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お伊勢さん 1日目


3/30、天気は晴れ。
しかし初夏のような暖かさになるとの予報。
雨よりはずっと良い良い。

往路は新幹線で名古屋へ、そして近鉄特急で伊勢市へ。
近鉄特急は『しまかぜ』に乗車しました。
特に鉄道に興味がある人ではありませんが、確かに、特別な車両でした。
ただ、思ったよりも車窓からの景色は退屈だったかな……

乗車券や特急券はどちらもネットで事前に購入し、新幹線はスマートEXでsuicaでスイスイ。
これ、皆が使えればより駅の混雑ももう少し改善されそうですね。

伊勢市駅に到着後、まずは伊勢神宮の外宮へ。
と、その前に腹ごしらえです。

伊勢といえば…
そう、伊勢うどん。
実は知ったのはつい最近。

なるほど、中々美味しい。
普段食べることのないふやけたうどんと、それに絶妙に絡む粘度のあるタレ。
せっかくなので山かけで食しました。
なお、写真は撮っておりませんので興味のある方は検索を。

伊勢市駅から外宮までは500メートルほどですので徒歩で問題ありません。
商店街を眺めながらぶらぶらと歩いているとすぐ到着します。

伊勢神宮は正式にはただ『神宮』と呼び、天照大御神(あまてらすおおみかみ)を祀る内宮(ないくう)、豊受大御神(とようけおおみかみ)を祀る外宮(げくう)があり、二社の間は5kmほどあります。
順番は外宮から参拝するということです。

豊受大御神は天照の食事を司る神ということで、外宮は天照のための食事を用意する台所みたいなところですね。

伊勢神宮の見どころの一つは唯一神明造という建築様式にあると思います。
一目見るだけで違いが分かるような、派手さはありませんが荘厳でどっしりと佇み、連綿と続く悠久の時間を感じさせてくれます。

伊勢神宮は『式年遷宮』により、20年ごとに生まれ変わります。
つまり、20年に一度、全てが作り替えられるのです。
そのため歴史ある社であるのに、全てが常に新しいのです。
それぞれの社の隣には同じ広さの「古殿地」とよばれるスペースがあり、本殿はその場所と交互に建設されます。

古殿地

この古殿地が何ともいえない静謐な力を醸していて、個人的に好きな空間でした。当然ながらこのスペースに立ち入ることはできません。

たくさんの人出でしたが、それすらも軽く飲み込む深い森があり、マイナスイオンを感じるスポットです。

なるほど、これがお伊勢さんか、と好奇の目で眺めながら散策をしました。
心は自然と穏やかになります。

一通り参拝を終え、『式年遷宮』についての資料館として近年オープンした『せんぐう館』へ。
伊勢神宮の年間行事や式年遷宮に関する制作過程がとても詳しく知ることが出来る、充実した資料館です。
ささっと通り過ぎずに、じっくり観ることをお勧めします。

次に向かったのは『伊勢河崎商人館』です。
宿も勢田川に近いところでしたので、江戸の情緒を保存している旧問屋街である河崎を散策することに。
と、結構歩いたのでお茶休憩を。
問屋街入口付近の古民家カフェ「cafe わっく」で豆乳ラテをいただく。
店内も味も店員さんもGoodでした。

実は、伊勢神宮よりもこの散策の方が興味深かったように思います。
『伊勢河崎商人館』は入口の狭さからは想像できないくらい、奥に拡がっており見ごたえのある旧建築資料でした。博物館的にも充実しています。
ブラタモリでタモリさんも来ていましたね。
スタッフの方も気さくで、色々とお話を聞かせていただきました。
ここで販売していた伊勢醤油使用の『みたらしくるみ餅』と塩ようかんを購入。

伊勢河崎商人館
山田羽書(日本最古の紙幣)

そういえば、この旧問屋街を歩いていると、みな軒先に以下のようなしめ縄を飾っているんです。
正月に飾るイメージでしたので、何でだろうと思っていましたが、この展示室の解説を読んで納得です。
伊勢では一年中飾っておき、年末に新しいものに交換する慣習なのだそう。
さすがお伊勢さん。

日も暮れてきたので一度ホテルへチェックイン。
静かで綺麗なよいホテルでした。

小休止をした後、夜の街へ!
美味いお酒とお刺身が食べたいと思い、ネットで目星を付けていたお店へ。
ワンオペという情報だったので早めに行って正解。
天然素材にこだわったお店で、どれも絶品でした。
しいたけは原木、お酒は原酒、自家製たまり醤油も。

自然は優しい、と思い知らされます。
やはり美味しいと思います。こういうのは。

大量生産は一定の豊かさをもたらしますが、加工系食材はそれなりにごまかしがありますので、それがなくて丁寧に作られたものは優しさが全く違うんですよね。
口に入れてから飲み込むまでの間の自然さ。
案の定すぐに混んできたので、もっと食べたかったけれどもここらで退散。

2件目を探しに夜の伊勢駅周辺をぶらぶら散策。
すると目を引く看板を発見。

伊勢と九州を繋ぐ……

立ち飲み屋です。
私の父は九州鹿児島出身でしたので縁があります。
ということで、試しに入ってみました。

店主は福岡出身で伊勢へ移住した方でした。
いろいろとお話もしながらお酒の飲み比べセットを飲んでいました。

伊勢のお酒飲み比べ
九州のお酒飲み比べ

神宮や式年遷宮関係者もよく来るそうで、その知識は地元民と比べても、いやそれ以上にあるのではと感じました。
両地名を看板に掲げるだけあり、観光案内もバッチリでした。

しばらくすると観光客のお二人が来店。
地ビールが好きすぎて作るのが夢、というご夫婦でした。
年齢も私と変わらなかったのですが、とても若く見えました。
自然と話し、場所も移動しておりました。
お二人とも大阪出身ですが、女性が大分と縁がある方で、やはりあの看板を目にして入ってきたそうです。

店主いわく、『九州ホイホイ』

とりとめもない話がなぜここまで楽しく感じるのか、マイナスイメージの多いお酒ですが、コミュニケーションを円滑にする上でも妙薬でしょう。飲みすぎだけ注意すれば。

そんな中、ようやくジモティーさんが来店。
気さくな女性で、話の輪に加わり、一杯ひっかけるとささっと去って行きました。

私もそこそこ飲んだので帰ることに。
先のご夫婦とはInstagramのフォローをし合ってお別れしました。

こういう出会いはとても嬉しい。
観光客というイレギュラーに許された自由といいますか、やはり解放感はあります。

お店も人も料理も、そして日本神社の総本山も、旧問屋街も素敵な伊勢を感じた一日目でした。
ちょっと飲み過ぎたかもしれない……
翌日の天気予報は曇りだったので、二見浦に朝日を拝みにいくのはキャンセルし、睡眠に当てることにして就寝。

二日目へ続く。

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