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#2 音楽と恋愛の関係性

 先日友人の配信枠でチラッと話題に上がったのだが、ギターやベースを嗜む人の中には複数の楽器を持っており、それぞれに名前をつけて愛でているということが(少なからず)ある。実際私の大学の時の先輩にも6畳ワンルームに10本のギターを並べ、ギターと寝食を共にしていた人がいる。そのような人たちに話を聞くと、不思議なことに揃って「一つの楽器ばかり弾いていると、他の楽器が嫉妬して鳴らなくなる」「ご機嫌を取ってあげるために、弾かなくてもお手入れを欠かさない」という答えが返ってくる。楽器の形が女性のボディラインを模した形をしていることも影響しているのだろうか。
 歌う場合は自分の体そのものを鳴らすことになるので、いわば体が楽器だ。よって楽器のお手入れ、つまり体調管理がとても大切になってくる。特に喉。ステージに立つ予定が続いている時は、プロポリス入りの高級のど飴を常備したり加湿したりしたりと色々試していた。
 さらに私の場合心理状態が無意識に歌声に乗るようで、演奏をよく聴きに来てくれる常連さんたちから「なんかあったでしょ」と声をかけられたりすることもあった。マイナスな気持ちはもちろん、プラスの気持ち、とりわけ「好きな人がいる時」は歌う本人の気づかぬ間に声のクオリティが上がるようだ。
 配信枠では話しているが、私は恋愛に関して攻めていくタイプ、一狩り行こうぜ、ガンガンいこうぜという戦術の人間である。音楽人のコミュニティでは観客が演奏者をめぐって水面下の戦いを繰り広げていくことが珍しくなく、意中の人のために着飾った彼女らに対し「スポットライトの熱で化粧が崩れたTシャツジーパンで演奏する女」というのはどうしても部が悪い。だからこそ生存競争を勝ち抜くためにはメンタルを強く持つ必要があり、意中の人が共演者にいたり演奏を見に来てくれているときには狩人スイッチがオンになってしまうのだ。
 そしてその闘志というのが声に乗るらしいのだが、私の場合はそれが良い方向に働くようで、観客から「いやぁ〜今日はなんかすごく良かった」という感想を1杯のお酒と共にいただけたりするのである。(たいていこういう時のお酒はとっても美味しいけれど、1杯のんですぐにお茶に切り替えている。酒は飲めども飲まれるな)
 そんなわけで今後私の歌枠に足を運んでいただいたら、歌声をよーく聞いてみてほしい。もしあなたが何かしらの迫力を感じたとしたら、もしかしたら私が誰かにときめいている…ということかもしれない。

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