そして、いうまでもなく。
20代前半の頃、よくツレと二人で飲みに行った。暇さえあれば、ツレに連絡をとり、次の瞬間には乾杯しているくらいのテンポ感が心地よかった。
*
その日は、サッカーの試合終わりだった。
終わった時間は、ちょうど夕焼け小焼け。
また明日となるはずもなく、二人で飲みに行った。
試合会場の最寄り駅近くにある店にテキトーに入った。いちいち調べたりせず、面白そうなことが起きそうなお店に突撃するスタイルだ。
自分達の直感とテンポを信じて、お店選びをすることが粋だと思ってた。これも一種の若気の至りか。
*
L字カウンター8席くらいの小さなお店だった。どうせおでんが名物なんだろうな、と一見さんの我々でもわかる雰囲気があった。
開店したばかりだったので、我々しかいない。
※テキトーに注文して、ビールを飲む。
テキトーに注文したアテを食べ、ビールを飲む。
テキトーに注文して、ビールを飲む。
※くりかえし
※くりかえし
※くりかえし
※くりかえし
※くりかえし
※くりかえし
・・・
少しずつお客さんが増えてきた。
席はいつの間にか埋まっていた。
そして、ボクたちはいつの間にか馴染んでいた。別に馴染むつもりはなかったが、地元民しか集まらないカウンター8席こじんまり駅前酒場では、一見さんの大学生二人組は重宝された。
*
時間は忘れた。
けど、すごい飲んだ。
そろそろ帰ろうかと思っていたら、汚いおっさんが来店。うーっす、と入店。変なおっさん来たわ、と思っていた。
場は一気におっさんの空気になった。
帰ろうかと思ったときに、鹿肉を持って汚いおっさんが入店。この空気には、抗えなかった。(無論、馴染んでいた勢としては、抗うつもりもなかったがw)
で、鹿肉を食った。ツレと二人で、全然知らない汚いおっさんが自分で狩ってきたという鹿肉を刺身でいただいた。
子供の頃、知らない人についていったらダメとか、知らない人から食べ物をもらっても食べちゃダメとかいわれてたけど、ついに全然知らない汚いおっさんが自分で狩ってきたという鹿肉を食ってしまった。
で。
覚えていることといえば、このとき食べた鹿肉の刺身がめっちゃ美味かったということだ。美味も美味も美味だった。
的なことを言われたので、すみません、ありがとうございます〜!と元気に返した。
その後、タイミングが見つかったので、お店を出て二人でホロホロと千鳥足で帰路に着いた。
*
そして、次の日。
いうまでもなく、お腹をピーピーに下した。
・こぼれ話
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