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ビジネス英語の学習法7:スピーキングとトーキングのテクニック

①『ビジネス英語』=専門用語を伴う、大人が使う『英語』
②基礎文法の習得、そして単語力を増やす取り組みが大切
③ビジネス英語の下地作りは業界の英語記事を読むこと
(*ビジネス英語の下地:①専門用語と大人向けの単語の下地、②フレーズと言い回しの下地、③基礎文法の下地、さらにはビジネス英語を取得する目的の一つでもある④海外マーケットの情報を得る)
④ビジネス英語における、ライティングによるアウトプットは基礎文法の理解と英語の論法を手に入れる訓練が必要
⑤スピーキングに取り組むための3つのポイント:単語強化、英語の論法と文章の作成スキルを上げる、頭の中で質問文を作れるようになる
⑥スピーキング("speaking")では自分の意見や考えを複数の相手に伝える事であり、トーキング("talking")では、相対する相手との会話のキャッチボールを指す

上記はこれまでnoteで書き綴ったビジネス英語の学習における要点をまとめたものになります。

今回の記事は特にテクニックの話になるので、上記の記事の前提があったうえでの話であるという事を忘れないようにして下さいね。語学力そのもののレベルを上げる努力をした上で成り立つテクニックであり、語学力を根本的に補うようなテクニックではないという事も頭の隅に入れて読み進めて頂ければと思います。

まずは前回の記事の復習になります。

ビジネス英語におけるスピーキングにはスピーキング("speaking")とトーキング("talking")が含まれ、スピーキング("speaking")では自分の意見や考えを複数の相手に伝える事であり、一方、トーキング("talking")では、相対する相手との会話のキャッチボールを指す。
ビジネスシーンに置けるスピーキング("speaking")
プレゼン、会議の際に自分が担当する業務の報告を述べる、会議に参加しているスタッフに自分の意見を述べる
ビジネスシーンにおけるトーキング("talking")
会食やお付き合いの中でのランチやディナーで会話、会議の中座での簡単な会話、会議中の質疑応答

さて、ここまでが背景となりますね。

それでは早速スピーキング("speaking")のテクニックからご紹介します。

スピーキング("speaking")は、プレゼンなどで、自分の意見や考えを複数の相手に伝える事でしたね。考え方の鍵は複数の相手に対して考えや意見を述べるという事です。それを考えればテクニックは次の通りになります。

「英語の論法」に従い、「主張(意見)」「本論(理由)」とセットで話すことを意識する。
②わかりやすい単語、言い回しを心がけ、誰が聞いてもわかるように話す。特に他にも第二外国語で英語を使っている人がいればなおさらです。

スピーキング("speaking")はトーキング("talking")ではないので、②の「相手の理解のしやすさ」が優先されるべきです。ですので、出来るだけ短い文書で、わかりやすい単語を使い、出来るだけ基礎文法に従って話すことがテクニックの一つとなります。これをするだけでも自分の考えを伝えることにおいては大きな改善を感じるはずです。

また、英語によるスピーキング("speaking")ですので、①の「英語の論法」に従うというところはしっかりと押さえる必要があります。これがしっかりできていれば、多少文章がつたなくても相手に自分の考え、意見を伝えることはできるようになります。

①と②どちらが重要か!?

両方ではありますが、①「英語の論法」に従っていれば、②言い回しが多少雑になっても言いたいことは伝わるでしょう。しかしながら、もし、①「英語の論法」に従わないまま、②言い回しが雑になった場合、自分の意見や考えを複数の相手に伝える事においては失敗するでしょう。

スピーキング("speaking")で自分の意見や考えを伝える場合、英語の論法に従う事の方が、文章力よりも問われるスキルであるという事をぜひ覚えておいてください。

この事は何人もの生徒のエッセイを毎日採点し、添削し続けている私が経験をもって断言できる事でもあります。

私の経験から説明すると、論法が整っていれば、それがガイドラインになり、英作文や言い回しの修正が可能になります。しかし論法が整っていない言いたいことのガイドラインが無い状態になるので、ショートエッセイなどの英作文は修正がとても難しく感じるのです。というか想像以上に難しく、出来ないと言ったほうが的確な表現だったりします。

