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#クソ物件GO 2020 参戦記 〜九州編〜

これまでのあらすじ

史上初のチーム戦となった不動産スタンプラリー #クソ物件GO 2020。クソ物件の少ない都道府県を中心に効率よく進軍し得点を伸ばす緑軍に対して、海外勢のポイントと国内都市部を中心にコッカラッス!力を全国展開する赤軍は一進一退の攻防を繰り広げていた。各軍のスポット訪問数も総得点も拮抗するなか大会2日目を終え、両軍あわせて #日本のクソ物件全部回ったる が現実のものとなりつつあった。残された舞台は中四国と九州沖縄エリア。両軍とも死力を尽くして駆け回れ!

大分へ

正直なところ、ここに来ることはもうないのではとさえ思っていた。何かここに辛い思い出があるわけではない。実際、学生時代には九州を何度も周遊し、九重町、湯布院町にある温泉街には親しみすらある。何より、毎年2回ここに帰省してきていたのだ。馴染みのないはずがない。僅か数年前の話だが、それが随分と遠い昔のことのように感じられる、ただそれだけのことだ。

記憶が確かならば、大分県には「大分の二度泣き」があるという。大分に赴任してきた都会の方が「ひどい田舎に来てしまった」と泣き、帰任する際には「ここを去らなければならないなんて」と泣く、そういった話だったと思う。実際、食に関する資源(豊後水道は屈指の漁場)、温泉などの観光資源(九重、別府、湯布院など)も豊富で、瀬戸内性の陽気な気候も相俟って大変過ごしやすい。加えて、鉄鋼業や化学工業を中心とした大企業の事業場が沿海部に位置しており、地域に大きな雇用を創出している。駅前も近年再開発され、賑わいが生み出されつつある。さらに公教育のレベルも極めて高く、地方都市の中でも傑出したものがある…と推しどころに富む素晴らしい自治体、それが大分。とはいえまぁ色々あってなんとなく足が遠のかざるを得ない心理だったのだが、ここが次なる #クソ物件GO の戦いの舞台とあっては立候補しないわけには行かなかった。土地勘なんてあって当たり前。絶対に負けられない戦いが、ここにはある。

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ホリポン先生の遊軍

今年赤軍に現れたライジングスターの1人はホリ ポン先生で異論無いと思う。

ここまで 神奈川→熊本→広島 と常軌を逸したルートでピンをサクサク抜いてコンプしていく本物の狂人は、この日福岡入りし、地元勢が予め制圧していた福岡中心部、および1箇所だけ離れている東九州道以外を全て回りきり一度帰京。これを踏まえ、私の九州でのミッションは大分県のコンプ、そしてあわよくばの福岡県コンプ、のふたつに決まり、大分行きの飛行機を羽田で待っていた。

DJあかい、再び

都道府県コンプは、先んじて達成した軍にしかボーナスポイントが付与されない。そのため、両軍の進軍状況によっては取りうる進路が変わってくる。前日に高知県にいた緑軍の tnihei 将軍が広島もしくは九州入りするのだろうか、と予想しながら緑軍の投稿を眺めていると、夕方に九州入りしたのはなんとDJあかいさん。

遠賀郡の水巻町から北九州市に向かって北上するという不気味なムーブを眺めながら機内に搭乗した。この時点で緑軍は福岡市の中心部にも1箇所スポットを残しており、それにも関わらずあかいさんが福岡市より北部に位置する水巻町から北上したということは、緑軍が2人がかりで福岡県を制圧しにきたことを示唆している。彼が私より東九州道に先着するのは明らかだった。福岡は諦め、大分に集中しよう。車じゃなさそうだし、さすがに大分までは来ないだろう…それまでは寝よう。

大川物件の追加ミッションと大分決戦

空港に着陸すると、運営のグリップ君が #大川物件全部見たる の苦行ミッションを宣言。本物のクソ物件巡り、まさに大川冬の陣の火蓋が切って落とされた直後であった。

大分組もゆっくりしていられない。翌朝イチの飛行機で帰京する必要があったため、借りたのはヤリス。事前精算を済ませ、タッチアンドゴーで国東半島の賃貸物件へ。

空港に面した国道213号線から一本入っただけで家賃爆安。確かに生活利便施設までは距離があり、なかなか悩ましい立地に思われた。程なく、赤軍LINEを通じてあかいさんが大分まで歩を進めたことを知る。

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杵築〜臼杵という大分独特の地名を舞台として、完全にすれ違うルート選択。しかもスタート時間は両軍ともほぼ同時。ここからは完全にこれ(モカタナカ画伯より拝借)。

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直ちに東九州道を経由して大分道へ。もうひとつのクソ物件のある臼杵市には、キリシタン大名、大友宗麟の築いた臼杵城をはじめとして史跡が数多く残っており、城下には関東で言う川越のような風情ある街並みが広がっている。豊後水道にも面しており、海産物にも恵まれた都市だ。ゆっくりしたい。

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さて、ピンの立てられた問題のクソ物件は建屋を見る限り臼杵公園であった。桜の名所でもあり、春先には多くのお客さんがやってくる。お祭りも季節ごとにあるはずなのだが、トイレに住んでたの?3年も?マジで?

