追記

書評というものを初めて依頼され、書き、それが掲載されたものが今日発売になった。追ってWEBにも掲載されるはずで、もしよければご一読頂ければと思う。

御本について思うことは書いた通りなのだが、字数と文の運びの都合でどうしても言及しきれなかった事柄も多い。どうしても立場を明確にしたいことだけ、ここに追記しておく。私は、著者が幼少期に他者に行った「いたずら」は「いたずら」の範疇を超えたものだと思う。その「いたずら」をされた方々やその親や親戚がまだ御存命だとして、おそらくは本名で、そのエピソードを「懐かしい思い出」として語られて大丈夫なのだろうかと心配になった。私はそれらの行為は、いくら悪意がなくても「いたずら」として許される範疇を超えたものだと考える。それだけ書き残しておきたい。

繰り返しになるが、御本について思うことは書いた通りで、戦後の時代を語る物語として著書を読むとすれば、とても読みやすく、読ませるものだったことは事実だ。一方、私が強く惹かれたのは現代を描写した部分だ。特に著者がホームで倒れ、見知らぬ女性と男性に心配される場面には、たしかに誰かの予知夢のような、共感と臨場感を覚えた。

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