まとめます。

スピーキング("speaking")のテクニック、すなわち、プレゼンなどで、英語で自分の意見や考えを複数の相手に伝える際のテクニックは、①英語の論法に従って言う、②誰にでもわかるような単語やフレーズの選択し、話す事、でした。

それでは次にトーキング("talking")にテクニックに移ります。トーキング("talking")のテクニックでは交渉技術を応用しています。楽しみながら読み進めて頂ければと思います。

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トーキング("talking")とは相対する相手との会話のキャッチボールを指すんでしたね。ビジネスシーンでは、会食やお付き合いの中でのランチやディナーで会話、会議の中座での簡単な会話、会議中の質疑応答などを指すのがトーキング("talking")でしたね。

実はこのトーキング("talking")こそ、多くの生徒が不得手と感じ、さらにはスキルアップを目指したいと考える部分にもなります。

効果的にテクニックを学ぶ為、まずはトーキング("talking")を分解します。

まず、トーキング("talking")ですが、相対する相手との言葉のキャッチボールになるので、いくつかのカテゴリーが出てきます。それらは以下の通りになります。

①自分の意見や考えを述べる
②相手の話を聞く
③質問する

実はトーキング("talking")は上記3つのように分解し、それぞれのテクニックを考える必要があるのです。なぜならば会話における立場が異なるからです。

では、早速①自分の意見や考えを述べるテクニックからご紹介してまいりましょう。まず、テクニックは以下の通りです。

①英語の論法に従って話す
②わかりやすい単語、言い回しを心がける。
相手にわかりやすい例を挙げる(理解が進むための効果的な例え話を使うという事です。)

トーキング("talking")で自分の意見や考えを述べるテクニックはスピーキングの技術に③を加えたものになります。相手が複数か相対する対手かという違いだけなので、テクニックに大きな差はありませね。

しかしながら、相対しているので、対話はより密になります。ですので、①と②に加えて、③を実践することは意見交換においては大きく相手の理解を深めてくれます。ですので、トーキング("talking")で自分の意見や考えを述べる際は③は意識して使ってくださいね。

それでは、次に②相手の話を聞く際のテクニックに触れて参りましょう。

相手の話を聞くのもトーキング("talking")になりますね。ここは一般的な英会話スクールでは「リスニング」のカテゴリーに入ってしまうのですが、トーキング("talking")では必ず起こるシーンですので取り上げないわけにはいきません。

この②相手の話を聞く際というのにもテクニックがあります。

特にビジネスシーンにおいて、相手の話を聞くという事は、「相手の主張・意見・考えを正しく理解する」というスキルになってきます。

また、英語を第二外国語で話している方にとっては共通のテーマになりますが、ただでさえ第二外国語の英語を使っているので、相手の話を理解するという点において、語学力及び単語不足により相手の話を聞き間違えるというケースが頻繁に起こります。

これを避ける方法が、テクニックだとお考えください。

それではトーキング("talking")において②相手の話を聞く際のテクニックをまとめます。

要約、ラベリング:相手が話し終わったら、自分の理解した相手の考えを「~という事が言いたいんだよね」と確認する。この際、例え話や、相手の考えに立った場合に言える事などを用いて、具体的に相手に聞き返すことで不明瞭な部分を取り除く。
ミラーリング:相手に話を掘り下げてもらいたい場合、掘り下げてもらいたい部分に関する単語やフレーズをリピートする。また、相手の発話した単語でわからない単語があればその単語をリピートする。

②相手の話を聞く際に大切なことは、相手の考えや意見を明確に理解するという事です。

英語が不得手だからといって相手の考えや意見をなんとなく聞いているのではスキルアップは測れません。特にビジネス英語において、トーキング("talking")のスキルアップを図りたいのであれば、相手の考えや意見を明確に理解するという事に取り組むのは必須だと考えなければなりません。また、大人同士の会話においてもやはりこれは相手を敬うという行為に繋がるのでやはり取り組むべき課題となるでしょう。

これに取り組むためのテクニックの一つが①要約、ラベリングとなりますが、相手の話を聞き終えたら、ぜひこのテクニックを使い、まずはそれを頭の中で要約し、自分の言葉で相手の話の内容を「~という事が言いたいんだよね」という感じで、相手にそれを伝えてみてください。

