIT企業を退職し、最初は「WEBデザイナーを目指して」職業訓練校の門戸を叩いた9年前。
けれど実際入ってみると、課題で作成した印刷物制作が楽しくて。
「せっかくなら紙の仕事もしたい」
と、紙とWEB両方ができる今の会社を実習先に選んだのが、自分がDTP業界に足を踏み入れたきっかけでした。
 

正社員になるまでの道のり

企業実習付の職業訓練だったため、企業実習にて現在の会社へ入社。
約半年間の試用期間を経て、正社員へ昇格。

2012年9月〜12月:職業訓練校(総合デザイナー職人養成科24期)を受講
2012年12月〜2013年2月:企業実習
2013年3〜7月:アルバイトとして就職
2013年8月〜:正社員に昇格


初年度 (2012〜2013年)

初めて携わった印刷物

実習期間中に関わった「製品マニュアル」制作が、人生初のDTP案件。
今思い返すと、先輩達のアシスタントレベルでしか携わっていないのですが、「自分の関わったものが本になる」ことが当時は本当に感動的で。
「製品が一般流通した時期」と「自宅での製品の買い換え時期」が偶然一緒だったこともあり、絶対現物を手元に残しておきたくて。
結果、マニュアル目的で買う製品を選んだ(そのためだけに1ランク上の製品を買った)ほど、思い入れが強かった、初めての印刷物制作。

見本本が貰えなかったからと言って、そこまでする子は珍しいらしく、当時はよくそのネタでいじられたなぁ…というのは懐かしい思い出(笑

  

初めての広報誌制作

「組合の広報誌」を担当させていただいたのが、「企画〜制作段階まで自由に挑戦」した印刷物の経験

自社内は当初から「InDesign」が主流ソフトだったこともあり、「広報誌もInDesignを覚えつつ制作」の予定だったものの。
正直最初は「グリット揃え」の概念すらよくわからず(笑
結局納期との兼ね合いで、「Illustrator制作」「溢れる分は先輩が対応」となってしまった、初めての広報誌制作(汗

当時は全くと言ってよいほど、InDesignがよくわからなくて。
InDesign=使いにくいという意識が当時は強く、実は苦手だった最初(汗
 
最終的には7年間で24号分を制作した中で、2号目以降は徐々にInDesignで作れるようになり。自分の成長に合わせて、広報誌も毎号ちょっとずつ
「InDesignらしい作り方」になっていた気がします(笑

  

厚物カタログの主担当を経験

入社して8ヵ月頃くらい。
新規受注した厚物カタログの主担当を任せていただき、お客様とのやり取り〜製版入稿まで、DTPにおける一連の流れを初年度から経験。
総計700P強という物量は、新人が一人でできる量では当然ないので、DTP作業自体は大半を先輩達にご対応いただいたたわけですが。
先輩達が簡単にさらっと対応されることでも、自分は毎回大苦戦という力量不足さが、当時はとても悔しくて。

ある日「今日の残りは自力で何とかできそう…!」と、一人で残って作業していたところ、機械トラブルで深夜に突然PDFが書き出せなくなり
しかしタイミングは既に最終工程直前で、翌日にも繰り越せず大ピンチ…!!
先輩がご自宅から遠隔で助けて下さり、なんとか難を逃れるも。
解決後上司から「何で他の人全員帰したかな…」と、一人で抱え込みすぎたことをご注意いただいたのは、苦くも今では良い経験

今でこそ、一人で抱え込むことは、自分自身ではなくなりましたが、最近は後輩が似た状況になりかけているのを見かけることが増えてきて
この時の経験もあるからこそ、今度は自分がフォローに入れるよう、いざという時に向け、今ではある程度先回りで態勢を整えるのが癖になりました。


2〜4年目 (2014〜2016年)

入稿管理フロー改善 および システム改修を経験

一番本格的な経験は、2014年・主担当の厚物カタログにて。
自社開発の専用入稿DBを使った自動組版案件だったため、初年度を制作して浮き彫りとなった課題を元に、「ベンダー・クライアント・自社の3社それぞれにおける業務改善」を目的としたシステム改修の仕様作成に挑戦
上司や先輩方にたくさんのアドバイスを貰いながら仕様を固め。
最終的には全体で130件近い要項に対して改善を実施し、原稿の入稿管理 〜 DTP制作の効率化まで、業務改善の流れを経験

今振り返ると「え、これ2年目の頃?!」と我ながらビックリで。
そんな前から作業効率化業務に関わっていたと思うと、感慨深いです…。
 
初年度の実工数が残っていないので正確な割合は今では不明ですが。
初年度と比べ、体感的には少なく見積もっても「3〜4割程度の工数」を削減したように記憶しています。

 