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一方あかいさんは

30分差!でなんとか大分決戦を制することができた。このときの赤軍LINEが面白かったので紹介したい。

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ちょっと九州に飛ぶだけで面白がれるの、名誉ないですか?これはチーム戦ならではだなーと思う。大分を制した安堵とともに、県庁所在地である大分市へ戻り食事を取ることにした。訪れる店はここだと最初から決めていた。

懐かしの王府

王府(ワンフー)は大分市高城にある中華料理店だ。ファミリーを主要な顧客層とするため大皿料理が多い。看板にもあるニラ豚という推しの炒め物に加え、大分ならではのとり天も提供している。テイクアウトも大人気。よく来たよなー、と店の両端に位置する座敷席を眺めつつ、通された小さめのテーブルで懐かしの味を噛み締めた。コロナウイルス感染が拡大する中でも、従業員数(めちゃくちゃ多い)は減らしていないようだった。地方もがんばってる。閉店間際に入ってしまったので「早く食べおわんねーかな」の視線で皆さんがこちらをみている。感傷に浸っている場合じゃない、はよ!と背中を押された気がした。落ち込んだりもしたけれど、私は元気です。ご馳走様でした。

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福岡県は既に緑軍の手中に落ちていたため、朝イチの飛行機までに東九州道のピンを訪問すればよい。別府に立ち寄って風呂でも入るか…と思っていたら DM が着弾。DJあかいさんからだった。

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食事は既に済ませていたため、お風呂行きますか!という話に。出会って4秒で裸の付き合い、すごくないですか。GOにはドラマがある。

訪れたのは別府駅前の駅前高等温泉。熱いお湯の風呂とぬるいお湯の風呂で入口が違い、片側のチケットを自販機で購入すればよいというトリッキーなスタイルに気づかず我々はうっかり両方のチケットを購入。ぬる湯の浴場にはこじんまりした脱衣所と、階段を降りた先にぬる湯と熱めの湯ふたつの浴槽。これが2人で実質貸切状態という贅沢な経験であった。今回の大分戦に加え、山形県のスポットを回ったという共通点もあり、交代浴をしながらクソ物件談義に花を咲かせていたら気づけば1時間があっと言う間に経過。あかいさんとは初対面でしたが、お話ちょうぜつ面白くてめちゃくちゃ楽しいひとときを過ごさせてもらいました(全裸で)。飲みに行きたかったけど、レンタカー返せなくなるし東九州道のポイントもなくなるし、後ろ髪を引かれつつ別府駅前であかいさんとお別れ。風呂上がりには飲むヨーグルトをご馳走になりました。美味しかった!大分遠征も残るミッションは東九州道のみ。高速をひた走れ!

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東九州道閉鎖で林道を彷徨う

別府から高速の入り口に向かうと北九州行きのインターが封鎖。上下線とも工事中とのことで、行きたくもない福岡方面のルートに乗せられる。いきなりスタートエンドなのなんなの。

そう、大分はいつも私に試練を与えてくれる。さすがに道がわからなくなり、この旅ではじめてナビをONにするも、高速道路沿いの一般道を高速道路上とナビが認識してしまい使えない。もう有視界走行しかない。

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上の地図でスポットは左上のずっと先、私がうろうろしてたのは赤囲いのエリアだったらしい。高速だったら片道40分くらいで着くはずなのに着いたのは1時20分。ピンに激寄せで超橋脚のアングル決めた。現地はかつて椎田道路として知られた有料道路の終着点あたり。道路を通った蜜柑畑のおじいちゃんの戦いはどうなっているんだろう。

帰路も高速が死んでいたため、国道10号線を延々と戻るという苦行であったが、関西でも大川物件という本物の苦行を皆頑張ってるわけで、なんとかやりきらなきゃいけない。道の駅で車中泊しながらなんとか大分空港へ到着。朝イチの飛行機で無事帰京を果たすのであった。大分県、本当に来てよかった。また会う日まで!

長かった #クソ物件GO もいよいよ最終日、東京リアル鬼ごっこ編へ続く。


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