このテクニックを実践すると、相手の話を聞き間違えたり、勘違いするという事は大幅に減らせるようになります。また、これは相手にとっては自分の言いたいことが相手にきちんと理解されているという裏付けになるので、安心感や信頼感を与えることが出来るテクニックでもあるのです。

また相手の話の中で出てきた内容で特に掘り下げて話をしてもらいたい場合に簡単に使えるテクニックがミラーリングになります。

この②ミラーリングは、非常にシンプルなテクニックで、相手の話の中で出てきた、掘り下げてもらいたい単語やフレーズをただリピートするだけです。

またより効果的に使用する為に少し工夫すれば良いのが声のトーンです。

例を挙げます。ここでは掘り下げてもらいたい部分をリピートするイメージの会話にします。

A: I'm sorry I can't make any further discount.
B: Any further discount...
(相手が話し出すまでの沈黙がありますが、何も発せず耐えてください。)
A: I mean, if I make further discount, we won't be able to make any profit out of this deal. I'm sorry. 
B: Any profit...(沈黙です。耐えてください。)
A: You may not believe what I say, but we won't be any to make any profit. Zero profit. And that will be not a healthy deal for us to take. I'm really sorry. 
B: I understood. 

上記のやり取りはこれ以上値下げが出来ないというやり取りになりますが、値下げできないといったところでこちらは「理由」を知りたいわけですよね。ただ、それを"why?”と聞くのはかなりぶっきらぼうなやり取りになるので、多くのビジネスパーソンは避けるはずです。失礼にあたる場合もありますからね。ただ、上記のように、単語をリピートする方法はぶっきらぼうにならず、相手を自問させるようなテクニックになるので、相手に失礼な態度を避け、なおかつ話を掘り下げてもらえるテクニックとして非常に有効な方法になります。

実はこのラベリングとミラーリングは交渉技術や会話技術の一つであり、カウンセラーが患者と信頼関係を築いたり、交渉担当者が事件の解決を図るために犯罪者と信頼関係を築く際にも使われているスキルになります。

特にビジネスであれば、相手との信頼関係の構築は戦略的に取り組んでも良いことですよね。英語であればなおさらの事で、トーキング("talking")において②相手の話を聞く際、この①要約、ラベリングと②ミラーリングとういテクニックを使用し、まずは相手の話を聞き間違えたり、勘違いするという事を減らし、さらに相手の話を相手のペースで掘り下げてもらう事をし、さらにはその努力の効果として、相手との信頼関係という副産物をぜひ手に入れてください

これらのテクニックは繰り返しになりますが、カウンセラーが患者と信頼関係を築く際に使われたり、アメリカでは交渉担当者が事件の解決を図るために犯罪者と信頼関係を築く際にも使われているスキルになります。ですので、もし効果のほどをまず検証したければ日本語でも構いませんので取引先の相手と同じように①要約、ラベリングや②ミラーリングのテクニックを実践してみてください。相手への理解が深まることはすぐに実感し、またその効果で相手との信頼関係が深まるような体験も手にするはずです。

いよいよ最後のトーキング("talking")のポイントです。③質問するというポイントでのテクニックを掘り下げましょう。

トーキング("talking")の際、会話の流れというのが大変重要になります。

これは大人であれば誰もが体験していることになりますが、発話するタイミングや聞き直すタイミングはトーキング("talking")においてはとても難しいポイントになってきますね。

また、第二外国語である英語での会話では、わからない単語やフレーズが出てくる頻度が高く、その度に、”Excuse me, I couldn't understand the word, ~. Please wait so that I can look up!"なんていう間(ま)は挟めないわけです。またそのような間を取れたとしても会話の間を何度も中断させるのはスムーズな会話ではなく、また現実的な方法とは言えないわけですね。話の腰を折るからです。

この悩みは、英語会話を避けたくなる大きな要因の一つとなっていると考えています。

しかし成すすべ無いわけではありません。そのような場合に使えるテクニックがあります。それは先ほど相手の話を掘り下げる際に使用した②ミラーリングです。

ミラーリング:相手に話を掘り下げてもらいたい場合、掘り下げてもらいたい部分に関する単語やフレーズをリピートする。また、相手の発話した単語でわからない単語があればその単語をリピートする。