ディレクター(代理)を経験

会社として、なにかと大きな変化続きだった時期。
この頃は人員交代が激しくて、一時ディレクターが不在になったことから、その代理人的な立場も経験させていただいたのが、この頃。

それまでは自分の案件のことだけを考えていれば良かったのに対し、ディレクター目線では部全体の状況を俯瞰して考え・調整することも大切で。
「全体の状況把握」「人員の手配」「必要な作業工数と実工数」「売上から考えた利益高」など、ディレクターならではの視点を学べた時期。
いろいろ心労で体調を崩した時もあり、決して楽な日々ではなかったですが、自分としては、それも今に繋がる良い経験だったなと思います。


5年目 (2017年)

開発部へ異動

制作部内の人員が安定し、私個人は「開発部」へ異動となった年。
もともとある程度携わってた部署とはいえ、ガラッと変わった仕事内容やコミュニケーションのやり取りに、悪戦苦闘していた日々。

異動後も、一部の制作案件は担当したままで。
「制作部とはリモートでやり取り」していた、という意味では、自分としてのリモートワークの経験はこの頃から。
当時はリモートでの作業分担や進捗確認がなかなか上手くできなくて
昔と比べると、今は相当リモート業務フローが安定したな…と実感します。


6年目 (2018年)

スクリプト作成技術の習得

「せっかく開発部にいるなら…」という想いから、InDesignやshellをはじめとした「自動処理(スクリプト作成)」について、本腰を入れて学び始め。
学んだ内容を基に、手作業部分をあれこれ自動化させ続けていた年

前年の年末頃から出向の話も出ていたため、引き継ぎに向けて担当案件の手順書を作っては、手順検討 → スクリプトで効率化 → 手順書も再修正…と、暇があればひたすら、業務フロー改善をしていた気がします(笑

 

他社への出向

大手印刷会社の制作部へ、派遣的な扱いで出向。
通常のDTP業務に加え、「スクリプト作成」や「業務フロー改善」の知識を活かし、原稿作成の負担軽減制作フローの整理、修正作業の効率化など、業務効率改善を中心に挑戦させていただいた時期。

両社とも初の試みだったこともあり、当初は2ヵ月の予定だった契約期間。
自分としては、DTP業界は自社経験しかないことから、「今の自分の技術はどれだけ他社(しかも大手)で通用するのか?」が凄く不安だった当初。
 
実際にいざ蓋を開けてみれば、その不安は凄く杞憂な悩みで。
DTP技術については、必要水準を十分クリアしていたこと。
+a、自分の「業務の効率化が得意」という部分は「出向先としては苦手な分野」だったことから、チームとしてのパズルがうまく重なり。
最終的にはコロナ禍で自然消滅するまでの約2年間、出向期間は継続。
 
慣れない出向で体調を崩すこともありましたが、自社だけでは挑戦できなかった経験もたくさんあり、こちらも今ではとても大切な経験。


7年目(2019年)

デザイナーとしてのステップアップ

出向先の仕事にも慣れ、ある程度余裕が出てきた年。

もともとはデザインがやりたくて業界に入った一方で、年々現実を知るたびに「自分にはデザインの才能がない…」といつしか諦めていた部分もあり
でも出向を通して、間近でプロのデザイナーさん達の姿を見ることで、「やっぱり自分ももう一度挑戦してみたい!」という気持ちが強くなり。
駄目元で、アートディレクターさんにその気持ちを告白。

その結果、デザイン業務にも携わらせていただけるようになり
短期間で集中的に、密度が高いデザイン経験を積ませていただけた時期。

それまでも自社に来ていた若手デザイナーさんに、軽くアドバイスをいただくことはちらほらあったものの。
何十年も業界経験のある方に、鬼フィードバック(前田 高志さん著書)レベルで一日に何度も細部まで添削いただいたのはこれが初めての経験で。
添削をいただいては、自分の圧倒的な実力不足さが凄く情けなくて。
そんな状態でも、何度も新しいデザインに挑戦させていただける嬉しさと、一方で毎度工数がかかりすぎることへの申し訳なさ・悔しさが半々で。
 
毎回デザインが完成しては、最初〜最後までの出力と、制作過程でいただいたアドバイスを何度も見返し、一日でも早く感覚を養おうと、必死にデザインと向き合い続けた期間
(その成果もあってか徐々に少しずつ実工数も短くなり、最終的には苦しさよりも楽しさの方が優る形でデザインに向き合えるようになりました)

 

配信番組「DTP QUEST」に参加

森裕司さん主宰のDTP系情報の配信番組「DTP QUEST」。
最初の1, 2回を視聴者として拝見する中で、配信自体に興味が出てきて。
これも自分から「挑戦してみたいです!」と気持ちを告白した結果、アシスタントスタッフとして参加させていただけるようになった番組。