このミラーリングはやることは非常に簡単です。先ほど説明した通り、相手に掘り下げてほしい部分の単語やフレーズをただリピートすればいいのです。少しイメージしましょう。

ここではわからない単語やフレーズを聞き直しますね。ここでは"significant"が分からないとしましょう。会話は以下の通りになります。 Bの人がミラーリングを行っています。

A: I believe the sale this year will see a significant drop due to the pandemic. 
B: A significant drop...
A: Yes, A significant drop. I would say, a drop by 30%.
B: By 30%...
A: Yes, by 30%. That is my calculation based on the months we could't do business due to the pandemic.  

上記の会話を見ていてどうでしょうか?上記の会話を読んでみて、会話が不自然な印象がありますか?意外とそう感じないと思います。これがミラーリングのテクニックの神髄となり、こちらが知りたい単語やフレーズをリピートするだけで、相手は自分の話をもっとしても良いという引き金だと感じ、自然にトーキング("talking")を進めてくれるようになるのです。

上記ではもしsignificantがその場でわからない単語だったとしても"a significant drop"が会話の中で"30% drop"を指しているというのは文脈から理解できるようになると思います。

また相手は話を掘り下げてくれるので、わからない単語やフレーズも相手が話を掘り下げてくれるのでわからなかった部分がそのままになることも避けられるということになるのです。

そして、相手が十分に話したと感じれば、おのずと相手は話すことをやめますので、それからでも十分に自分が質問や意見を返すタイミングが得られるのです。その時にでもどうしても調べておきたい単語があれば、”Let me look up on my dictionary. There are a few words I wan't to check."とでも言って時間をもらえば良いのです。

いかがでしたでしょうか?

英会話のスピーキングは実は、スピーキング("speaking")とトーキング("talking")に分類して考えられ、それぞれで求められるテクニックが確立されているのです。

本日は少々長くなったので改めてまとめましょう。

スピーキング("speaking")とは、自分の意見や考えを複数の相手に伝える事。(プレゼンなど)
スピーキング("speaking")のテクニック
①「英語の論法」に従い、「主張(意見)」「本論(理由)」とセットで話すことを意識する。
②わかりやすい単語、言い回しを心がけ、誰が聞いてもわかるように話す。特に他にも第二外国語で英語を使っている人がいればなおさらです。
トーキング("talking")とは相対する相手との言葉のキャッチボールを指すまたそれは以下のように3つのカテゴリーに分けられる。
①自分の意見や考えを述べる
②相手の話を聞く
③質問する
(会食やお付き合いの中でのランチやディナーで会話、会議の中座での簡単な会話、会議中の質疑応答など)
トーキング("talking")の3つのカテゴリーにのテクニック:

①自分の意見や考えを述べる場合
①英語の論法に従って話す
②わかりやすい単語、言い回しを心がける。
③相手にわかりやすい例を挙げる(理解が進むための効果的な例え話を使うという事です。)

②相手の話を聞く場合
要約、ラベリング:相手が話し終わったら、自分の理解した相手の考えを「~という事が言いたいんだよね」と確認する。この際、例え話や、相手の考えに立った場合に言える事などを用いて、具体的に相手に聞き返すことで不明瞭な部分を取り除く。
ミラーリング:相手に話を掘り下げてもらいたい場合、掘り下げてもらいたい部分に関する単語やフレーズをリピートする。

③質問する場合
ミラーリング:相手の発話した単語でわからない単語があればその単語をリピートする。

これらのビジネス英語におけるスピーキング("speaking")とトーキング("talking")に分類したテクニックは、自分の意見や考えをしっかり伝えるとともに、相手の考えや意見を明確に理解し、さらには円滑な会話の流れを心がける為のテクニックになります。

ビジネスの際には英語での会話の場合、特に重要になるポイントを押さえているテクニックになるので、英語を学習しているビジネスパーソンには必須のテクニックだと考えています。

上述したように、コミュニケーションが仕事であるカウンセラーやアメリカの交渉担当者でさえ使っているテクニックですので、ぜひ皆様もテクニックをマスターし、英語によるビジネスコミュニケーションで相手と円滑な会話、さらには信頼関係を築いてください。

Good luck!

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