最初の頃は、配信中ずっと緊張で終始頭の中が真っ白で(笑
毎回ちょっとずつ、心に余裕がでてくるようになり、徐々に人前で話すことに慣れていけた気がします。

  

InDesignマイスターの称号を獲得

JAGRA様主催のInDesignコンテストに挑戦し、まさかの優勝を果たした年でもありました。

こちらも最初は素直に今の自分の実力が知りたくて挑戦を決意。
一次通過してからは、「せっかく挑戦するなら…!!」と悔いが残らないよう、InDesign関連の書籍や動画を追加購入して、集中的に学習。
InDesignについて、一番深く学んでいた期間のような気がします。

(こちらの話は、別記事にて詳細を紹介しています)


8年目(2020年)

勤務形態が原則テレワーク化

コロナ禍に伴い、自社の勤務形態が原則テレワークとなった年。
出向先も極力出社を控える動きとなり、徐々に出向がなくなり(実質自然消滅の形で契約期日を迎え)、自社の制作部へと復帰。
 
最初の頃は慣れないテレワークで、なかなかスピード・精度共に効率が上がらず。。DTP・校正どちらの面でも、試行錯誤だった日々。

テレワークになった分、通勤時間も自由に時間が使えるようになり、前年と比べると7倍近い量をインプットできるようになったのが、この頃から。
テレワークでは「社内で周りの技術を見て盗む」がなかなか難しい分、社内よりも社外から学びを得ることが、この頃からは圧倒的に増えた気も。

 

新人教育に挑戦

この頃から、職業訓練校からの企業実習頻度が高くなり。
業界未経験な方と関わる機会が格段に増え、実務に余裕がある時は、新人(実習生)教育に挑戦させていただくようになった年。

「何をどう教えるか」も含めて自由に選定できたため、講義資料を作ること自体もとても楽しんでいたこの頃。
手順書同様、作っては実際説明して、わかりにくいところを直して…と、「どうすれば相手により伝わりやすいのか」を、日々とても学んだ時期。

(下記、実際に元々は講義用資料として作ったもの)


9年目(2021年)

社内DTP業務の効率化を進める

出向時にほとんどの案件を他の人に引き継いでいたことから、基本的にはそのまま主担当を持たず、ピンチヒッターとして「その時一番忙しい案件を手伝う」のが自分のメイン業務となり。
各案件を手伝っては、「この作業面倒くさいな…」と感じるたびにフローの改善やスクリプトを作成し、少しずつ各案件の作業効率化を進めていた年。

この年で一番業務改善した内容は、InDesignと自社DBとの連携まわり。
手作業では1商品あたり10〜15秒くらいかかっていた作業を、自動化することで半分の時間で行えるように改善。(1,000件あたり1時間半の削減)
年間で相当な工数削減に繋がる改善でしたが、「面倒くさい作業」をなくせたことが、個人的には一番嬉しいという結果に(笑

 

テレワーク業務の最適化

テレワーク勤務も2年目に入り、おおよその運用方法や作業フローも確立化され、前年よりもかなり作業がスムーズになった年。
 
テレワーク主体の中で、周りへの説明やアドバイスのやり方も変えていく必要性を徐々に感じ始め。文章ベースだった手順書類も少しずつ動画化するなど、「説明」の観点で色々試行錯誤した日々。

これまでは個人的なノウハウも社内資料へ保存していましたが、「汎用的な知識は、noteやYouTubeの方が共有しやすいのかも…?」と気がつき
社内発信と並行して、徐々に社外発信にも力を入れ始めた年。


10年目を迎えて

多少の差はあれど、毎年なにかしら新しい挑戦と学びを得ながら成長してこれているのかな…?と自分では感じる、これまでの9年。

いろんなことに興味がある自分だからこそ、時には回り道もあって。
「特定の方面に一極集中」されている方と比べると、どうしても個別技術の成長スピードは遅めな部分もあるけれど。
自分なりのペースでも、一歩ずつでも確実に成長してるのかな?と思えることは、凄く嬉しいことだと感じています。

10年目の今年は、自分にとって再び大きな変化を迎える年
環境や自分の働き方がこれまでとはまた大きく変わる中で、どこまで何ができるのか…今はまだ凄く未知数のことが多いけれど。
10年の節目にこのタイミングを迎えたことは、きっと意味があって。
今後また振り返った時、後悔のない年になっていると良いなと思う、現在。

まだまだいろいろ、迷っていることも多いけれど。
次なるステップに向けて、10年目も頑張って行きたいなと思います!

この記事が参加している募集

振り返りnote

最後まで読んでくださり、ありがとうございます! 少しでも参考になるものがあれば、「いいね」や「シェア」などのリアクションも頂けると、泣いて喜びます!   また、もし良ければTwitterのフォローもお願いします! https://twitter.com/yryama